沖縄・生物多様性市民ネットのブログ/Citizens' Network for Biodiversity in Okinawa

沖縄県が募集している「沖縄県赤土流出防止対策基本計画案」（5月27日締め切り）に対して、新たなパブコメが真喜志好一さんより出されました。そのパブコメがとても「沖縄らしいパブコメ」となっているのでここで紹介しておきます。（パブコメは下に添付しています）

真喜志さんはパブコメの中で、琉球王朝時代に活躍した政治家蔡温（さいおん）の『農務帳』について言及し、『農務帳』を参考にして沖縄の環境に「適した施設を考案しなければならない」としています。そして『農務帳』からの文章を引用し、「耕土を流さないようにする」先人の智慧を紹介し、それを基本計画に反映させるように訴えています。（引用は、比嘉武吉氏の『農務帳を読む』（1997年）を参考にしています）


蔡温（さいおん）(Wiki Common ：Source={{en|Japanese book "The Legacy of Okinawan Culture" published by Iwanami Shoten.}}{{ja|岩波書店「沖縄文化の遺宝」より）

蔡温は、沖縄の政治家は勿論、建設業界をはじめとする企業、学術関係、そして環境保全関係等様々な分野にファンがいる歴史上の人物です。沖縄の最初のenvironmentalist（環境家）の一人であったとも言えると思います。

沖縄の歴史と風土の中で生まれた蔡温や多くの先人達の環境を守るための功績を、沖縄県にはしっかりと基本計画のなかで反映させてもらいたいです。

ここ数日間の沖縄BDのMLで「自分もパブコメを出したい」「どう書けばいい」等の意見や質問が出ています。行政に関わっていくという意味でも大切なパブコメ。今回の真喜志さんのパブコメは、パブコメの書き方について、私たちにいろいろな方向性を示唆してくれています。


 (PDF: 21.59KB)真喜志好一さんのパブコメ