沖縄市サッカー場:台風対策の件で沖縄市長が防衛局要請&防衛局調査実施

2015年08月02日/ 沖縄市サッカー場/ 日米地位協定/ 環境協定/ 枯れ葉剤/ 基地返還跡地/ 汚染/ 沖縄県環境政策/ 沖縄防衛局

 台風対策の件で、沖縄市長が沖縄防衛局に「沖縄市サッカー場における汚染拡散防止策について」の要請を7月16日に行いました。

 下に要請文のタイプアウトしたものとPDF文書を貼り付けてあります。
 文書として粗く、文章としておかしいものもいくつか見受けられます。現状がどのような状態であり、なぜそれを要請するのかが、わかるように書かれていません。
 要請文1の「1.ブルーシートでは耐久性が弱く、市ゴミ山で使用されている遮水シート等の耐久性の高いシートを使用すること。」の「市ゴミ山」も何のことを指しているのか、一般にはわからないでしょう。これは、沖縄市北部地区にあるゴミ山問題の、旧管理型最終処分場頂上部で用いられている遮水シートのことを指しています(たまたま6月11日に行われた住民説明会に筆者が出席していた)。

 また、「4. 搬出スケジュールが長期に渡り、今後の被害が予測されるため、予算増額を測り搬出プログラムを早期に終結を図ること。(除染・除去・原状回復の目処が立っていない) 」というのは、大変無責任で、誤解を招く文章だと思います。何の搬出なのかも明記されておらず、「搬出プログラムを早期に終結を図ること」という、文章としても体をなしておらず、汚染の除去は「終結を図る」というものではないでしょう。「政府が金をつけてさっさと終わらせてもらいたい」ととらえられるような文章です。この過程に市として主体的に関わっていく姿勢があるのか、政府任せでとにかく終わらせたいのか、疑問が持たれる要請文になっています。
 
 その中で、「これまでも国、県、市の3者において雨季や台風シーズンに備えるべく、協議を行い対策がとられてまいりましたが」とありますが、どのような協議を行い、対策がとられてきたのか、なぜこのような市民からも疑問を持たれるような対応になっているのか、3者は公表すべきでしょう。3者協議の緩みは、防衛局がドラム缶の入札を沖縄市と協議せずに行っていたことからも指摘されています。
 
 これまで、協議の公開については要求してきましたが、応えられてきていません。何を協議して誰がどのような根拠を持って判断しているのかを明確にするため、ひいては行政が各々の責任を果たしているかを可視化するため、公開してほしいと思います。

 QABの報道にありますが、防衛局は16日から現場に溜まった雨水のサンプルを採取し、その調査結果は8月上旬ごろに発表するとのことです。
 
 この後、7月24日に沖縄防衛局から沖縄市議への説明会が行われました。
 
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沖市基第0716001号
平成27年7月16日

沖縄防衛局
局長 井上 一徳様

沖縄市長 桑江朝千夫
 

沖縄市サッカー場における汚染拡散防止策について(要請)


沖縄市サッカー場の調査業務につきましては、日頃よりご尽力頂き真に感謝申し上げます。さて去る台風9号の来襲時に沖縄防衛局をはじめ沖縄県の協力をえながら進めさせて頂いているところです。特に沖縄防衛局管理部におかれましては、調査業務のほか、本市議会の現地説明会の対応を頂き丁寧な説明を頂いているところです。これまでも国、県、市の3者において雨季や台風シーズンに備えるべく、協議を行い対策がとられてまいりましたが、台風9号の襲来により雨水対策用のシートが大幅に剥離し、廃棄物混じり土や窪地の排水等、汚染の可能性がないか、市民や議会からも不安の声が出ております。

 つきましては、今後の早期対策について現段階での懸念事項を別紙にまとめておりますので、一刻も早く対策を講じられますようお願い申しあげます。

(別紙)

1.ブルーシートでは耐久性が弱く、市ゴミ山で使用されている遮水シート等の耐久性の高いシートを使用すること。

2. 養生手法については、シートの継ぎ目が剥離せず、且つ隙間から雨水の進出が無いよう十分な対策をとること。

3. 廃棄物まじり土(仮置き)については、野積み形態からフレコン(浸出防止)保管へ変更すること。

4. 搬出スケジュールが長期に渡り、今後の被害が予測されるため、予算増額を測り搬出プログラムを早期に終結を図ること。(除染・除去・原状回復の目処が立っていない) 

5. 廃棄物まじり土周辺及び掘削地にたまった雨水については、早期にサンプルを採水し安全が確認されてから放出すること。

6. 市民の安全で安心な雨水(防風)対策を早期に図ること。 
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要請書PDF
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以下、報道です。

沖縄市サッカー場:台風対策の件で沖縄市長が防衛局要請&防衛局調査実施



QAB: 土壌汚染拡大防ぐよう要請 (2015.7.17)

沖縄市サッカー場:台風対策の件で沖縄市長が防衛局要請&防衛局調査実施


"108本のドラム缶が見つかった沖縄市のサッカー場で、汚染の可能性がある土壌に雨水が溜まっているのが確認された問題で、沖縄市は16日、防衛局に対し、汚染拡散の防止を求めました。
現場では、台風の影響で設置されていたブルーシートが剥がれ、汚染の可能性がある土壌に雨水が溜まっているのが確認され、この水が近隣の河川に排出されたのではという疑いも浮上しています。
16日、防衛局を訪ねた沖縄市の桑江市長は、耐久性の高いシートを使うなどして汚染を拡大させないよう対策を講じてほしいと求めました。
防衛局は16日から現場に溜まった雨水のサンプルを採取し調査をしていて、調査結果は8月上旬ごろに発表する予定です。"

○NHK沖縄:沖縄市ドラム缶汚染問題で対策要請

沖縄市サッカー場:台風対策の件で沖縄市長が防衛局要請&防衛局調査実施


"沖縄市のアメリカ軍基地の跡地から大量のドラム缶が見つかりダイオキシンなどが検出された問題で、掘り起こした土砂を覆っていたシートが、台風9号の強風ではがれ、きょう、沖縄市の桑江市長が沖縄防衛局に対し、早急に対策を講じるよう求めました。
この問題は、沖縄市のアメリカ軍基地の跡地にあるサッカー場の地中から100本以上の古びたドラム缶が見つかりダイオキシンなどが検出されたもので、沖縄防衛局は、ドラム缶と一緒に掘り起こした土を現場に仮置きし、雨や風で拡散しないようシートで覆っていました。
しかし、先週、沖縄地方に接近した台風9号の強風でシートがはがれ、現場に水たまりができているのが確認されたということです。
これを受けて、16日、沖縄市の桑江朝千夫市長が防衛局を訪れ、井上一徳局長に対し、耐久性の高いシートの使用や、現場にたまった水の調査など早急に対策を講じるよう求めました。
これに対し井上局長は、「市民に不安を与えたことを真摯に受け止め、要請内容をふまえて早急に対応する」と述べました。
要請のあと、桑江市長は、「あのシートでは、台風の時に危険だと以前から指摘していたのに、防衛局は認識が甘かったのではないか。
二度とこうしたことがないようしっかりと対策を講じてもらいたい」と話していました。(7月16日 19時16分)"


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Posted by 沖縄BD at 00:23│Comments(0)
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