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8月10日ベトナム・ダイオキシンデー@東京「沖縄の枯れ葉剤を追跡する」
2015年08月02日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ 沖縄市サッカー場/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
8月10日、東京で行われるベトナム・ダイオキシン・デーニッポンの集会があります。
*ベトナム・ダイオキシンデーニッポンとは?*
1961年8月10日、アメリカ合衆国はケネディ大統領の命令でベトナムに枯れ葉剤の空中散布が開始しました。ベトナム政府はこの8月10日を「枯れ葉剤被害者支援の日」と制定し、発がん物質ダイオキシンの枯れ葉剤被害者の救済と化学併記枯れ葉剤の残虐さを世界に訴えています。日本でもこの呼びかけに応えて2011年から毎年同じ日にベトナム・ダイオキシンデーニッポンの集会を開催してきました。
今年は「沖縄の枯れ葉剤を追跡する」というテーマで、シンポジウムが行われ、沖縄市サッカー場の件では、沖縄BDからわたしがシンポジウムでジョン・ミッチェルさんと中村梧郎さんとお話します。
東京近郊の方でお時間あれば、ぜひお誘いあわせのうえ、いらしていただければと思います。
--------------------------
2015年8月10日(月)
17時30分開場 18時開会
会費 前売り2,000円 当日2,200円 (学生1,000円)
申込み振込先
郵便振替 00180-4-292090 宮原千佳子
140-0011 東京都品川区東大井5-18-1
JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線 大井町駅徒歩1分
電話 03-3295-3415
品川区きゅりあん
小ホール定員282名(先着順)
1.映画 18:10
『枯れ葉剤を浴びた島:ベトナムと沖縄・元米軍人の証言』
2.シンポジウム 19:20
☆ジョン・ミッチェルさん ジャーナリスト『追跡・沖縄の枯れ葉剤』(高文研2014年11月刊行)の著者
☆河村雅美さん 沖縄・生物多様性市民ネットワーク ディレクター
☆中村梧郎さん フォト・ジャーナリスト
【主 催】 ベトナムダイオキシンデー第5回ニッポン2015実行委員会 【後 援】 ベトナム大使館
【事務局】 170-0005 東京都豊島区南大塚2-17-10 日本ベトナム友好協会内
【連 絡】 阿原成光 090-1607-3749 Eメール 鈴木芳博 suzuki.y0001[アットマーク]gmail.com
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ちらしのPDFはこちらからダウンロードできます。
(PDF: 740.84KB)
(PDF: 665.13KB)
*ベトナム・ダイオキシンデーニッポンとは?*
1961年8月10日、アメリカ合衆国はケネディ大統領の命令でベトナムに枯れ葉剤の空中散布が開始しました。ベトナム政府はこの8月10日を「枯れ葉剤被害者支援の日」と制定し、発がん物質ダイオキシンの枯れ葉剤被害者の救済と化学併記枯れ葉剤の残虐さを世界に訴えています。日本でもこの呼びかけに応えて2011年から毎年同じ日にベトナム・ダイオキシンデーニッポンの集会を開催してきました。
今年は「沖縄の枯れ葉剤を追跡する」というテーマで、シンポジウムが行われ、沖縄市サッカー場の件では、沖縄BDからわたしがシンポジウムでジョン・ミッチェルさんと中村梧郎さんとお話します。
東京近郊の方でお時間あれば、ぜひお誘いあわせのうえ、いらしていただければと思います。
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2015年8月10日(月)
17時30分開場 18時開会
会費 前売り2,000円 当日2,200円 (学生1,000円)
申込み振込先
郵便振替 00180-4-292090 宮原千佳子
140-0011 東京都品川区東大井5-18-1
JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線 大井町駅徒歩1分
電話 03-3295-3415
品川区きゅりあん
小ホール定員282名(先着順)
1.映画 18:10
『枯れ葉剤を浴びた島:ベトナムと沖縄・元米軍人の証言』
2.シンポジウム 19:20
☆ジョン・ミッチェルさん ジャーナリスト『追跡・沖縄の枯れ葉剤』(高文研2014年11月刊行)の著者
☆河村雅美さん 沖縄・生物多様性市民ネットワーク ディレクター
☆中村梧郎さん フォト・ジャーナリスト
【主 催】 ベトナムダイオキシンデー第5回ニッポン2015実行委員会 【後 援】 ベトナム大使館
【事務局】 170-0005 東京都豊島区南大塚2-17-10 日本ベトナム友好協会内
【連 絡】 阿原成光 090-1607-3749 Eメール 鈴木芳博 suzuki.y0001[アットマーク]gmail.com
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13:50
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西普天間: 県議会陳情を提出--利用も調査も県の役割がみえず
2015年06月28日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ 議会陳情/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
返還された西普天間住宅地区について、県議会陳情を出しました。
ブログ記事で紹介した、沖縄タイムスの記事でも触れられていましたが、跡地利用の具体的な計画が異例の早さで策定されています。「『仲井真弘多前知事の肝いり』(政府関係者)の側面が色濃く反映された」と紹介されています。
辺野古の側面から、翁長県政の前知事からの断絶性が前面に出ていますが、その他の政策は同じと知事自らが認めているのですから、その連続性については、議員も県民も注意してみていく必要があります。
直近のニュースとしては、日本政府は6 月22日、西普天間住宅地区の「国際医療拠点構想」と高度医療機能の導入としての「琉球大学医学部と同付属病院の移設」を経済財政運営の指針「骨太方針」に明記したことが挙げられます。
自民党HP 西普天間基地跡地における国際医療拠点化等の推進について
なぜ、「国際医療拠点」なのか、普天間高校の移設はどのように決まったのか、県民はそれをたどる材料を示されていない状態にあります。
全県的な議論はいつ行われたのか、県の役割も不明確です。
それは汚染調査を含む「支障除去」についても同じです。並行し、錯綜している調査計画は誰が統括するのでしょうか。沖縄県は「返還実施計画」で防衛局の要求した項目について、追求していくことに自覚的でしょうか。
議員にもしっかり注視してもらいたいと思います。
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沖縄県議会議長
喜納 昌春殿
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川保護基金」事務所内
共同代表/ディレクター 河村雅美
2015年3月に返還された米軍基地跡地である西普天間住宅地区の利用計画策定・支障除去が、沖縄県の役割が不明確なまま進んでいます。2012年改正跡地利用特措法、初の適用事例であるにもかかわらず、全県的な議論がされないまま、日本政府の政策にひきずられ、県民はその過程から置き去りにされている状態であるように見受けられます。
この問題は一地域の問題ではなく、全県的な問題であるゆえ、沖縄県はその問題を把握し、跡地の利用や利用に至る過程が、県民の意思を反映したものであるか、真に沖縄県民のための制度になっているかを検証していく責任があると考えます。
これまでの過程をみても、政府が主張するような「先行モデル」「モデルケース」とはいうことができない問題点が見受けられます。
利用計画策定と支障除去において、県に主体的な責任を果たしていただくために、具体的に、以下を陳情します。
1. 利用計画策定について
1)現在の案が、どのように策定されたのかについて、複雑であるために県民は議論できない状態になっている。策定主体、提案に関わる関係機関を明確にし、時系列で整理して説明すること。また、詳細を県民に説明する文書を策定し、広く公開・周知すること。
「国際医療拠点」「人材育成拠点」については、特にその概念形成の経緯や、概念そのものがわかりにくいので、「国際医療」とはなにかも含め、十分に説明すること。
2)現在の案は、2013年(平成25年)宜野湾市基地跡地対策課/宜野湾市軍用地主等地主会「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区 まちづくり手引書」によると、地主会が策定してきたゆとりある「住宅中心のまちづくり」から「都市機能を持つまちづくり」に大きく変更されている。この理由を、宜野湾市と地主会は、「嘉手納以南の返還跡地利用の『先行モデル』となる地区であり、宜野湾市の新たな拠点のひとつとなる可能性があるから」という状況変化の理由で説明している。これは変更の理由になっていない、これまで当事者としてつみあげてきたまちづくりの計画が、十分な説明なく国の政策を理由に変更されことは、問題であると考える。2012年の「キャンプ瑞慶覧返還予定地区(宜野湾市部分)」では「本地区のまちづくりの主役は、地主やその家族、周辺の住民、宜野湾市民の皆さんです」と記されているが、日米政府の政策により、この部分が反故にされてしまったといえる。その後のアンケートも既成のメニューにおざなりな質問をして、合意形成を行っており、地権者からは、現時点でも不満の声もあがっているようである。
このように、地元の積み上げを「状況変化」で崩してしまうことが「先行モデル」となることは、あってはならないと考える。今後、跡地利用法を適用する他の返還地のためにも、県としてこれまでの過程を検証、検討する必要がある。
このような意思決定過程について、沖縄県は各時点で把握していたのかを述べること。またこの決定過程について、県として見解を述べること。
3) 意思決定過程には、「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会(以下、「協議会」)」のメンバーのみで、地権者以外の一般市民が入っておらず、協議会は公開されていない。つまり、近隣のコミュニティさえも、決定過程に意見がインプットできないシステムになっている。このような閉じられたシステムの中で、近隣の住民に影響のある案が決定されていくことは問題であると考えるが、県の見解とこの点に関する今後の対応を述べること。
4)跡地利用特措法の「拠点返還地」制度も同地区に初適用されたが、国の取り組み方針がこの制度によって策定されることにより、沖縄側の意思決定過程に国政与党の介入が強くなるリスクがないか、検討し、県の見解を述べること。
5)「国際医療拠点」の重粒子線治療施設建設案は、前県知事や沖縄県医師会の意向が反映されており、利用計画案策定過程が不透明である。重粒子線治療施設自体についても、地権者にもアンケート、説明会で詳しい十分な説明はされておらず、地元が利用できる総合病院と誤解している人々もいる。
また、沖縄県の医療や厚生事情から導き出された、沖縄県地域医療の優先事項としての案として策定されたものとは考えにくい。沖縄県に建設する立地面からのアドバンテージにも疑問が持たれ、採算性の面からも懸念が多い。
「集患」や県民の負担策軽減などが、後から考えられていることなどからも、案ありきで、県民や市民に目が向いていない計画案のように見受けられる。
この技術が医療技術で最先端治療として維持し続けられるものなのかについての説明もない2014年6月18日沖縄大学56周年記念講演で小出裕章氏は、「重粒子線加速器の周辺にあるものは放射性物質に変わってしまう」と述べている。このような放射線リスク、廃棄物処理の問題についてのリスクも十分説明されていない。また、医療の名のもとに原子力業界が利用を進める背景についても述べており、計画策定時にそのようなことが行われていないか、沖縄県は県民と検証し、沖縄にとってふさわしい案であるか考える機会を持つべきである。
まずは、以下の点を説明すること。
①なぜ沖縄県で重粒子線治療施設が必要なのか、県民の利益の観点から説明すること。
②重粒子線治療施設について、沖縄県は地権者、周辺住民について説明する機会はあったのか説明すること。なぜ地権者で誤解が生じているのか、検討すること。
③採算的に視野においているメディカルツーリズム面で、沖縄県のアドバンテージについて、本土、およびこの分野では先進的な近隣アジア諸国との比較で具体的に説明すること。
④採算性が取れなかった場合の経済的な補填方法、県民負担について説明すること。
⑤重粒子線のリスク、廃棄物処理の問題について、具体的に説明すること。
6)人材育成拠点ゾーンに移転される普天間高校の移転地は、2013年春に海軍病院が移転されたキャンプ・フォスターの隣接地であり、病院本体からはフェンス一枚隔て200〜300メートルしか離れていない場所である。また、跡地では汚染ドラム缶や鉛が発見された場所でもあり、騒音も懸念されるなど、米軍基地被害にさらされる可能性のある土地である。
今年初めに同高校の同窓会やPTA会から移転要請の署名が市を経由して県教育委員会へ提出されたとらしいが、敷地の狭さだけの理由で当該地の状況説明は全く記載されていなかったとのことである。
計画案を推進するにあたり、移転署名を根拠にするようであるが、このように普天間高校の移設位置などの実態が知らされていないような署名活動であったという背景を県は確認できているのか。また、キャンプ・フォスターのフェンス沿いに高校を移転するリスクについて、県はどのような認識をもっているのか。
2. 支障除去について
1)支障除去過程における沖縄県の役割、責任について不明確である。沖縄市サッカー場の例では、沖縄防衛局の調査の評価が問題になっているにも関わらず、沖縄県・宜野湾市は調査の監視・評価の役割を担うことについて消極的であることは、問題である。基地環境特別対策室がそのような役割を取らないことは承知しているが、沖縄県はこの西普天間返還跡地の汚染調査で、どのような役割を担うのか、具体的に述べること。
2) 西普天間の各々の調査設計や調査結果を踏まえた全体のフローチャートがなく、錯綜していることは「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」第6回議事録でも宜野湾市と防衛局間で確認されている(2014年8月12日)。(“【宜野湾市:伊佐部長】「支障除去のスケジュールとうちの文化財の調査がいま一つかみ合っていないような気がいたします。表面調査とですね。かみ合うように一つよろしくお願いいたします。
」【沖縄防衛局:三沢課長】「そこはおっしゃるとおり、まだかみ合っていません。我々も今回、ある程度の調査計画は立案したものの、まだ細かいところが検討できていないところがありますので、そこは1つずつきちんと整理しながら調整していきたいと思っています。そこは逆にこちらからもよろしくお願いします。」”)
このように整理がされていない中、返還前の文化財調査でドラム缶が発見され、沖縄防衛局による汚染調査において「資料等調査報告」では予見できなかった埋め立て物や、鉛の汚染が発覚している。鉛の汚染は、調査報告書でも深度を伴う追加調査が提案されている。その中で、環境影響評価も進行中であり、市民は調査の現状が把握できる状態にない。
沖縄県は、「国の責任で」と責任を回避せずに、このような錯綜・混乱している調査設計や調査報告を整理し、県民へわかりやすい形で公開する調整役をつとめること。
3)現在、沖縄防衛局は、宜野湾市の要請で、地元企業のために、調査の入札を細切れで出している(土壌調査は5件、磁気探査は22件、6月12日付)。
①この調査項目については、入札前に沖縄防衛局といつ協議したのか説明すること。沖縄防衛局の「返還実施計画」に対しての沖縄県知事意見(2014年2月5日)で「返還実施計画に記載された調査項目だけでなく、県民の安全安心の観点から幅広く調査を実施していただきたい」と要請しているが、その意見に沿う努力を県は行っているのか。
②また、それに加え、このように調査がバラバラに実施されることは、調査結果をまとめて把握することができない懸念がある。
沖縄防衛局によれば、この調査報告などを集約する予定はないとのことであるので、沖縄県が調査を把握するためにも、県が集約し、県民にわかりやすく周知する役割を果たすこと。
4)アスベストの処理についての現状、防衛局、宜野湾市、沖縄県でどのような協議を行っているか報告すること。また、住民への説明会を、条例改正の説明とともに、県がイニシアチブをとり、3者で実施すること。
5) 「旧嘉手納飛行場(26)土壌等確認調査(その2)キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)」調査報告書で、当初、米軍の許可がなかったために公開されなかったドラム缶の写真(現在は公開)について、環境団体、国会議員はその公開について取り組んできた。地位協定改正、環境協定に取り組んでいるとされる沖縄県は、この間、どのような働きかけを日米政府に行ったか説明すること。
6)沖縄防衛局の「返還実施計画」に対して沖縄県知事が要請した「(廃棄物の有無について)
15. 廃棄物の調査については、『地中レーダー探査等により廃棄物の有無を調査する』としているが、同探査の深度や精度、確認できる廃棄物の種類等について予め関係機関と調整を行っていただきたい。」の調整についてはどうなっているか、説明すること。
以上
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(PDF: 299.7KB)
ブログ記事で紹介した、沖縄タイムスの記事でも触れられていましたが、跡地利用の具体的な計画が異例の早さで策定されています。「『仲井真弘多前知事の肝いり』(政府関係者)の側面が色濃く反映された」と紹介されています。
辺野古の側面から、翁長県政の前知事からの断絶性が前面に出ていますが、その他の政策は同じと知事自らが認めているのですから、その連続性については、議員も県民も注意してみていく必要があります。
直近のニュースとしては、日本政府は6 月22日、西普天間住宅地区の「国際医療拠点構想」と高度医療機能の導入としての「琉球大学医学部と同付属病院の移設」を経済財政運営の指針「骨太方針」に明記したことが挙げられます。
自民党HP 西普天間基地跡地における国際医療拠点化等の推進について
なぜ、「国際医療拠点」なのか、普天間高校の移設はどのように決まったのか、県民はそれをたどる材料を示されていない状態にあります。
全県的な議論はいつ行われたのか、県の役割も不明確です。
それは汚染調査を含む「支障除去」についても同じです。並行し、錯綜している調査計画は誰が統括するのでしょうか。沖縄県は「返還実施計画」で防衛局の要求した項目について、追求していくことに自覚的でしょうか。
議員にもしっかり注視してもらいたいと思います。
宜野湾市HP「瑞慶覧まちづくりハンドブック(入門編)」の作成について
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2015年6月25日
沖縄県議会議長
喜納 昌春殿
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川保護基金」事務所内
共同代表/ディレクター 河村雅美
返還跡地西普天間住宅地区の利用/支障除去について
(陳情)
(陳情)
2015年3月に返還された米軍基地跡地である西普天間住宅地区の利用計画策定・支障除去が、沖縄県の役割が不明確なまま進んでいます。2012年改正跡地利用特措法、初の適用事例であるにもかかわらず、全県的な議論がされないまま、日本政府の政策にひきずられ、県民はその過程から置き去りにされている状態であるように見受けられます。
この問題は一地域の問題ではなく、全県的な問題であるゆえ、沖縄県はその問題を把握し、跡地の利用や利用に至る過程が、県民の意思を反映したものであるか、真に沖縄県民のための制度になっているかを検証していく責任があると考えます。
これまでの過程をみても、政府が主張するような「先行モデル」「モデルケース」とはいうことができない問題点が見受けられます。
利用計画策定と支障除去において、県に主体的な責任を果たしていただくために、具体的に、以下を陳情します。
1. 利用計画策定について
1)現在の案が、どのように策定されたのかについて、複雑であるために県民は議論できない状態になっている。策定主体、提案に関わる関係機関を明確にし、時系列で整理して説明すること。また、詳細を県民に説明する文書を策定し、広く公開・周知すること。
「国際医療拠点」「人材育成拠点」については、特にその概念形成の経緯や、概念そのものがわかりにくいので、「国際医療」とはなにかも含め、十分に説明すること。
2)現在の案は、2013年(平成25年)宜野湾市基地跡地対策課/宜野湾市軍用地主等地主会「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区 まちづくり手引書」によると、地主会が策定してきたゆとりある「住宅中心のまちづくり」から「都市機能を持つまちづくり」に大きく変更されている。この理由を、宜野湾市と地主会は、「嘉手納以南の返還跡地利用の『先行モデル』となる地区であり、宜野湾市の新たな拠点のひとつとなる可能性があるから」という状況変化の理由で説明している。これは変更の理由になっていない、これまで当事者としてつみあげてきたまちづくりの計画が、十分な説明なく国の政策を理由に変更されことは、問題であると考える。2012年の「キャンプ瑞慶覧返還予定地区(宜野湾市部分)」では「本地区のまちづくりの主役は、地主やその家族、周辺の住民、宜野湾市民の皆さんです」と記されているが、日米政府の政策により、この部分が反故にされてしまったといえる。その後のアンケートも既成のメニューにおざなりな質問をして、合意形成を行っており、地権者からは、現時点でも不満の声もあがっているようである。
このように、地元の積み上げを「状況変化」で崩してしまうことが「先行モデル」となることは、あってはならないと考える。今後、跡地利用法を適用する他の返還地のためにも、県としてこれまでの過程を検証、検討する必要がある。
このような意思決定過程について、沖縄県は各時点で把握していたのかを述べること。またこの決定過程について、県として見解を述べること。
3) 意思決定過程には、「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会(以下、「協議会」)」のメンバーのみで、地権者以外の一般市民が入っておらず、協議会は公開されていない。つまり、近隣のコミュニティさえも、決定過程に意見がインプットできないシステムになっている。このような閉じられたシステムの中で、近隣の住民に影響のある案が決定されていくことは問題であると考えるが、県の見解とこの点に関する今後の対応を述べること。
4)跡地利用特措法の「拠点返還地」制度も同地区に初適用されたが、国の取り組み方針がこの制度によって策定されることにより、沖縄側の意思決定過程に国政与党の介入が強くなるリスクがないか、検討し、県の見解を述べること。
5)「国際医療拠点」の重粒子線治療施設建設案は、前県知事や沖縄県医師会の意向が反映されており、利用計画案策定過程が不透明である。重粒子線治療施設自体についても、地権者にもアンケート、説明会で詳しい十分な説明はされておらず、地元が利用できる総合病院と誤解している人々もいる。
また、沖縄県の医療や厚生事情から導き出された、沖縄県地域医療の優先事項としての案として策定されたものとは考えにくい。沖縄県に建設する立地面からのアドバンテージにも疑問が持たれ、採算性の面からも懸念が多い。
「集患」や県民の負担策軽減などが、後から考えられていることなどからも、案ありきで、県民や市民に目が向いていない計画案のように見受けられる。
この技術が医療技術で最先端治療として維持し続けられるものなのかについての説明もない2014年6月18日沖縄大学56周年記念講演で小出裕章氏は、「重粒子線加速器の周辺にあるものは放射性物質に変わってしまう」と述べている。このような放射線リスク、廃棄物処理の問題についてのリスクも十分説明されていない。また、医療の名のもとに原子力業界が利用を進める背景についても述べており、計画策定時にそのようなことが行われていないか、沖縄県は県民と検証し、沖縄にとってふさわしい案であるか考える機会を持つべきである。
まずは、以下の点を説明すること。
①なぜ沖縄県で重粒子線治療施設が必要なのか、県民の利益の観点から説明すること。
②重粒子線治療施設について、沖縄県は地権者、周辺住民について説明する機会はあったのか説明すること。なぜ地権者で誤解が生じているのか、検討すること。
③採算的に視野においているメディカルツーリズム面で、沖縄県のアドバンテージについて、本土、およびこの分野では先進的な近隣アジア諸国との比較で具体的に説明すること。
④採算性が取れなかった場合の経済的な補填方法、県民負担について説明すること。
⑤重粒子線のリスク、廃棄物処理の問題について、具体的に説明すること。
6)人材育成拠点ゾーンに移転される普天間高校の移転地は、2013年春に海軍病院が移転されたキャンプ・フォスターの隣接地であり、病院本体からはフェンス一枚隔て200〜300メートルしか離れていない場所である。また、跡地では汚染ドラム缶や鉛が発見された場所でもあり、騒音も懸念されるなど、米軍基地被害にさらされる可能性のある土地である。
今年初めに同高校の同窓会やPTA会から移転要請の署名が市を経由して県教育委員会へ提出されたとらしいが、敷地の狭さだけの理由で当該地の状況説明は全く記載されていなかったとのことである。
計画案を推進するにあたり、移転署名を根拠にするようであるが、このように普天間高校の移設位置などの実態が知らされていないような署名活動であったという背景を県は確認できているのか。また、キャンプ・フォスターのフェンス沿いに高校を移転するリスクについて、県はどのような認識をもっているのか。
2. 支障除去について
1)支障除去過程における沖縄県の役割、責任について不明確である。沖縄市サッカー場の例では、沖縄防衛局の調査の評価が問題になっているにも関わらず、沖縄県・宜野湾市は調査の監視・評価の役割を担うことについて消極的であることは、問題である。基地環境特別対策室がそのような役割を取らないことは承知しているが、沖縄県はこの西普天間返還跡地の汚染調査で、どのような役割を担うのか、具体的に述べること。
2) 西普天間の各々の調査設計や調査結果を踏まえた全体のフローチャートがなく、錯綜していることは「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」第6回議事録でも宜野湾市と防衛局間で確認されている(2014年8月12日)。(“【宜野湾市:伊佐部長】「支障除去のスケジュールとうちの文化財の調査がいま一つかみ合っていないような気がいたします。表面調査とですね。かみ合うように一つよろしくお願いいたします。
」【沖縄防衛局:三沢課長】「そこはおっしゃるとおり、まだかみ合っていません。我々も今回、ある程度の調査計画は立案したものの、まだ細かいところが検討できていないところがありますので、そこは1つずつきちんと整理しながら調整していきたいと思っています。そこは逆にこちらからもよろしくお願いします。」”)
このように整理がされていない中、返還前の文化財調査でドラム缶が発見され、沖縄防衛局による汚染調査において「資料等調査報告」では予見できなかった埋め立て物や、鉛の汚染が発覚している。鉛の汚染は、調査報告書でも深度を伴う追加調査が提案されている。その中で、環境影響評価も進行中であり、市民は調査の現状が把握できる状態にない。
沖縄県は、「国の責任で」と責任を回避せずに、このような錯綜・混乱している調査設計や調査報告を整理し、県民へわかりやすい形で公開する調整役をつとめること。
3)現在、沖縄防衛局は、宜野湾市の要請で、地元企業のために、調査の入札を細切れで出している(土壌調査は5件、磁気探査は22件、6月12日付)。
①この調査項目については、入札前に沖縄防衛局といつ協議したのか説明すること。沖縄防衛局の「返還実施計画」に対しての沖縄県知事意見(2014年2月5日)で「返還実施計画に記載された調査項目だけでなく、県民の安全安心の観点から幅広く調査を実施していただきたい」と要請しているが、その意見に沿う努力を県は行っているのか。
②また、それに加え、このように調査がバラバラに実施されることは、調査結果をまとめて把握することができない懸念がある。
沖縄防衛局によれば、この調査報告などを集約する予定はないとのことであるので、沖縄県が調査を把握するためにも、県が集約し、県民にわかりやすく周知する役割を果たすこと。
4)アスベストの処理についての現状、防衛局、宜野湾市、沖縄県でどのような協議を行っているか報告すること。また、住民への説明会を、条例改正の説明とともに、県がイニシアチブをとり、3者で実施すること。
5) 「旧嘉手納飛行場(26)土壌等確認調査(その2)キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)」調査報告書で、当初、米軍の許可がなかったために公開されなかったドラム缶の写真(現在は公開)について、環境団体、国会議員はその公開について取り組んできた。地位協定改正、環境協定に取り組んでいるとされる沖縄県は、この間、どのような働きかけを日米政府に行ったか説明すること。
6)沖縄防衛局の「返還実施計画」に対して沖縄県知事が要請した「(廃棄物の有無について)
15. 廃棄物の調査については、『地中レーダー探査等により廃棄物の有無を調査する』としているが、同探査の深度や精度、確認できる廃棄物の種類等について予め関係機関と調整を行っていただきたい。」の調整についてはどうなっているか、説明すること。
以上
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22:58
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西普天間:利用と汚染浄化に働く力学--沖縄タイムス記事
2015年06月28日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ 沖縄市サッカー場/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
3月31日に返還された西普天間住宅地区。
返還時には、様々な報道がありました。文化財調査でのドラム缶発見があったため、手放しのお祝いムードの報道とはなっていませんでした。
その後、沖縄タイムスが利用を急ぐ政治経済的力学に、汚染浄化がおざなりにされる懸念がでているという記事をまとめてくれました。跡地利用の報道では、「利用」と「浄化」を離して報じがちなのですが、利用計画段階での「異例」の完成度にも触れられ、汚染問題が抱える本質的な問題をつく、全体像がわかる記事となっていると思います。
米軍基地跡地、特に汚染の問題は、環境基準値超えなど、センセーショナルな部分がメディアではとりあげられがちなのですが、ローカルの構造的な問題をメディアには、しっかりおさえてもらうことが、重要だと思います。返された土地が、安心して使えるようにするために、私たちがローカルなレベルで何をしなければいけないかを県全体で共有していかなければならないので。
沖縄・生物多様性市民ネットワークは、沖縄市サッカー場の経験から私が以下のコメントをしています。
市民が汚染調査に関与しはじめたのは、沖縄市のケースからに過ぎません。その少し積んだ経験値を西普天間で生かせるかどうか、市民と沖縄の行政にかかってきていると思います。
返還時には、様々な報道がありました。文化財調査でのドラム缶発見があったため、手放しのお祝いムードの報道とはなっていませんでした。
その後、沖縄タイムスが利用を急ぐ政治経済的力学に、汚染浄化がおざなりにされる懸念がでているという記事をまとめてくれました。跡地利用の報道では、「利用」と「浄化」を離して報じがちなのですが、利用計画段階での「異例」の完成度にも触れられ、汚染問題が抱える本質的な問題をつく、全体像がわかる記事となっていると思います。
米軍基地跡地、特に汚染の問題は、環境基準値超えなど、センセーショナルな部分がメディアではとりあげられがちなのですが、ローカルの構造的な問題をメディアには、しっかりおさえてもらうことが、重要だと思います。返された土地が、安心して使えるようにするために、私たちがローカルなレベルで何をしなければいけないかを県全体で共有していかなければならないので。
沖縄・生物多様性市民ネットワークは、沖縄市サッカー場の経験から私が以下のコメントをしています。
”基地汚染の問題に詳しい沖縄・生物多様性市民ネットワークの河村雅美共同代表も「沖縄の特徴は、米軍の投棄に起因するものが多く、予測もつかない汚染に直面すること」と解説。「米国でも十数年かかっており、沖縄で2~3年の浄化はかなり難しい」とみる。
加えて、沖縄は「汚染拡散の調査経験値がなく、作業員や住民の安全確保も課題だ」と強調。市民への説明会や意見を聞く機会も予定がなく「市民の声を聞きながら、制度の不備を整えるべきだ」と求めた。”
市民が汚染調査に関与しはじめたのは、沖縄市のケースからに過ぎません。その少し積んだ経験値を西普天間で生かせるかどうか、市民と沖縄の行政にかかってきていると思います。
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西普天間環境アセス配慮書:知事意見
2015年05月09日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
キャンプ瑞慶覧、西普天間が3月31日に返還されました。その時に県内紙の記事も掲載されたのですが、「支障除去」関係について、またまとめて整理します。
今回は、環境影響評価配慮書のその後の進展です。沖縄BDは、3月20日に意見書を提出しました。
その配慮書に対する知事の意見書「(仮称)西普天間住宅土地区画整理事業に係る計画段階環境配慮書に対する知事意見」が沖縄県環境政策課の知事意見のページにあがっています(PDFはこちら)。以前、沖縄県に問い合わせたところ、審査会は開催せず、委員へのヒアリングでとりまとめるとのことでした。
私たちも含めた市民からの意見書に対する宜野湾市の対応などは6月初旬に公表予定とのことです。
知事意見はこちらに埋め込みました。
知事印が斜めってる
(PDF: 183.25KB)
今回は、環境影響評価配慮書のその後の進展です。沖縄BDは、3月20日に意見書を提出しました。
その配慮書に対する知事の意見書「(仮称)西普天間住宅土地区画整理事業に係る計画段階環境配慮書に対する知事意見」が沖縄県環境政策課の知事意見のページにあがっています(PDFはこちら)。以前、沖縄県に問い合わせたところ、審査会は開催せず、委員へのヒアリングでとりまとめるとのことでした。
私たちも含めた市民からの意見書に対する宜野湾市の対応などは6月初旬に公表予定とのことです。
知事意見はこちらに埋め込みました。
知事印が斜めってる
(PDF: 183.25KB)
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西普天間環境アセス配慮書への意見書を宜野湾市に提出しました
2015年03月28日/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
西普天間住宅地区が3月31日に返還予定ですが、その前に環境影響評価の手続きが始まりました。配慮書の公告縦覧が2月18日に県内紙と宜野湾市基地政策部まち未来課、およびそのHPで行われました。
これは、沖縄県環境影響評価条例改正後、初の条例適用ケースであり、返還跡地利用特措法改正後の初の事例でもあります。沖縄BDでも、沖縄市の経験やこれまで西普天間でおきている問題を踏まえ、3月20日(〆切日)に宜野湾市に提出しました。
米軍基地跡地という特性を反映していない配慮書であること、また、各機関で予定している調査や支障除去、このアセス手続きなど調査手続きが錯綜していることなど、多くの問題があると思います。
以下、意見書を貼りつけます。沖縄防衛局、沖縄県、北谷町などにも後日、写しを送付する予定です。
途中で挿入している図は意見書にはありませんが、わかりやすいように配慮書から引用しています。
-----------------------------------------------------
「(仮称)西普天間住宅土地区画整理事業計画段階環境配慮書」に対する意見書
2015年3 月20 日
宜野湾市長殿
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
共同代表/ディレクター 河村 雅美
共同代表 吉川 秀樹
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川流域保護基金」事務所内
TEL/FAX:098-897-0090
共同代表/ディレクター 河村 雅美
共同代表 吉川 秀樹
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川流域保護基金」事務所内
TEL/FAX:098-897-0090
沖縄・生物多様性ネットワーク(沖縄BD)は、元米軍跡地沖縄市サッカー場の汚染問題など、米軍跡地の調査の問題に監視・評価・アドボカシーグループとして取り組んでいます。また、辺野古新基地建設や、恩納村通信所跡地の環境影響評価などにも関わり、環境影響評価制度の問題にも取り組んできました。
その観点から、意見書を提出します。
理由:
(2)地域特性の概要
「計画地は、沖縄島中部の駐留軍用地の返還跡地である」と概要書4-2には書かれているものの、土壌汚染について、「事業活動に伴って発生する悪臭原因物の排出(漏出を含む)を規制する地域の規制基準が悪臭防止法に基づいて定められている。また、計画地及び周辺には土壌汚染源となるような鉱山跡地は存在しない」と評価されている。まずここが、汚染の可能性の高い米軍基地跡地であり、米軍の施設目的からは予想しにくい投棄があるという固有の状況を前提としておらず、「鉱山跡地」という一般的な汚染源を前提に予想していることは問題である。
既に、西普天間跡地の文化財調査でも環境基準値の3倍の鉛が検出され、追加調査が提案されている。沖縄市のサッカー場も、発見されたドラム缶のたまり水のデータから、ダイオキシンが移動し、長期間の溶出している可能性も示唆されている。北谷町桑江伊平地区土地区画事業では、土壌汚染が発覚し、沖縄防衛局「桑江土壌調査調査報告書」(平成25年3月)によると、油汚染、ベンゼン、鉛、調査地付近では過去に六価クロム、ヒ素といった重金属類による汚染も確認されている。また、地下水と共に移動されることも懸念されている。このような実情の反映がない配慮書は問題である。
理由:
配慮書概要書では「なお、計画地及び隣接地域は宜野湾内であるとともに、一般の意見を聴取するため公告・縦覧の機会を設けることから、隣接市町村等の関係する行政機関の長の意見は求めないこととする。」(2-5)と書かれているが、まずこの文自体、なぜ「一般の意見を聴取するため公告・縦覧の機会を設けること」が、「隣接市町村等の関係する行政機関の長の意見は求めないこととする」理由となるか、わかりづらい。行政機関の長が一般の意見の中で意見を述べるとは考えにくいし、意見を述べるならば、隣接地域の自治体の長として意見を述べるべきであろう。「第 3 章 対象事業実施想定区域及び配慮書対象事業に係る環境影響を受ける範囲であると想定される地域の概況」では、「対象事業実施想定区域及び配慮書対象事業に係る環境影響を受ける範囲であると想定される地域については、図 3.1 に示す宜野湾市域と北谷町域の一部を範囲とする。」と記述されており、少なくとも北谷町には宜野湾市と同様の機会を設けるべきである。
また、計画地、隣接地域は宜野湾内であっても、掘削、解体による大気汚染、地下水の影響の範囲などの不確定要素が多い。沖縄市サッカー場でも、その問題が指摘されている。また、「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」議事録6回では、水道管の問題も指摘されており、隣接市町村には様々な機会を通して、情報共有、意見聴取をすべきであると考える。
理由:
支障除去調査と環境アセスの関係等については、沖縄BDも沖縄県への要請、陳情などで確認を求めてきたが、明確な回答は得られなかった。
協議会でも整理がされておらず、「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」第6回議事録では、以下のようなやりとりがされている(2014年8月12日)。
“【宜野湾市:伊佐部長】「支障除去のスケジュールとうちの文化財の調査がいま一つかみ合っていないような気がいたします。表面調査とですね。かみ合うように一つよろしくお願いいたします。
」【沖縄防衛局:三沢課長】「そこはおつしやるとおり、まだかみ合っていません。我々も今回、ある程度の調査計画は立案したものの、まだ細かいところが検討できていないところがありますので、そこは1つずつきちんと整理しながら調整していきたいと思っています。そこは逆にこちらからもよろしくお願いします。」”
このように整理がされていない中、2014年6月24日に返還前の掘削を伴う埋蔵文化財調査について日米合意がなされ、沖縄防衛局が「返還実施計画」を発表し、沖縄防衛局HPで支障除去調査の事前調査にあたる調査報告書「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)(25)支障除去措置に係る資料等調査報告書」(以下、「資料等調査報告」)が公開され、8月15日から、宜野湾市による立入り及び調査が可能となって、文化財試掘調査が開始された。しかし、試掘調査中(18~22日)に、ドラム缶、土中の3地点での異臭が確認され、調査は中止となった。その後、沖縄防衛局による汚染調査が実施され、「資料等調査報告」では予見できなかった埋め立て物や、鉛の汚染が発覚している。鉛の汚染は、調査報告書でも深度を伴う追加調査が提案されており、その実施については返還後に予定されるとのことである。作業員の安全が確保されないまま、スケジュールの遅れをとりもどすかのように2015年2月には文化財調査が再開されている。このように未整理のまま、錯綜した調査体制で環境アセスがさらに進められているが、他の調査の結果も踏まえ、どのようにアセスを実施していくのかが不明であることは、問題である。現に、文化財発掘調査で発覚した汚染調査(これ自体問題があることは沖縄BDは市長に指摘している(「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区返還予定地の汚染について(要請)」(2015.2.10)の配慮書への組み込み方はおざなりであり、協議会の議論も反映されていない。
早期の利用ありきのスケジュール内で環境アセスを進めることは問題である。
理由:誰がどのように配慮書における案を策定したのか、専門家として誰が関わっているのか明示されていない。コンサルタント会社が関わったのか、宜野湾市が書いたのか、策定過程の透明性や、説明責任が担保されていない。依拠した使用資料や調査者などのリストも調査の信頼性の確保のためにもきちんと掲載すべきである。
理由:
環境影響評価制度は、コミュニケーション過程が重要であり、市民の情報入手の方法や、、意見提出の方法に対しての配慮が必要とされる。
しかし、前文から「法改正などもその趣旨を踏まえ、電子縦覧を義務化するなど、情報の。沖縄県環境影響評価条例(平成十二年沖縄県条例第七十七号)第四十一条の二第三項の規定により読み替えて適用される同条例第四条の三第一項の規定により計画段階環境配慮書(以下「配慮書」という。)を作成しましたので、下記の事項を公告します。」と公告の法的根拠から始まり、その後、読み替えについてのわかりやすい説明などもない。
また、公告縦覧時は意見提出方法について、全く記載がなく、沖縄BDからの問い合わせに応えて意見提出方法を課で協議し、「直接窓口へ提出又は郵送による提出」の記載がアップされたという経緯がある。当初は意見を広く募ることを意図せず、意見を提出する立場に立って提出方法を考えることも行われていなかったのではないかと考えられるような姿勢であった。
より広く意見を募るように市としては姿勢を改め、電子縦覧を行っているのであれば、メールによる受付なども検討し、儀式としての公告縦覧ではなく、双方向性のコミュニケーション回路を備えた実質的な制度となることが必要である。
理由:
本アセスは、沖縄県環境影響評価条例改正後初のアセス、つまり初の「配慮書」過程であること、跡地利用特措法改正後、返還跡地に適用される初のアセスであり、行政や県民にとって、初めでの事項が多く、議論すべきこともあったのではないかと考えられる。法制度の問題についても、市民が独自で理解することも難しい。アセス実施の前に議論もなく、説明もなかったことは問題ではないか。特に米軍からの返還前の跡地で立ち入りや調査、情報入手が制限されている状態で、配慮書を実施することの妥当性については議論が必要であったといえる。ただでさえ、事業アセスメントの欠陥を是正するための、真の意味での戦略的環境アセス(SEA)になりえないとして批判されている日本のSEAの問題と、利用優先の制度設計になっていると見受けられる跡地利用計画の現状を踏まえ、県レベルでの議論が必要であったといえる。特に、汚染の問題で環境・安全面で配慮しなければならない問題が発生する可能性の高い場で、限られた情報で方向性を決定することについては、慎重な議論が必要ではないか。
また、説明会の開催は県条例4条の6-2(配慮書についての意見の聴取)の努力義務規程になっているが、努力義務規程であるからやらなくてもよい、と考えずにアセスの趣旨を踏まえ、事後であっても市民が参加しやすい日時を設定し、開催すべきである。また方法書では説明会開催は義務となっているので、市民が参加しやすい日時で複数回設定することを望む。
総じて、このように、不備の多い配慮書であるため、今後のアセス過程では、市民や専門家の意見を踏まえ、環境・安全を第一義的に考え、場合によってはデュープロセスによらない対処をすることも検討するべきであると考える。
--------------------------------------------------------------------------------------
(PDF: 292.55KB)
キャンプ瑞慶覽(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会の会議録は「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)及び周辺地域の環境調査浄化問題を考える勉強会」に提供いただきました。
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23:23
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キャンプ瑞慶覧・西普天間:公開されない現場写真(2)環境補足協定の面から
2015年02月23日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
キャンプ瑞慶覧・西普天間:公開されない現場写真(1)に続いての記事です。
沖縄県への要請
この公開されない現場写真については、米軍が公開しない、ということで米軍を非難するのみでなく、沖縄県を動かしていく必要があるということを、沖縄県の環境政策を見ていくNGOとして考えていきたいと思います。
それは、沖縄県が米軍基地への立ち入り調査を要請しているわりには、実際、コトがおこった時に具体的で積極的な姿勢がみえないからです。
宜野湾市への要請書の写しを沖縄県に送る時に、以下のような要請を書きました。
沖縄県と環境条項
環境条項の面からの取り組みとは何か?
沖縄県は、基地への立ち入りや汚染調査に関する、日米地位協定の見直しを要求してきた経緯があります。
沖縄県サイト 「日米地位協定の見直しに関する主な経緯」 (2014年8月14日までの更新)
環境条項が地位協定に含まれていないことが問題視され、軍転協、渉外知事会などでも要請事項となってきました。
特にこの1,2年、政治的な文脈--前県知事の辺野古の埋め立て承認の問題--と絡めて、西普天間の返還、そしてそれに伴う立ち入り調査の件は「基地負担軽減」の一つとして扱われてきました。
2013年10月3日の「日米安全保障協議委員会共同発表「より力強い同盟とより大きな責任の共有に向けて」では、「2013年11月末までに,返還を予定している米軍の施設及び区域への立入りに関する枠組みについての実質的な了解を達成することを決定した。」と発表され、同年10月24日に行われた第2回 駐留軍用地跡地利用推進協議会では仲井真知事(当時)が掘削を伴う返還前の立ち入り調査を要請しています。
この件に関しては、立ち入りの枠組みを決めるための検討が必要であると沖縄BDから要請書を出しています。[返還跡地問題]2+2:立入り調査の枠組みについての要請(2013.11.22)
それが非常に露骨な形で現れたものが、当時の仲井真県知事による辺野古新基地建設のための埋め立て承認の直前、2013年12月に政府に提出した沖縄県の要請書です。2.の基地負担軽減の部分が立ち入り調査などの件が要請事項として記されている部分です。
そもそも、このような調査の権利は、当然あるべき権利としてみなすべきで、その権利を要求することは、「負担軽減」の範疇にいれてはいけないことだと考えます。また、政治的取引の材料として議論されるべき問題でもありません。
その沖縄県要請書はこちら。
この後、2014年6月24日返還前の掘削を伴う埋蔵文化財調査についての日米合意があり、8月15日から、宜野湾市による立入り及び調査が可能となります。(この経緯についてはキャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の汚染調査などに関するこれまでの経緯の記事参照)
そして、この問題は、2014年11月の県知事選前に再び浮上します。10月20日、日米共同合同発表で米軍基地内の環境調査や日本側の立ち入りや環境基準などを定める補足協定を実質合意したと発表します。これは当時の現職、仲井真知事への後押しであると解釈されています。
日本の環境基準維持 基地内調査で合意発表 (沖縄タイムス 2014.10.21)
この合意書全体についての問題は、ここでは言及しませんが、立ち入りに関する原文の該当部分を切り出しておきます。
語彙も非常に曖昧ですし、具体性に欠け、米軍の裁量によって左右されるという問題が解決される保証はないい、ということは明白です。
これに対して、QABニュースでコメントしました。県内紙でも桜井国俊さんや砂川かおりさんがコメントなさっていましたがクリッピングがおぼつかず。
QAB環境協定で実質合意(2014.10.21)
朝日新聞でもコメントしました。
朝日新聞「米軍基地に新環境基準 地位協定補足、自治体調査ルール化へ」(2014年10月21日)
県政のやるべきことは?
結局、知事選はこの後押しも効力はなかったのか翁長雄志氏が知事選に勝利しました。骨抜きの環境協定は提示されたままの状態で、まだ仕切り直されていません。
翁長県政でこの部分を仕切りなおすことは、嘉手納より南の返還計画とともに「基地負担」の部分を問いなおすこととともにやっていかなければならないことでしょう。
沖縄市サッカー場問題が政治問題として利用されてしまった面があることは忸怩たる思いがありますし、一つ一つ声をあげきれていないことは反省点です。しかし、翁長県政に変わったことをきっかけに具体的に県政に問題提起をしていくことは重要だと思っています。
この間、沖縄県は何をしていたかといえば、2014年度から沖縄県基地環境特別対策室を一括交付金事業として立ち上げています。その中で、米軍施設環境対策事業検討委員会を設置し、”基地返還予定地及び返還跡地における環境問題や在沖米軍の活動に起因する環境問題に対応するため、米軍施設における環境情報の構築と環境対策方針を策定し、国と連携した新たな環境保全のしくみ及び米軍施設とその周辺における環境情報をまとめた環境カルテを作成する予定”しているそうです。
沖縄県HP:米軍施設環境対策事業検討委員会
QAB 米軍施設環境対策事業検討委員会 (2015.2.7)
この会議の中でも、委員から「環境に関する基本的な事項については、米軍との間で情報交換ができるような仕組みを作って欲しい。」という(いまさらの)意見がでています。県の回答は「ご指摘の趣旨を踏まえ、米軍環境部門と情報交換をはじめられるよう、調整していきたい。 」という行政お得意の「調整」回答です。
しかし、現実は元跡地で、返還予定跡地の文化財調査で汚染が発覚しています。実際は現実に起こっている問題で交渉力を鍛えていくこと、米軍との交渉を防衛局任せにせず、日本政府との庇護的・パターナリスティックな関係を断ち切っていくことが県の環境政策には必要であるのではないか、と思います。
写真を出す交渉くらい、カルテとかしくみとか出来上がる前にできるでしょう。そして、これを材料に実質的な内容を伴う環境補足条項の締結を日米に要請し、その要請をタイムリーに日英できちんと公開することが、沖縄県の今するべき、できる仕事ではないでしょうか。
要請で書いたように、立ち入り調査が実施されても、米軍の裁量で提供される情報が制限され、調査に支障が発生するという事例です。これは、安全、健康、そして枯れ葉剤問題にも関係する問題です。
実質的に意味をなす立ち入り調査とはなにかを明確にし、一つ一つ実をとっていく政策を実行していってもらいたい、 ということで、沖縄県には、上述のような要請をしたということです。
そして、米軍にも奪われた土地への投棄に対して抗議の意思表示を示さなければ、さらに返還予定地への投棄は止むことがないと思います。米軍の原状回復義務がなくとも、意思表示は必要だと思います。それに関しては、宜野湾市に要請をしています。
米軍は確かに汚染源であり、投棄という酷いことをしています。しかし、それに対して本当にきちんとした抗議の意思表示を、適切なタイミングで、伝わる言葉で正式な回路でしているか、ということは考えなければならない。それが沖縄で私たちがやらなければならないことではないか、と思います。
---------------------------------------------
こちらは環境条項などの参考リンクです。
・渉外知事会
日米地位協定の改正についての要請を行っています。
・日本弁護士連合会
日米地位協定に関する意見書 (2014年2月20日)
意見書全文、現行日米地位協定と意見の趣旨との対照表、英語版もあります。
日米地位協定(環境条項)の改正問題に関する会長声明(2015年1月7日)も出しています。
こちらは、2014年10月の日米共同合同発表文書原文です。
英文
沖縄県への要請
この公開されない現場写真については、米軍が公開しない、ということで米軍を非難するのみでなく、沖縄県を動かしていく必要があるということを、沖縄県の環境政策を見ていくNGOとして考えていきたいと思います。
それは、沖縄県が米軍基地への立ち入り調査を要請しているわりには、実際、コトがおこった時に具体的で積極的な姿勢がみえないからです。
宜野湾市への要請書の写しを沖縄県に送る時に、以下のような要請を書きました。
「また、沖縄県におきましては、市への要請でも言及している、米軍の許可がおりないために公開されていない現場写真について、沖縄県が日米政府に要請している「環境条項」の面から取り組んでいただきたいと思います。
本件は、立ち入り調査が実施されても、米軍の裁量で提供される情報が制限され、調査に支障が発生するという問題が炙りだされた事例であると考えます。立ち入り調査が実質的な目的を果たすものとなるよう、沖縄は、要請事項をより明確にし、関係諸機関に働きかけてくださるよう要請いたします。
沖縄県の米軍との情報交換に関しては、沖縄県は「平成 26 年度 第 2 回 米軍施設環境対策事業検討委員会 議事概要」において委員の指摘に対し、「米軍環境部門と情報交換をはじめられるよう、調整していきたい」と見解を述べています。このような具体的な機会を活かし、米軍と恒常的な交渉を行い、沖縄県と米軍の情報交換の回路を構築していくことが必要だと思われます。」
沖縄県と環境条項
環境条項の面からの取り組みとは何か?
沖縄県は、基地への立ち入りや汚染調査に関する、日米地位協定の見直しを要求してきた経緯があります。
沖縄県サイト 「日米地位協定の見直しに関する主な経緯」 (2014年8月14日までの更新)
環境条項が地位協定に含まれていないことが問題視され、軍転協、渉外知事会などでも要請事項となってきました。
特にこの1,2年、政治的な文脈--前県知事の辺野古の埋め立て承認の問題--と絡めて、西普天間の返還、そしてそれに伴う立ち入り調査の件は「基地負担軽減」の一つとして扱われてきました。
2013年10月3日の「日米安全保障協議委員会共同発表「より力強い同盟とより大きな責任の共有に向けて」では、「2013年11月末までに,返還を予定している米軍の施設及び区域への立入りに関する枠組みについての実質的な了解を達成することを決定した。」と発表され、同年10月24日に行われた第2回 駐留軍用地跡地利用推進協議会では仲井真知事(当時)が掘削を伴う返還前の立ち入り調査を要請しています。
この件に関しては、立ち入りの枠組みを決めるための検討が必要であると沖縄BDから要請書を出しています。[返還跡地問題]2+2:立入り調査の枠組みについての要請(2013.11.22)
それが非常に露骨な形で現れたものが、当時の仲井真県知事による辺野古新基地建設のための埋め立て承認の直前、2013年12月に政府に提出した沖縄県の要請書です。2.の基地負担軽減の部分が立ち入り調査などの件が要請事項として記されている部分です。
そもそも、このような調査の権利は、当然あるべき権利としてみなすべきで、その権利を要求することは、「負担軽減」の範疇にいれてはいけないことだと考えます。また、政治的取引の材料として議論されるべき問題でもありません。
その沖縄県要請書はこちら。
この後、2014年6月24日返還前の掘削を伴う埋蔵文化財調査についての日米合意があり、8月15日から、宜野湾市による立入り及び調査が可能となります。(この経緯についてはキャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の汚染調査などに関するこれまでの経緯の記事参照)
そして、この問題は、2014年11月の県知事選前に再び浮上します。10月20日、日米共同合同発表で米軍基地内の環境調査や日本側の立ち入りや環境基準などを定める補足協定を実質合意したと発表します。これは当時の現職、仲井真知事への後押しであると解釈されています。
日本の環境基準維持 基地内調査で合意発表 (沖縄タイムス 2014.10.21)
この合意書全体についての問題は、ここでは言及しませんが、立ち入りに関する原文の該当部分を切り出しておきます。
語彙も非常に曖昧ですし、具体性に欠け、米軍の裁量によって左右されるという問題が解決される保証はないい、ということは明白です。
これに対して、QABニュースでコメントしました。県内紙でも桜井国俊さんや砂川かおりさんがコメントなさっていましたがクリッピングがおぼつかず。
QAB環境協定で実質合意(2014.10.21)
”アメリカ軍基地で環境汚染が発生した場合などに日本側の立ち入りを認める新協定について日米政府は20日、実質合意したと発表しました。しかし、県内の専門家からは疑問の声も上がっています。
20日に開かれた普天間基地負担軽減推進会議で仲井眞知事は「環境補足協定につきましては、日米地位協定から54年を経て、初めての成果であります。新たな枠組みを作られたことは、沖縄を始め、全国の米軍基地所在自治体から高く評価されるものだと思います」と新しい環境協定を高く評価しました。
返還軍用地の汚染が次々と発覚し、嘉手納より南の大規模な土地の返還を控える中、新しい協定では基地内で環境汚染が発生した場合や返還に向けて調査が必要になった場合、日本の関係者の立ち入りを認めることが明記されました。
しかしこの発表について早くも疑問の声が上がっています。沖縄市のドラム缶問題などに取り組んでいる沖縄生物多様性市民ネットワークの河村雅美さんは「評価はできないと思っています。これまでとどこがどう違うのか全くわからないし」と指摘。実はアメリカ軍基地への立ち入りについては今から40年以上前既に合意されていました。
1973年の合意では、県や市町村が現場を直接視察したり、必要と考えた場合にはサンプルを入手することができると書かれています。しかしこの合意事項は2003年まで、その存在自体を沖縄県は知らされず実際制度が活用されていなかったのです。
河村さんは「制度としてはあるんだけど、米軍の裁量で全てが決まってしまう、そういう状態だったというのが現状です。市町村とか沖縄にとって適切なものになっているかどうかが不透明であると、そこが解決されていないんじゃないかという懸念がありますよね」と指摘し、今回もアメリカ軍や日米両政府の裁量に委ねられ、実際には意味のないものにならないかと懸念しています。”
朝日新聞でもコメントしました。
朝日新聞「米軍基地に新環境基準 地位協定補足、自治体調査ルール化へ」(2014年10月21日)
”日米両政府は20日、日米安保条約に基づいて米軍による施設、土地の利用などを定めている「日米地位協定」を補足する新たな協定(環境補足協定)を結ぶことで大筋合意した、と発表した。基地内により厳しい環境基準を適用し、土壌汚染などの事故が起きた際、自治体が立ち入り調査するルールなどを今後定める。
1960年の地位協定には環境保護の規定がなく、仲井真弘多知事ら沖縄県側は、土壌や水質の汚染が指摘されてきた米軍基地内の環境調査を可能にする補足協定をつくるよう求めていた。11月の沖縄県知事選を控え、安倍政権側には、米側との合意を通じて、3選をめざす仲井真氏を後押しする狙いもある。
新協定には、日米双方の環境基準のうち厳しい方を採用した「日本環境管理基準」(JEGS)の適用を明記。在日米軍は95年からJEGSを自主的な規制としてきたが、運用実態は不透明だった。日本側には、明文化によって米側に順守を義務づける狙いがある。
新協定は日本側による米軍基地内の環境調査について、(1)環境事故が起きた際の立ち入り調査(2)基地返還前の現地調査――を盛り込む。これまでは基地内の立ち入りには米側の許可が必要だったが、地元自治体による調査も容易になるという。
岸田文雄外相は「協定の正式署名をできるだけ早期に実現する」と述べ、新協定締結に向けた協議を急ぐ考えを示した。
20日午後に首相官邸で説明を受けた仲井真氏は、記者団に「しっかり使える形で仕上げていただければ。難しいものを頑張られて、高く評価する」と述べた。
一方、基地内の環境汚染問題に取り組む「沖縄・生物多様性市民ネットワーク」の河村雅美ディレクターは、新協定について「実効性があるのか疑問」と指摘した。 (村松真次、山岸一生)”
県政のやるべきことは?
結局、知事選はこの後押しも効力はなかったのか翁長雄志氏が知事選に勝利しました。骨抜きの環境協定は提示されたままの状態で、まだ仕切り直されていません。
翁長県政でこの部分を仕切りなおすことは、嘉手納より南の返還計画とともに「基地負担」の部分を問いなおすこととともにやっていかなければならないことでしょう。
沖縄市サッカー場問題が政治問題として利用されてしまった面があることは忸怩たる思いがありますし、一つ一つ声をあげきれていないことは反省点です。しかし、翁長県政に変わったことをきっかけに具体的に県政に問題提起をしていくことは重要だと思っています。
この間、沖縄県は何をしていたかといえば、2014年度から沖縄県基地環境特別対策室を一括交付金事業として立ち上げています。その中で、米軍施設環境対策事業検討委員会を設置し、”基地返還予定地及び返還跡地における環境問題や在沖米軍の活動に起因する環境問題に対応するため、米軍施設における環境情報の構築と環境対策方針を策定し、国と連携した新たな環境保全のしくみ及び米軍施設とその周辺における環境情報をまとめた環境カルテを作成する予定”しているそうです。
沖縄県HP:米軍施設環境対策事業検討委員会
QAB 米軍施設環境対策事業検討委員会 (2015.2.7)
この会議の中でも、委員から「環境に関する基本的な事項については、米軍との間で情報交換ができるような仕組みを作って欲しい。」という(いまさらの)意見がでています。県の回答は「ご指摘の趣旨を踏まえ、米軍環境部門と情報交換をはじめられるよう、調整していきたい。 」という行政お得意の「調整」回答です。
しかし、現実は元跡地で、返還予定跡地の文化財調査で汚染が発覚しています。実際は現実に起こっている問題で交渉力を鍛えていくこと、米軍との交渉を防衛局任せにせず、日本政府との庇護的・パターナリスティックな関係を断ち切っていくことが県の環境政策には必要であるのではないか、と思います。
写真を出す交渉くらい、カルテとかしくみとか出来上がる前にできるでしょう。そして、これを材料に実質的な内容を伴う環境補足条項の締結を日米に要請し、その要請をタイムリーに日英できちんと公開することが、沖縄県の今するべき、できる仕事ではないでしょうか。
要請で書いたように、立ち入り調査が実施されても、米軍の裁量で提供される情報が制限され、調査に支障が発生するという事例です。これは、安全、健康、そして枯れ葉剤問題にも関係する問題です。
実質的に意味をなす立ち入り調査とはなにかを明確にし、一つ一つ実をとっていく政策を実行していってもらいたい、 ということで、沖縄県には、上述のような要請をしたということです。
そして、米軍にも奪われた土地への投棄に対して抗議の意思表示を示さなければ、さらに返還予定地への投棄は止むことがないと思います。米軍の原状回復義務がなくとも、意思表示は必要だと思います。それに関しては、宜野湾市に要請をしています。
米軍は確かに汚染源であり、投棄という酷いことをしています。しかし、それに対して本当にきちんとした抗議の意思表示を、適切なタイミングで、伝わる言葉で正式な回路でしているか、ということは考えなければならない。それが沖縄で私たちがやらなければならないことではないか、と思います。
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こちらは環境条項などの参考リンクです。
・渉外知事会
日米地位協定の改正についての要請を行っています。
・日本弁護士連合会
日米地位協定に関する意見書 (2014年2月20日)
意見書全文、現行日米地位協定と意見の趣旨との対照表、英語版もあります。
日米地位協定(環境条項)の改正問題に関する会長声明(2015年1月7日)も出しています。
こちらは、2014年10月の日米共同合同発表文書原文です。
日米共同合同発表20141020_j by BDOkinawa
英文
Japan-U.S. Joint Press Release20141020 by BDOkinawa
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16:42
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キャンプ瑞慶覧・西普天間:公開されない現場写真(1)米軍の公開許可得られず
2015年02月22日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策/ 日米地位協定/ 環境協定
前の記事の「返還予定の西普天間住宅地区文化財調査に関する要請(宜野湾市・教育委員会)」で
この問題提起に関しての現在の状況を説明し、どのような問題としてとらえていくべきか考えてみたいと思います。
2014年12月19日に公開された沖縄防衛局の調査報告書では、ドラム缶の写真など、現場の写真が公開されていません。
報告書の「写真」の表紙には以下のように、「米軍の許可が得られ次第公開」と書かれています。沖縄防衛局の返還対策課によると、米軍と「調整中」ということでした。
沖縄県選出国会議員赤嶺政賢さんが防衛省に資料請求し、2月2日に受け取った関係書類の中でも、現場の写真は黒塗りにされていました。
油臭確認の現場写真なども黒塗りのままでした。沖縄市のサッカー場の調査では、沖縄防衛局も沖縄市もドラム缶一本ずつ写真を撮って公開しています。内容物だけでなく、ドラム缶の外観や状態は状況証拠となる情報として重要です。今回の事案については、その認識もなく、その公開をまたずに(要求もぜず)調査を集結させることが問題であると私たちは指摘しています。
これらの写真はこちらの実施計画書にあります。
実は、3月にキャンプ瑞慶覧の海軍病院前で発見されたドラム缶の写真も公開されていません。この調査報告資料は、沖縄防衛局のサイトにアップされているもの(こちら)だけではないということです。こちらも請求中です。
これは、米軍の提供区域であるうちは米軍の裁量(日本政府かもしれませんが)で情報が公開されるかどうかが決まってしまう、という典型的な具体的事例といえるでしょう。
しかし、これは米軍酷い!という話に終わらせてはいけないと思います。
このことをどう捉えていくかは、次の記事、キャンプ瑞慶覧・西普天間:公開されない現場写真(2)で続いて述べていきたいと思います。
mmk
「3)状況証拠であるドラム缶を含む現場写真が米軍からの許可がないため、いまだ公開されていないのにもかかわらず、調査を終わらせてしまっていること。」という問題提起をしています。
この問題提起に関しての現在の状況を説明し、どのような問題としてとらえていくべきか考えてみたいと思います。
2014年12月19日に公開された沖縄防衛局の調査報告書では、ドラム缶の写真など、現場の写真が公開されていません。
報告書の「写真」の表紙には以下のように、「米軍の許可が得られ次第公開」と書かれています。沖縄防衛局の返還対策課によると、米軍と「調整中」ということでした。
沖縄県選出国会議員赤嶺政賢さんが防衛省に資料請求し、2月2日に受け取った関係書類の中でも、現場の写真は黒塗りにされていました。
油臭確認の現場写真なども黒塗りのままでした。沖縄市のサッカー場の調査では、沖縄防衛局も沖縄市もドラム缶一本ずつ写真を撮って公開しています。内容物だけでなく、ドラム缶の外観や状態は状況証拠となる情報として重要です。今回の事案については、その認識もなく、その公開をまたずに(要求もぜず)調査を集結させることが問題であると私たちは指摘しています。
これらの写真はこちらの実施計画書にあります。
20150202 防衛省提出資料 ③【実施計画書】旧嘉手納飛行場(26)土壌等確認調査(その2)(WFHA) (4) by BDOkinawa
実は、3月にキャンプ瑞慶覧の海軍病院前で発見されたドラム缶の写真も公開されていません。この調査報告資料は、沖縄防衛局のサイトにアップされているもの(こちら)だけではないということです。こちらも請求中です。
これは、米軍の提供区域であるうちは米軍の裁量(日本政府かもしれませんが)で情報が公開されるかどうかが決まってしまう、という典型的な具体的事例といえるでしょう。
しかし、これは米軍酷い!という話に終わらせてはいけないと思います。
このことをどう捉えていくかは、次の記事、キャンプ瑞慶覧・西普天間:公開されない現場写真(2)で続いて述べていきたいと思います。
mmk
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23:27
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返還予定の西普天間住宅地区文化財調査に関する要請(宜野湾市・教育委員会)
2015年02月18日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策
QABニュース
「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の汚染調査などに関するこれまでの経緯」の記事にもあるとおり、2014年8月15日から実施されている文化財発掘調査で異臭・油臭、ドラム缶18本が確認され、沖縄防衛局が土壌等確認調査を実施しました。2014年12月に調査結果(「西普天間住宅地区内報告書」)が報告・公開され、土壌から環境基準値を超える鉛、ドラム缶内容物からはダイオキシンが検出されたことが報告されています。
文化財調査の担当箇所である宜野湾市教育委員会は、沖縄防衛局の調査報告をもとにした報告と、2月以降を目処に掘削を伴う文化財調査を再開することを案内する文書(12月26日付け宜教文第182-3号)を、宜野湾市のウェブサイトで公開しています。
しかし、文化財調査再開の決定過程やその市民への文書には以下のような問題があります。
1)沖縄防衛局の報告が妥当なものか、作業員や市民の安全を保証できるかを宜野湾市独自の検証や判断をせずに、そのまま市民へ報告し、文化財調査再開の意向を示していること。
2013年6月に沖縄市サッカー場で発見されたドラム缶の調査では、沖縄市が沖縄防衛局のカウンター調査を行って、監視的役割を果たしている。沖縄防衛局は、住民の環境・安全面から、調査・報告をしているとは限らないので、調査結果とその評価を第3者が行うことが必要である。
2)廃棄物、土壌汚染を想定した安全面からの作業員のマニュアルが整備されていないこと。
2014年3月、海軍病院隣接地の提供区域内でのドラム缶発見時、県内紙で「職員の安全を確保するためにも対応マニュアルは必要」と宜野湾市教育委員会文化課がコメントしているにも関わらず(沖縄タイムス2014.3.23)、対応が未整備のまま、作業員が無防備な状態で作業が行われていたことは無責任である。また、調査再開の判断時においても、マニュアル整備がされていないことも作業員の安全確保を軽視している。
BDブログ記事参照→キャンプ瑞慶覧ドラム缶:包括的な調査計画や遺棄物のマニュアル必要(201.4.8)
3)状況証拠であるドラム缶を含む現場写真が米軍からの許可がないため、いまだ公開されていないのにもかかわらず、調査を終わらせてしまっていること。
沖縄市のサッカー場の調査でも、内容物だけでなく、ドラム缶の外観や状態は状況証拠となる情報として重要であり、公開されている。今回の事案については、その認識もなく、その公開をまたずに(要求もぜず)調査を集結させることは問題である。
4)市民への報告の記述が不適切・不十分であること。
そもそも報告書の内容を宜野湾市が咀嚼していないままの市民への報告、作業員への説明であるため、極めて不適切、不十分である。以下に一例として、不十分、不適切と思われる点を列挙する。
・ドラム缶を単に「異物」と記述しており、問題の矮小化を図っているようにみえる。
・ダイオキシンが検出されているにも関わらず、その記述(基準値を超えてはいないが、沖縄市の平均値より高いものであること、PCPなどのダイオキシン由来の分析、TCDDなどの値)がない。
・鉛の基準超過のため、今後、追加の土壌汚染調査が提案されていることにも言及がないこと。
・「適切な措置」が何に対しての措置なのか不明であり、何を何のためにモニタリングするのかも明確でない。
・沖縄防衛局の調査報告へのリンクもついておらず、不親切な案内である。
5)関係部署との協議調整・連携体制が不備であること。
文書では「市教育委員会では関係部署との協議調整を測ってきたところですが」と記されているが、どの部署とどのような協議をしたかが記されていない。そもそも報告書が公開されてから1週間足らずの協議が意味のあるものだったかどうかも疑わしく、協議過程を明らかにする必要がある。
ということで、2月10日に宜野湾市教育委員会、宜野湾市に対応を要請しました。沖縄市サッカー場の件から意見書を書いてくださっている環境総合研究所の池田こみちさんの意見書を添えて、要請書を提出しました。(下に要請書と意見書を埋め込みました)
宜野湾市教育委員会教育部与那原類文化課長、教育部総務課島袋清松次長兼課長、基地政策部まち未来課伊波興博次長兼課長が対応してくださいました。
ただ、今回は要請を事前に送付してあるにも関わらず、回答は用意されておらず(沖縄県でも沖縄防衛局でも用意して対応するのですが)、要請はうけたまわるとのことのみの対応でした。文化財調査もスケジュールどおり進めるようです。
跡地法改正後初の試みで、文化財調査で米軍の投棄物が出るということで、非常に難しい対応であることは理解できます。国と市町村の関係も難しい部分があるでしょう。
汚染の専門家がいないというのも、問題だとは思いますが、今回は、沖縄防衛局の調査結果を検証できる専門家の意見を「セカンド・オピニオンのように」(by 吉川秀樹さん)聞いて判断すればよいのだと思います。作業する方たちの安全や、市民への説明責任はきちんと果たしていただきたいということはお伝えしました。
QABニュースのインタビューでは、”利用”と”支障除去”の対比で「(返還跡地)利用の件に関しては非常にそのスピーディーですし、お金もかけていると、支障除去に関しては透明性も確保されていないし、専門家も確保されていない」と話しました。
沖縄県にも電話で確認しましたが、調査報告の件は、協議会の支障除去部会で防衛局が説明し、関係者で「意見交換」をして終わったということでした。
要請には、宜野湾市議、桃原功議員、伊佐哲雄議員、米須清正議員、宮城勝子議員、玉城健一郎議員の5名に同行していただきました。お礼申し上げます。
これから市議会などで、質問、要求をしていただけると思います。よろしくお願いします。
要請文はこちらです。
西普天間ドラム缶対応要請文書(宜野湾市・教育委員会) Final by BDOkinawa
(PDF: 245.52KB)
池田こみちさんの意見書はこちらです。
宜野湾市あてERI池田こみち氏コメント by BDOkinawa
(PDF: 471.92KB)
全県的な問題でもあるので、沖縄防衛局・沖縄県にも別途写し要請文を送付しました。
宜野湾市要請写し送付・要請 沖縄防衛局・沖縄県 2015年2月 by BDOkinawa
(PDF: 184.06KB)
報道はこちら:
QAB→ 西普天間住宅地区の土壌汚染調査徹底を要請 (2015.2.10)
琉球新報
沖縄タイムスの記事は沖縄市のドラム缶が同日にまたもや発見された沖縄防衛局リリースといっしょに報道されていました
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調査報告の報道もこちらにアップしておきます。
Posted by 沖縄BD at
23:30
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キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の汚染調査などに関するこれまでの経緯
2015年02月18日/ 沖縄防衛局/ 基地返還跡地/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策
キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区は、2015年3月末に返還予定となっています。
西普天間の返還予定跡地の調査関係については、沖縄環境ネットワークの砂川かおりさん(沖縄国際大学)や桜井国俊さん(沖縄大学名誉教授)が勉強会を立ち上げて、事前の土地の情報収集などについて取り組まれてきました。
ただ、2014年8月に行われた返還前の文化財発掘調査でドラム缶が発掘され、宜野湾市の対応に問題があったので、沖縄・生物多様性市民ネットワークで沖縄市サッカー場の経験を活かすべく、先日(2015年2月10日)要請を行いました。
これまでの経緯をたどる記事がないので、簡単に、ここで沖縄県と宜野湾市が沖縄防衛局に返還実施計画案への意見を提出したあとの経緯を時系列で並べておきます。ただし、協議会関係のものは、一般市民には公開されていないのでここにはありません。
その前にはキャンプ瑞慶覧でのドラム缶発見などもありましたが...
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・2014年6月24日 返還前の掘削を伴う埋蔵文化財調査について日米合意。
8月15日から、宜野湾市による立入り及び調査が可能となる
第2回 普天間飛行場負担軽減推進会議(首相官邸HP)
・2014年8月13日 沖縄防衛局が返還実施計画を発表し、沖縄県と宜野湾市の意見へ回答
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の返還に関する実施計画等について
・2014年8月13日 沖縄防衛局HPで支障除去調査の事前調査にあたる調査報告書が公開
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)(25)支障除去措置に係る資料等調査報告書等
・2014年8月15日 宜野湾市教育委員会による文化財発掘調査開始
琉球新報記事 西普天間地区で文化財調査開始 9月末までに終了予定(2014.8.16)
・2014年8月25日 宜野湾市教育委員会は文化財試掘調査中の18~22日に、ドラム缶を発見し、土中の3地点では異臭を確認したと発表。
・2014年8月26日 宜野湾市教育委員会文化課
「西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について」のお知らせをアップ
・2014年9月25日 沖縄防衛局による調査開始
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)において発見されたドラム缶及び油臭土壌について、調査を開始の報道発表
・2014年10月3日 沖縄防衛局より9月25日から10月1日までの間にドラム缶18本を発見し、全てのドラム缶を発掘の上、ドラム缶付着物等の採取を行ったことを発表
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)において発見されたドラム缶及び油臭土壌について
・2014年10月15日 宜野湾市文化課「西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について」(その2) をアップ
・2014年12月19日沖縄防衛局HPで調査報告書が公開
「旧嘉手納飛行場(26)土壌等確認調査(その2)キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)」調査報告書
・2014年12月26日 宜野湾市文化課で防衛局調査の報告と調査再開のお知らせ
西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について(その3)
---------------------------------------------
少しだけコメントを。
こちら→は2014.8.13の 「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)(25)支障除去措置に係る資料等調査報告書等」概要のパワーポイントです。
ここでは、”資料調査において廃棄物の投棄や埋設に関する情報は把握されず、地形図による調査結果からも谷の埋立てや不自然な盛り土など廃棄物の埋設を疑う地形変化は確認されませんでした。ただし、廃棄物の投棄や埋設がなかったことを客観的に説明できる情報は得られませんでした。” という報告がされていました。
事前の情報では、廃棄物の投棄は把握できず、投棄や埋設がないという客観的な情報も得られないという報告書が出たすぐ後に、文化財調査でダイオキシンが検出されたドラム缶が18本発掘され、土壌からは鉛が基準値の3倍検出され、追加調査が提案されたということです。
いわゆる「支障除去」をどのように進めるのか、この一連の出来事から何を学ぶかが問われていると思います。
西普天間の返還予定跡地の調査関係については、沖縄環境ネットワークの砂川かおりさん(沖縄国際大学)や桜井国俊さん(沖縄大学名誉教授)が勉強会を立ち上げて、事前の土地の情報収集などについて取り組まれてきました。
ただ、2014年8月に行われた返還前の文化財発掘調査でドラム缶が発掘され、宜野湾市の対応に問題があったので、沖縄・生物多様性市民ネットワークで沖縄市サッカー場の経験を活かすべく、先日(2015年2月10日)要請を行いました。
これまでの経緯をたどる記事がないので、簡単に、ここで沖縄県と宜野湾市が沖縄防衛局に返還実施計画案への意見を提出したあとの経緯を時系列で並べておきます。ただし、協議会関係のものは、一般市民には公開されていないのでここにはありません。
その前にはキャンプ瑞慶覧でのドラム缶発見などもありましたが...
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・2014年6月24日 返還前の掘削を伴う埋蔵文化財調査について日米合意。
8月15日から、宜野湾市による立入り及び調査が可能となる
第2回 普天間飛行場負担軽減推進会議(首相官邸HP)
・2014年8月13日 沖縄防衛局が返還実施計画を発表し、沖縄県と宜野湾市の意見へ回答
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の返還に関する実施計画等について
・2014年8月13日 沖縄防衛局HPで支障除去調査の事前調査にあたる調査報告書が公開
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)(25)支障除去措置に係る資料等調査報告書等
・2014年8月15日 宜野湾市教育委員会による文化財発掘調査開始
琉球新報記事 西普天間地区で文化財調査開始 9月末までに終了予定(2014.8.16)
・2014年8月25日 宜野湾市教育委員会は文化財試掘調査中の18~22日に、ドラム缶を発見し、土中の3地点では異臭を確認したと発表。
・2014年8月26日 宜野湾市教育委員会文化課
「西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について」のお知らせをアップ
・2014年9月25日 沖縄防衛局による調査開始
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)において発見されたドラム缶及び油臭土壌について、調査を開始の報道発表
・2014年10月3日 沖縄防衛局より9月25日から10月1日までの間にドラム缶18本を発見し、全てのドラム缶を発掘の上、ドラム缶付着物等の採取を行ったことを発表
キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)において発見されたドラム缶及び油臭土壌について
・2014年10月15日 宜野湾市文化課「西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について」(その2) をアップ
・2014年12月19日沖縄防衛局HPで調査報告書が公開
「旧嘉手納飛行場(26)土壌等確認調査(その2)キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)」調査報告書
・2014年12月26日 宜野湾市文化課で防衛局調査の報告と調査再開のお知らせ
西普天間住宅地区文化財発掘調査にて確認された異臭・異物について(その3)
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少しだけコメントを。
こちら→は2014.8.13の 「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)(25)支障除去措置に係る資料等調査報告書等」概要のパワーポイントです。
ここでは、”資料調査において廃棄物の投棄や埋設に関する情報は把握されず、地形図による調査結果からも谷の埋立てや不自然な盛り土など廃棄物の埋設を疑う地形変化は確認されませんでした。ただし、廃棄物の投棄や埋設がなかったことを客観的に説明できる情報は得られませんでした。” という報告がされていました。
事前の情報では、廃棄物の投棄は把握できず、投棄や埋設がないという客観的な情報も得られないという報告書が出たすぐ後に、文化財調査でダイオキシンが検出されたドラム缶が18本発掘され、土壌からは鉛が基準値の3倍検出され、追加調査が提案されたということです。
いわゆる「支障除去」をどのように進めるのか、この一連の出来事から何を学ぶかが問われていると思います。
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17:21
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キャンプ瑞慶覧ドラム缶:包括的な調査計画や遺棄物のマニュアル必要
2014年04月08日/ 基地返還跡地/ 汚染/ 沖縄市サッカー場/ キャンプ瑞慶覧/ 沖縄県環境政策
キャンプ瑞慶覧の米軍への提供区域内で発見され、3月に報道されたドラム缶は、文化財調査の過程で発見されたものでした。
文化財調査のマニュアルでは、危険物では不発弾までしか想定しておらず、連絡体制が整えられていなかったとのことです。
私たちも、無意識に自然環境調査、汚染調査、文化財調査と分けて考えがちなところがあり、沖縄市サッカー場の件を経ても、文化財調査ではどうなっているのだろう、という考えに至っていないところがありました。
しかし、米軍の土地であるところ、かつてそうであったところ、返還が予定されているところを区別せずに考えること、環境調査、文化財調査も調査者、作業者の安全性の確保という共通の目的から、マニュアル作成の必要があることが認識されたのではないかと思います。
沖縄タイムスが、これまでの経緯や他の文化財調査ではどうであったかを取材し、記事にしています(下記記事)。上述の点をコメントしました。
西普天間の返還予定地では、今年度も文化財の調査が予定されているようです。このことを活かし、対応することが求められると思います。また、文化財調査から、環境調査に生かせる部分もでてくるかもしれません。いずれにせよ、調査作業する方たちの安全、文化財の保護、安心して暮らせる環境の確保を軸に、包括的な調査計画等やマニュアルを策定していくことを行政機関は検討する必要があると思います。
文化財調査のマニュアルでは、危険物では不発弾までしか想定しておらず、連絡体制が整えられていなかったとのことです。
私たちも、無意識に自然環境調査、汚染調査、文化財調査と分けて考えがちなところがあり、沖縄市サッカー場の件を経ても、文化財調査ではどうなっているのだろう、という考えに至っていないところがありました。
しかし、米軍の土地であるところ、かつてそうであったところ、返還が予定されているところを区別せずに考えること、環境調査、文化財調査も調査者、作業者の安全性の確保という共通の目的から、マニュアル作成の必要があることが認識されたのではないかと思います。
沖縄タイムスが、これまでの経緯や他の文化財調査ではどうであったかを取材し、記事にしています(下記記事)。上述の点をコメントしました。
西普天間の返還予定地では、今年度も文化財の調査が予定されているようです。このことを活かし、対応することが求められると思います。また、文化財調査から、環境調査に生かせる部分もでてくるかもしれません。いずれにせよ、調査作業する方たちの安全、文化財の保護、安心して暮らせる環境の確保を軸に、包括的な調査計画等やマニュアルを策定していくことを行政機関は検討する必要があると思います。
Posted by 沖縄BD at
19:35
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キャンプ瑞慶覧文化財調査中にドラム缶発見
2014年04月03日/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧
西普天間の記者会見が終わってやれやれーと一段落しようとしたら、その夜に「キャンプ瑞慶覧でドラム缶がでましたよ」という電話を受け取りました。
ここは、提供区域内ですが、返還予定地のキャンプ瑞慶覧西普天間住宅区域とは500m弱の位置にあり、以前、住宅区域だったところです。
沖縄防衛局が宜野湾市教育委員会に委託し、昨年6月から始まった埋蔵文化財の調査中に発見されました。この調査は、海軍病院の関連施設(運動施設等)の移設工事実施に伴い行われていたものです。
市が沖縄防衛局に調査を依頼し、沖縄防衛局が3/18,19日に試料採取を行ったとのこと。大変早い対応で、県や市の立ち入りもなぜかスムーズです。
沖縄防衛局のお知らせに実施業者、調査内容や場所、文化財調査状況の位置、埋蔵物の状況などがでています。↓
沖縄防衛局発表資料 「キャンプ瑞慶覧・海軍病院関連施設の移設工事区域で発見された埋蔵物について」(2014.3.17)
結果は約1ヶ月後に公表されるとのことです。
返還されて使用していた土地(サッカー場)、返還予定跡地(西普天間)、提供区域(キャンプ瑞慶覧)といろいろな汚染や汚染の可能性のパターンに私たちは直面しています。
文化財調査でこのようなことが起こったことについてはまた、記事をあらためます。
以下、報道です。
QAB キャンプ瑞慶覧でも 地中から12本のドラム缶(2014.3.14)
ここは、提供区域内ですが、返還予定地のキャンプ瑞慶覧西普天間住宅区域とは500m弱の位置にあり、以前、住宅区域だったところです。
内閣府地図から作成
沖縄防衛局が宜野湾市教育委員会に委託し、昨年6月から始まった埋蔵文化財の調査中に発見されました。この調査は、海軍病院の関連施設(運動施設等)の移設工事実施に伴い行われていたものです。
市が沖縄防衛局に調査を依頼し、沖縄防衛局が3/18,19日に試料採取を行ったとのこと。大変早い対応で、県や市の立ち入りもなぜかスムーズです。
沖縄防衛局のお知らせに実施業者、調査内容や場所、文化財調査状況の位置、埋蔵物の状況などがでています。↓
沖縄防衛局発表資料 「キャンプ瑞慶覧・海軍病院関連施設の移設工事区域で発見された埋蔵物について」(2014.3.17)
結果は約1ヶ月後に公表されるとのことです。
返還されて使用していた土地(サッカー場)、返還予定跡地(西普天間)、提供区域(キャンプ瑞慶覧)といろいろな汚染や汚染の可能性のパターンに私たちは直面しています。
文化財調査でこのようなことが起こったことについてはまた、記事をあらためます。
以下、報道です。
QAB キャンプ瑞慶覧でも 地中から12本のドラム缶(2014.3.14)
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19:45
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西普天間「返還実施計画」県知事・市長意見評価会見をしました
2014年03月31日/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧
沖縄防衛局案のキャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の返還実施計画に対する沖縄県知事、宜野湾市長意見への評価会見を3月13日に行いました。ブログへのアップが遅い〜です。
QABニュース:返還軍用地 土壌汚染対策を(2014.3.13)
○沖縄県知事、宜野湾市長意見からみえてくること
まず、それぞれの意見からみえてくることで、これまで沖縄BDが主張していたことを中心に、項目別に簡単にまとめてみました。各意見については西普天間「返還実施計画」への沖縄県知事・宜野湾市長意見の記事でみることができます。
全体をみて、沖縄市サッカー場のケースが影響を与えた部分というのはあるのではないかという印象があります。
【調査項目】
調査項目は、沖縄防衛局案のものに対して、以下のように、提示されたものや国内法だけでなく幅広い項目や基準を要求しています。沖縄市サッカー場の件の意見書をとおして私たちも提言してきましたし、このような要求が沖縄側からされたことは、よいことですし、具体的な協議の中でもぜひ要求し続けていただきたいと思います。
・沖縄県 「返還実施計画に記載された調査項目だけでなく、県民の安全安心の観点から幅広く調査を実施していただきたい」(県項目2)
・宜野湾市 「日本の法律にとらわれることなく、国際的な基準に照らし合わせ」(市項目1)
また、沖縄県項目12の土壌の油汚染については桑江の跡地調査で、基準を関係者で決めていたことを沖縄BDが指摘したものではないかと思 いますが、もうしそうだったら日頃の活動が反映されたかもしれず嬉しいことです。
【透明性の確保】
この件については、宜野湾市が「第三者調査機関」(市項目7)という言葉を使って要求しています。沖縄防衛局の調査をチェックしていく行政機関の役割も含め、もう少し具体性が必要ではあると思います。
【情報開示】
これは、以下のように、県も「県民へも」と全県民への情報開示の要求をしています。宜野湾市は「事前」「作業中の」といったように、適切な時期での情報開示を積極的に要求しています。情報開示は調査・浄化のキモのところなので、沖縄防衛局はぜひ対応していただきたいです。
・沖縄県 「県民へも情報提供」(県項目5)
・宜野湾市 「事前開示」(市項目5,6,18)「作業中のデータの検出とそのデータについても随時開示」(市項目17)
【市民・住民への説明】
宜野湾市が2項目で要求しています (市項目4,9,)。これまでの調査では行われていませんでしたので、要求したことは高く評価しますし、実現を強く望みます。
【アスベスト】
こちらは、沖縄県が項目8で意見を書いていますが、宜野湾市はより具体的な要求をしています(市項目4~9)。
【普天間飛行場からの推測】
沖縄県は、普天間飛行場内の老朽化した埋設燃料タンクから、ディーゼル油の残油が漏出した事例から、埋設燃料タンクの有無の調査要求をしています(沖縄県項目13)。このように、沖縄の過去の具体的な例などからの要求を積み重ねて、調査設計をすることはとても重要だと思います。
【長期的な調査】
宜野湾市は、土壌汚染と水質汚濁についての長期的な調査要請も行っています(市項目11) 。跡地の調査ではモニタリングの期間も必要ですし、これが恒常的なより精緻な基地の汚染調査につながるよう「宜野湾市方式」が定着するとよいのではと考えます。
【支障除去措置後の汚染物質について】
これは、沖縄市サッカー場のケースを想定しているでのはないでしょうか。このようなことがない調査設計が今、強く求められているということです。
・宜野湾市 「当該区域の土地引き渡し後に汚染物質が発見された場合にも、国の責任において適切に処理するとともに上記の関係する項目について実施していただきたい」(市項目19)
○沖縄防衛局返還実施案・知事/宜野湾市長意見書問題点 ~安心・納得返還となるか~
次に、これまでも主張してきたことですが、問題点を簡単に指摘しておきます。
1)「支障除去期間2-3年」は短い・これに関して県/市は意見を述べていない
これが、現在、沖縄防衛局が示している支障除去の過程です。
2-3年というのは、 「泡瀬ゴルフ場や北谷の事例」を根拠として想定している(「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区 まちづくりニュースvol.36 2014年2月」)ということですが、北谷の例というのが、何をさしているのかわかりません。また、これまでの沖縄防衛局の調査があるべき調査の形で行われているかの検証はありません。いずれにせよ、これは跡地利用特措法改正前の調査ですので、跡地全体の調査は行っていないし、市や市民との協議の時間は設けていないので、参考にはならないでしょう。
また、返還前の米国側からの情報が不十分であること、そして立ち入りが行われるにしても、予備調査としては不十分なものしかできないことが予想されます。
キャンプ桑江や、沖縄市サッカー場など、汚染が見つかったところで再度調査設計をし、また汚染がみつかり、ということがこれまでの跡地の調査で行われているわけですから、そのような想定もしなければならないでしょう。
米国の跡地調査などネットでいろいろみることができますが、それと比べても非常に短いと思われます。
例として。Arc Ecology “Community Window on the Hunters Point Shipyard: Military Base Cleanup-Step by Step”(March 2004)
ここから下の図を作成してみました。年数はArc Ecology ソール・ブルームさん訪沖時のレクチャー時に目安として教えていただいたもので、レクチャーは沖縄国際大学砂川かおりさん主宰(2013.12.9)によるもので、勉強させてもらいました。
2)全体の調査フローと立ち入り調査の位置づけが不明瞭
県が要求する立入り調査自体の内容は、市民の安全を第一に考え、返還後の支障除去調査から遡って設計された実質的なものにすることが必要だと思います。そのために、①立入り調査②支障除去③返還後の環境影響調査(沖縄県項目6でも言及)までのフローを明確に示し、調査設計を行うことが必要ではないでしょうか。
ちなみに、沖縄県知事は、駐留軍用地跡地利用推進協議会(第2回、2013年10月24日)で目視などの形式的なものでなく、実質的なものであることを要求しています。
3)沖縄の米軍基地の現実(主に投棄、それによる複合汚染の可能性)に照らし合わせた調査設計(含:周辺地域を視野にいれた環境調査)が必要
これまでの返還跡地からは、使用目的からは予想もできない投棄物が発見されています。昨年末、西普天間では、遺体が投棄されていました。
キャンプ桑江の北側然り、泡瀬ゴルフ場然り。そして、沖縄市サッカー場では、調査結果から、複合汚染が指摘されています。
米軍使用時の情報を得ても、投棄物の可能性、そして汚染範囲がその周辺に拡がっている可能性も視野にいれた調査設計が必要であることが考えられると思います。
4)クロスチェック体制が言及されていない
沖縄市サッカー場で、調査の透明性を担保するために沖縄市がクロスチェックをしたという成果がここには反映されていません。調査を調査者の手にだけ預けず、県あるいは宜野湾市が調査の透明性を保持するために、役割を果たしてほしいと思います。
5)市民からのフィードバックの場が想定されていない
情報の「事前開示」や「市民への説明」は想定/要求されていますが、情報をわかりやすく提示し、その後に市民の声を拾い上げ、返還実施政策に反映するフィードバックの場が想定されていくべきだと思います。今後の課題としてほしいと思います。
○日本政府・沖縄県・宜野湾市の基地行政との問題
また、この件に関して、基地行政の問題についても以下の件について触れておきました。
・今回の跡地利用法の返還実施計画については、県民への公開がないままに行われたことは問題。法制度上は義務がなくとも、現在何が行われているか、オープンにしていく必要があると考えていること。
特に、沖縄県知事が沖縄県民の意思とオーソライズされているとは考えられない「要請書」を沖縄政策協議会で日本政府に提出するなど、沖縄県としての意思政策過程、日本政府とのやりとりに不信をもたれている現在、この部分は課題として考えていく必要がある。
・返還跡地の問題が、行政と地権者のみの問題となっているが、支障除去も利用問題も全県的な問題であり、安全、安心、地域づくりの面から、特に周辺コミュニティの関与の道を開いていく必要がある。県と宜野湾市はその役割を果たす必要がある。
・「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」、特に、支障除去作業部会を公開していくことが必要である。地主会関係のプライバシーの件は別に考慮し、措置を講ずればよいのではないか。
・沖縄県と宜野湾市は、今回は防衛局に「~~してもらいたい」という要望という形の意見表明であった。しかし、県、宜野湾市が主体的にどのような役割を果たすかを考え表明する機会が今後、必要である。
と、会見して帰ってきたら西普天間から500メートル弱の、基地内で文化財発掘調査中、ドラム缶が発見されました...
その記事といっしょに記事が掲載されています。
QABニュース:返還軍用地 土壌汚染対策を(2014.3.13)
○沖縄県知事、宜野湾市長意見からみえてくること
まず、それぞれの意見からみえてくることで、これまで沖縄BDが主張していたことを中心に、項目別に簡単にまとめてみました。各意見については西普天間「返還実施計画」への沖縄県知事・宜野湾市長意見の記事でみることができます。
全体をみて、沖縄市サッカー場のケースが影響を与えた部分というのはあるのではないかという印象があります。
【調査項目】
調査項目は、沖縄防衛局案のものに対して、以下のように、提示されたものや国内法だけでなく幅広い項目や基準を要求しています。沖縄市サッカー場の件の意見書をとおして私たちも提言してきましたし、このような要求が沖縄側からされたことは、よいことですし、具体的な協議の中でもぜひ要求し続けていただきたいと思います。
・沖縄県 「返還実施計画に記載された調査項目だけでなく、県民の安全安心の観点から幅広く調査を実施していただきたい」(県項目2)
・宜野湾市 「日本の法律にとらわれることなく、国際的な基準に照らし合わせ」(市項目1)
また、沖縄県項目12の土壌の油汚染については桑江の跡地調査で、基準を関係者で決めていたことを沖縄BDが指摘したものではないかと思 いますが、もうしそうだったら日頃の活動が反映されたかもしれず嬉しいことです。
【透明性の確保】
この件については、宜野湾市が「第三者調査機関」(市項目7)という言葉を使って要求しています。沖縄防衛局の調査をチェックしていく行政機関の役割も含め、もう少し具体性が必要ではあると思います。
【情報開示】
これは、以下のように、県も「県民へも」と全県民への情報開示の要求をしています。宜野湾市は「事前」「作業中の」といったように、適切な時期での情報開示を積極的に要求しています。情報開示は調査・浄化のキモのところなので、沖縄防衛局はぜひ対応していただきたいです。
・沖縄県 「県民へも情報提供」(県項目5)
・宜野湾市 「事前開示」(市項目5,6,18)「作業中のデータの検出とそのデータについても随時開示」(市項目17)
【市民・住民への説明】
宜野湾市が2項目で要求しています (市項目4,9,)。これまでの調査では行われていませんでしたので、要求したことは高く評価しますし、実現を強く望みます。
【アスベスト】
こちらは、沖縄県が項目8で意見を書いていますが、宜野湾市はより具体的な要求をしています(市項目4~9)。
【普天間飛行場からの推測】
沖縄県は、普天間飛行場内の老朽化した埋設燃料タンクから、ディーゼル油の残油が漏出した事例から、埋設燃料タンクの有無の調査要求をしています(沖縄県項目13)。このように、沖縄の過去の具体的な例などからの要求を積み重ねて、調査設計をすることはとても重要だと思います。
【長期的な調査】
宜野湾市は、土壌汚染と水質汚濁についての長期的な調査要請も行っています(市項目11) 。跡地の調査ではモニタリングの期間も必要ですし、これが恒常的なより精緻な基地の汚染調査につながるよう「宜野湾市方式」が定着するとよいのではと考えます。
【支障除去措置後の汚染物質について】
これは、沖縄市サッカー場のケースを想定しているでのはないでしょうか。このようなことがない調査設計が今、強く求められているということです。
・宜野湾市 「当該区域の土地引き渡し後に汚染物質が発見された場合にも、国の責任において適切に処理するとともに上記の関係する項目について実施していただきたい」(市項目19)
○沖縄防衛局返還実施案・知事/宜野湾市長意見書問題点 ~安心・納得返還となるか~
次に、これまでも主張してきたことですが、問題点を簡単に指摘しておきます。
1)「支障除去期間2-3年」は短い・これに関して県/市は意見を述べていない
これが、現在、沖縄防衛局が示している支障除去の過程です。
2-3年というのは、 「泡瀬ゴルフ場や北谷の事例」を根拠として想定している(「キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区 まちづくりニュースvol.36 2014年2月」)ということですが、北谷の例というのが、何をさしているのかわかりません。また、これまでの沖縄防衛局の調査があるべき調査の形で行われているかの検証はありません。いずれにせよ、これは跡地利用特措法改正前の調査ですので、跡地全体の調査は行っていないし、市や市民との協議の時間は設けていないので、参考にはならないでしょう。
また、返還前の米国側からの情報が不十分であること、そして立ち入りが行われるにしても、予備調査としては不十分なものしかできないことが予想されます。
キャンプ桑江や、沖縄市サッカー場など、汚染が見つかったところで再度調査設計をし、また汚染がみつかり、ということがこれまでの跡地の調査で行われているわけですから、そのような想定もしなければならないでしょう。
米国の跡地調査などネットでいろいろみることができますが、それと比べても非常に短いと思われます。
例として。Arc Ecology “Community Window on the Hunters Point Shipyard: Military Base Cleanup-Step by Step”(March 2004)
ここから下の図を作成してみました。年数はArc Ecology ソール・ブルームさん訪沖時のレクチャー時に目安として教えていただいたもので、レクチャーは沖縄国際大学砂川かおりさん主宰(2013.12.9)によるもので、勉強させてもらいました。
2)全体の調査フローと立ち入り調査の位置づけが不明瞭
県が要求する立入り調査自体の内容は、市民の安全を第一に考え、返還後の支障除去調査から遡って設計された実質的なものにすることが必要だと思います。そのために、①立入り調査②支障除去③返還後の環境影響調査(沖縄県項目6でも言及)までのフローを明確に示し、調査設計を行うことが必要ではないでしょうか。
ちなみに、沖縄県知事は、駐留軍用地跡地利用推進協議会(第2回、2013年10月24日)で目視などの形式的なものでなく、実質的なものであることを要求しています。
3)沖縄の米軍基地の現実(主に投棄、それによる複合汚染の可能性)に照らし合わせた調査設計(含:周辺地域を視野にいれた環境調査)が必要
これまでの返還跡地からは、使用目的からは予想もできない投棄物が発見されています。昨年末、西普天間では、遺体が投棄されていました。
キャンプ桑江の北側然り、泡瀬ゴルフ場然り。そして、沖縄市サッカー場では、調査結果から、複合汚染が指摘されています。
米軍使用時の情報を得ても、投棄物の可能性、そして汚染範囲がその周辺に拡がっている可能性も視野にいれた調査設計が必要であることが考えられると思います。
4)クロスチェック体制が言及されていない
沖縄市サッカー場で、調査の透明性を担保するために沖縄市がクロスチェックをしたという成果がここには反映されていません。調査を調査者の手にだけ預けず、県あるいは宜野湾市が調査の透明性を保持するために、役割を果たしてほしいと思います。
5)市民からのフィードバックの場が想定されていない
情報の「事前開示」や「市民への説明」は想定/要求されていますが、情報をわかりやすく提示し、その後に市民の声を拾い上げ、返還実施政策に反映するフィードバックの場が想定されていくべきだと思います。今後の課題としてほしいと思います。
○日本政府・沖縄県・宜野湾市の基地行政との問題
また、この件に関して、基地行政の問題についても以下の件について触れておきました。
・今回の跡地利用法の返還実施計画については、県民への公開がないままに行われたことは問題。法制度上は義務がなくとも、現在何が行われているか、オープンにしていく必要があると考えていること。
特に、沖縄県知事が沖縄県民の意思とオーソライズされているとは考えられない「要請書」を沖縄政策協議会で日本政府に提出するなど、沖縄県としての意思政策過程、日本政府とのやりとりに不信をもたれている現在、この部分は課題として考えていく必要がある。
・返還跡地の問題が、行政と地権者のみの問題となっているが、支障除去も利用問題も全県的な問題であり、安全、安心、地域づくりの面から、特に周辺コミュニティの関与の道を開いていく必要がある。県と宜野湾市はその役割を果たす必要がある。
・「キャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区)の跡地利用に関する協議会」、特に、支障除去作業部会を公開していくことが必要である。地主会関係のプライバシーの件は別に考慮し、措置を講ずればよいのではないか。
・沖縄県と宜野湾市は、今回は防衛局に「~~してもらいたい」という要望という形の意見表明であった。しかし、県、宜野湾市が主体的にどのような役割を果たすかを考え表明する機会が今後、必要である。
と、会見して帰ってきたら西普天間から500メートル弱の、基地内で文化財発掘調査中、ドラム缶が発見されました...
その記事といっしょに記事が掲載されています。
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西普天間「返還実施計画」への沖縄県知事・宜野湾市長意見
2014年03月17日/ 基地返還跡地/ 汚染/ 西普天間/ キャンプ瑞慶覧
沖縄BDは、キャンプ瑞慶覧(西普天間)住宅地区の返還実施計画案に対する沖縄県知事、宜野湾市長の意見書を入手しました。
これは発信元では公開されていません。しかし、公けの首長の意見ですから公開してほしいですよね。
沖縄市サッカー場の汚染発覚後、基地跡地返還の問題、特にその中でも汚染調査や浄化を含む支障除去計画やその透明性が重要な問題と市民に認識されている現在、行政機関が、どのようにその問題を考えているか、それから国と自治体のやりとりを公開することは今、義務化されてなくてもやらなきゃいけないものだと思います。その上で制度上の問題は後から考えればよいのでは。
沖縄県や宜野湾市が防衛局へ出した意見というか、要求の中には、県民への情報提供とか、情報の事前開示とか書いているのだから、自分たちから、今からその部分をやってほしいですよね。人に要求してるのなら、自分たちもやるんだろうと信じたいです。
でも今は誰もやってくれないから、とりあえずうちがやるわ、ということで、ここに記録の意味も含めてまとめて公開します。
文書をご提供下さったみなさま、ご協力ありがとうございました。この件で記者会見しましたので、また別記事で報告します。
こちらが1月からのスケジュールで、[]内の数字が下の埋め込み文書です。
[1]沖縄防衛局から沖縄県知事・宜野湾市への「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」の意見照会
[2]沖縄県知事意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)
[3]宜野湾市長意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)
これは発信元では公開されていません。しかし、公けの首長の意見ですから公開してほしいですよね。
沖縄市サッカー場の汚染発覚後、基地跡地返還の問題、特にその中でも汚染調査や浄化を含む支障除去計画やその透明性が重要な問題と市民に認識されている現在、行政機関が、どのようにその問題を考えているか、それから国と自治体のやりとりを公開することは今、義務化されてなくてもやらなきゃいけないものだと思います。その上で制度上の問題は後から考えればよいのでは。
沖縄県や宜野湾市が防衛局へ出した意見というか、要求の中には、県民への情報提供とか、情報の事前開示とか書いているのだから、自分たちから、今からその部分をやってほしいですよね。人に要求してるのなら、自分たちもやるんだろうと信じたいです。
でも今は誰もやってくれないから、とりあえずうちがやるわ、ということで、ここに記録の意味も含めてまとめて公開します。
文書をご提供下さったみなさま、ご協力ありがとうございました。この件で記者会見しましたので、また別記事で報告します。
こちらが1月からのスケジュールで、[]内の数字が下の埋め込み文書です。
2014.1.7 沖縄防衛局「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」の意見 照会文を沖縄県知事、宜野湾市長に送付[1]
(1.19,25,26 地権者説明会開催。返還実施計画の概要が説明される。)
2.5 沖縄県知事意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)提出[2]
3.7 宜野湾市長意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)提出[3]
[1]沖縄防衛局から沖縄県知事・宜野湾市への「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」の意見照会
【沖縄防衛局から照会】西普天間住宅地区の返還に関する実施計画の案について.pdf by BDOkinawa
[2]沖縄県知事意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)
【沖縄県から回答】西普天間住宅地区の返還に関する実施計画の案について.pdf by BDOkinawa
[3]宜野湾市長意見「駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について」(回答)
【宜野湾市から回答】駐留軍用地の返還に関する実施計画の案について.pdf by BDOkinawa
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