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Posted by TI-DA at

外来種との遭遇:一度侵入すると対処は非常に困難と実感

2016年04月29日/ 外来種

昨日の4月28日、首里城の隣りにある沖縄県立芸大。授業に向かうために、図書館側の駐車場に車を駐車し、教室棟のある側へと道路を渡ろうとした時のことです。体長25cmくらいの緑の物体が、道路を這いつくばうように、僕と同じ方向に道路を横切ろうとしているのを発見しました。

するとこれもまた図書館側から道路に入ろうとしていた車が一旦止まり、運転手のおじさんが車から外に出て、その物体を両手で掴んで反対側の歩道に移動。すると今度は、歩道で歩いていた中国人の観光客が、その緑の物体の写真をバシャ、バシャと撮り始める。まあ、やさしい運転手のおじさんと、観光立県の沖縄における、和やかなうりずんの季節の風景だったのですが、僕は(多分一人)「ヤバい、外来種」「ミシシッピなんとかガメ」「ちゃーすがや〜(どうしよう)」。


   沖縄県立芸大の正門裏の茂みから外を見るミシシッピアカミミカメ(04/28/16撮影)

4月22日に東京の防衛省や環境省を訪問して、辺野古・大浦湾での新基地建設の為の県外からの土砂搬入に関係する外来種問題についても、要請交渉をしてきたばかり。「アルゼンチンアリの問題など、ちゃんと対応して下さい」と言った手前、目の前で外来種が動いているのに、何もしなくていいの、と自問自答状態に陥っていました。

僕の住んでいる名護では、沖縄で最も有名な外来種の一つであるマングースによく遭遇するのですが、大体はマングースは圧倒的なすばやさで目の前を横切って、視界から消えていきます。それで「環境省も県ももっと頑張らんと」と責任を国と県に押しつけることが可能です。しかしさすがに、ゆっくりと目の前を外来種が動いている状況。「おれ外来種、何とかしろ」と問いかけられているようでした。

で、僕が結局やったこと/出来たことは、環境省の那覇自然事務所に連絡し、状況を伝え、どうすればいいのか、と聞くこと。そして那覇事務所で対応してくれた職員も、侵略的外来種ワースト100でもある「ミシシッピアカミミガメですね」と種を確認してくれたのですが、担当者がいないということもあり、貰えたアドバイスは「車にひかれない場所に移動しておいて下さい」ということぐらいでした。

国立環境研究所のデータベースによると(情報はこちらから)、ミシシッピアカミミガメは、ペットとして輸入され、今では全国に広まっているとのこと。そしてその影響は「競合,捕食.在来のカメ類とは亜科もしくは科のレベルで異なるため,交雑のおそれはほぼない.ヒトへのサルモネラ菌の感染例がある」「影響を受ける在来生物:競合及び卵の捕食にさらされる在来淡水カメ類,及び食物となるさまざまな水動植物が影響を受ける」「農業被害:観賞用ハス、ジュンサイ、ヒシの食害」とのこと。


    ミシシッピアカミミカメの日本国内の分布図(国立環境研究所のHPより)

結局僕は、そのカメが芸大の正門裏の茂みに入り込み、そこから動かないのを確認した後、授業のために教室へ向いました。でも心の中では、琉球文化の象徴である世界文化遺産首里城の龍潭池(りゅうたんいけ)の周りに、ミシシッピという名前のはいる外来種のカメが増えたらどうするのかな、と、、。

「外来種は一度入ってくると、手の打ちようがない」ということを実感させられたような気がしました。

で、沖縄防衛局/防衛省、環境省に、辺野古・大浦湾への土砂搬入に伴う外来種問題どうすの、と改めて問いたいです。

H.Y.






  

Posted by 沖縄BD at 17:32Comments(0)