沖縄・生物多様性市民ネットのブログ/Citizens' Network for Biodiversity in Okinawa

　9月2日、「沖縄市サッカー場工事現場の調査についての専門家からの評価と沖縄BDからの提言」の記者会見をしました。


　6月13日に沖縄市諸見里のサッカー場整備工事中に米軍遺棄物と思われるドラム缶が発見されてから、沖縄防衛局、沖縄県、沖縄市が、調査を実施しました。
　調査はほぼ終了しましたが、沖縄市が沖縄防衛局とは別に、独自に調査を行うなど、画期的なことが行われたこの重要な調査の全体像の整理やその評価がされていませんでした。

　沖縄BDは、このような重要な事例の調査体制、調査結果をしっかりと評価することが、今後行われる追加調査、全面調査、ひいては沖縄で行われる基地跡地調査等で必要なことであると考え、専門家である環境総合研究所の池田こみち氏に評価についての報告書を依頼しました。
　
　この度、その報告書「旧嘉手納基地返還跡地から発見された有害物質分析調査についての暫定評価報告書－沖縄防衛局と沖縄市の調査の比較を中心に－」が完成しましたので記者会見で発表しました（報告書は下でPDFファイルが読めます）。

　報告書では、①調査体制のあり方（主体間の連携や調整）、②調査計画策定段階の市民参加プロセス、③調査内容の妥当性（目的、方法、評価の仕方等）、④結果の公表のあり方などの今回の調査の問題点をあげ、今後の対応策についての提言がされています。

　そして、追加調査、全面調査を行う前に、これまでの調査を精査して検討しなければならない課題が多くあること、計画立案時に関係機関が十分に協議することの必要性を示しています。

　沖縄BDは、2002年に北谷で200以上のドラム缶が発見時の調査に比べると、沖縄市が独自のクロスチェックを行ったこと、全面調査の実施が決まったことは大きな前進であると考えています。

　この流れを後退させないように、関係機関は、この意見書にある評価を参考に、まずは以下を実施することを、沖縄BDは関係機関に提言していく予定です。

1) 追加調査・全面調査に着手する前に、これまでの調査過程、調査体制、調査結果を関係機関全体で精査すること。それについての説明会を住民/市民に行うこと。
2) 1)の結果を踏まえ、追加調査・全面調査の計画立案を市民参加のもとでオープンに行うこと。
3)沖縄防衛局は既に全面調査の入札をしているが、調査着手の前に、課題である調査の透明性の確保と市民からの情報のアクセスを担保すること（例えば沖縄防衛局はこれまでの調査結果をウェブで公開するなど）。
4)沖縄市は、調査の実施者が日本政府であっても、市独自で行った調査のクロスチェックの体制を、保持していくこと。
5)住民・市民の安全、安心、環境を第一義的に考え、柔軟な対応をしていくこと。

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報告書作成者：池田こみち　（プロフィール詳細はこちら）
　 　環境専門シンクタンク、株式会社環境総合研究所顧問。
　　　　　所属学会：国際市民参加学会(IAP2)、国際ダイオキシン会議、環境ホルモン学会等会員。
　　　　　　　　　　　　ダイオキシンに関する研究、提言多数。

こちら、池田さんが以前に書かれた意見書についての沖縄BDの記事も、ぜひあらためてお読みください。
「枯れ葉剤問題意見書～市民参加を考えるみんなに読んでほしい提言 2012年04月11日」


「旧嘉手納基地返還跡地から発見された有害物質分析調査についての暫定評価報告書－沖縄防衛局と沖縄市の調査の比較を中心に」

最終版暫定評価報告書：池田こみち（ERI） by BDOkinawa

資料編　同族体パターングラフ

資料編　同族体パターングラフ by BDOkinawa

環境総合研究所でのアップはこちら
　→「旧嘉手納基地返還跡地から発見された有害物質分析調査についての暫定評価報告書－沖縄防衛局と沖縄市の調査の比較を中心に」


PDFはこちら↓
「旧嘉手納基地返還跡地から発見された有害物質分析調査についての暫定評価報告書－沖縄防衛局と沖縄市の調査の比較を中心に」
 (PDF: 832.43KB)
資料編　同族体パターングラフ
 (PDF: 1365.58KB)