リオ+20国内準備会への沖縄BDからのインプット

2011年10月04日/ パブコメ

1992年の国連環境開発会議(地球サミット)から20年後となる2012年6月に、リオ・デジャネイロ(ブラジル)で「国連持続可能な開発会議」(以下、リオ+20)が開催される予定です。
このリオ+20に向けて、国内準備会「リオ+20国内準備委員会」が発足しています。

同委員会は環境省地球環境局国際連携課からの業務委託を受け、(株)三菱総合研究所が事務局を務めています。
委員会についての概要は→こちら

リオ+20の主要テーマとして以下の2つを盛り込むことが定められています。

-グリーン・エコノミー(持続可能な開発及び貧困緩和の意味でのグリーン・エコノミー)
-持続可能な開発の組織的フレームワーク

このようなテーマのインプットをとりまとめる際に、大企業系のシンクタンクが事務局を務めるということに、ひとつ疑問があります。
最終的な案を、市民側の目線でとりまとめることができるのでしょうか。
委員のメンバーは、市民側のステークホルダーをそろえていますが、経団連関係が構えています。沖縄がいつも繰り返しいうのは、「多様な主体」の中にはパワー・リレーションがあるということです。

現在、同委員会は国連へのインプットの募集を行っていますが、その意見募集のプロセスと、内容に関しては声を上げる必要がありましたので、担当者に連絡をとり、以下、取り急ぎの文書を提出しました。

意見募集案内についてはこちらをごらんください。

 今後、私たちがこのリオ+20国内委員会へのインプットという作業に十分に関わっていく余裕があるとは思えませんが、この文書と国内準備会の姿勢に関しては、見逃すことは黙認と考え、ここに意見を述べておくことにします。
 
 
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河村雅美
沖縄・生物多様性市民ネットワーク 事務局次長
国連生物多様性の10年市民ネットワーク幹事


質問1:あなたの立場は
一応④
リオ+20国内準備会への沖縄BDからのインプット


何か変な分類なのだが、統計上、書かなくてはいけないらしい

質問2:インプット案に対する意見
1.意見の募集について
 意見募集の〆切までの日程が26日に発表し、30日の正午〆切と短いので、もっと余裕のある常識的な日程にしてほしい。また、資料も小出しに出さないでほしい。今回、別添資料が〆切前日に追加ででている。
 また、外部に出せるレベルの文書にしてほしい。誤字脱字もあり、表記も統一されていない。また、文章も推敲されていないのは一目瞭然である。読みづらいし、全体構成が把握しづらい。読み手側を考えた、質の高い文書を出してほしい。
 「市民」が意見を書く時間は限られている。特に、ワークショップなどに出ていない者は、その文書だけでなく、その意見の背景や、Rio+20の動向、意見を書く際の裏づけなど、リサーチも必要である。その時間をきちんととってほしい。担当者への問い合わせによればスケジュールがおしている、とのことだということだが、環境省からの事業委託として税金でやっているのならば、スケジュール的に読みにくい文書を読まされるような、国民にしわ寄せがいくような事業としてはいけないと考える。
 このような〆切設定では、アリバイ的に意見を募集しているように見えかねない。実質的なやりとりとなるようにスケジュール設定をしてもらいたい。また、文中にも(p.9)「社会的に声が反映されにくい人たちの視点の尊重」というRio20に期待する成果があげられているが、日本がまず、このようなことを実践していくことが必要である。地方、弱者など声を届けにくい人の声をこのような時に、常に配慮していってほしい。

2. 沖縄の先住民族としての位置づけについて
 先住民族として入れられているのはアイヌ民族だけだが、この中に沖縄を位置づけていただきたい。先住民族は「伝統的知識」の所有者としてのみ位置づけるのではなく、歴史的な位置づけが必要である。この国内委員会における沖縄へのスタンスを明確にしていただきたい。
 国連の中では、沖縄は先住民族として認められている。この国内委員会の中では、日本政府側の見解で、沖縄を認めないスタンスをとるのか、あるいは国連、国際先住民族フォーラムで認められているとおり、沖縄を奪われた歴史を持つ先住民族として認め、記載していくのか、見解を伺いたい。

3. エネルギー問題の記載について
 全般を通じて、「東日本大震災関係」(p.8)の記述について、国民の意見が反映されているか甚だ疑問な部分が多い。
例えば、p.3の(b)原子力発電の安全性の強化、p.8 の12)の「エネルギー危機も起きている」15)「電力需給が逼迫する中」、p.11の19)の「一時の感情論」という記述については議論があると考えられる。特にp.11の19)は、「今後の原発管理のレベルアップにつなげていくことが重要」と帰結されており、この問題に取り組んでいる市民が納得する記述とは思えない。議論、再考を強く希望する。

4. 生物多様性の危機についての記述
 他の生物多様性関係の団体からも既に要望がでていると思われるが、生物多様性についての記述が少なすぎる。「生物多様性条約」の本文を読み、また生物多様性の危機的な状況をリサーチし、持続可能な開発の推進に、この視点がいかに重要かを、国内委員会での意識を共有し、文書に反映してほしい。

5. 日本政府のポジションについて
 原子力発電所の事故における放射能物質による汚染の深刻さ、それが少なくとも日本の一定の地域に持続可能な開発を不可能にしたこと、今回の事故の地球全体への責任を強く示すべきであると考える。このトーンの文書を国連に出すことは、日本の無責任さを示しかねない。

とりあえずの意見として、上記意見を提出をするが、追加意見を来週提出する予定である。
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*追加意見に関しては、事務局長が提出を予定している。


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Posted by 沖縄BD at 00:59│Comments(0)
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