大浦湾にて新たなジュゴンの食み跡発見!
2013年04月03日/ アオサンゴ作業部会
大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集の近くでジュゴンの食み跡が見つかりました!
[Okinawa/Henoko] Dugong trenches found on seafloor 19. 6 meter deep in Oura Bay, where US and Japanese Government plans to construct new US military base.
=================琉球新報の記事より==========
大浦湾にジュゴン食跡 国内最深19・6メートル
琉球新報 2013年4月3日
米軍普天間飛行場代替施設建設に向け、国が県に埋め立てを申請した名護市辺野古の埋め立て予定地に隣接する大浦湾で、水深19・6メートルの海底で絶滅危惧種ジュゴンの食(は)み跡が3月28日に発見された。ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局次長によると、今回確認された場所は国内で確認された中で最も深い場所という。
ダイビングショップ桜海(おうみ)(那覇市)の岩本俊紀さん(41)が、同市安部沖約400メートルにあるアオサンゴ群集(チリビシ)の近くで食み跡5本を確認した。
沖縄防衛局による環境影響評価(アセスメント)補正評価書では、海藻草類の分布を調べるため、遠隔操作無人探査機調査が行われたが、今回食み跡が発見された場所を含むリーフ外の深場では、海藻草類の分布は確認されていなかった。
細川事務局次長は「辺野古アセスは見落としの多い不完全な調査でしかなく、基地建設によるジュゴンへの影響が過小評価された。大浦湾が重要な生息地であることも再確認された」と指摘した。
============
以下、長く辺野古や嘉陽のジュゴンの食み跡を見続けている細川太郎さん(沖縄BD会員)のコメントです。
大浦湾では、2011年6月にも市民団体の調査により瀬嵩沖にジュゴンの食み跡が確認されていますが、今回の確認はそれ以来となります。
前回食み跡の確認があった水深は6~8mだったのに対し、今回の確認は19.6m。
これは、これまでに国内で記録されたジュゴンの食み跡の中では、最も深い場所での確認となります。
そもそもジュゴンは一日の多くの時間を採餌に使うことが知られていますが、沖縄のジュゴンは夜間水深の浅いイノーに入り採餌していると考えられており、その他の時間帯(日中)はリーフの外でジュゴンが確認されていることから、日中はまだ知られていない深場の海草藻場で採餌している可能性が指摘されていました。そして、今回その深場での採餌が確認されたわけです。
これは、沖縄ジュゴンの生態を知る上で大変貴重な発見です。
辺野古のアセスでは深場の海草藻場の確認を目的に、遠隔操作無人探査機を使った調査が行われましたが、食み跡はおろか海草自体も確認されませんでした。写真の通り深場における海草の生育状況は被度が低く、遠隔操作無人探査機を使った水中ビデオカメラの調査では、海草の確認は困難だったものと思われます。
今回はスキューバを使った潜水により食み跡が確認されましたが、広い範囲を潜水調査することはとても困難です。国は調査効率を優先し、遠隔操作無人探査機を使った調査を選択したと考えられますが、同海域で海草を発見できなかった結果を見ると、適切な調査が行なわれなかったと言えるでしょう。その結果、辺野古周辺におけるジュゴンの深場の海草藻場の利用状況が把握されず、基地建設によるジュゴンへの影響が過少評価されたと指摘できます。
今回の食み跡がどの個体が作ったものかは判りませんが、大浦湾はジュゴンの重要な生息地(採餌場)であることが再確認され、基地建設によるジュゴンへの影響は避けられないと改めて指摘したいと思います。
=============
☆この記事をご覧になって大浦湾の海に潜りたくなった方は、ジュゴンの食み跡発見者のダイビングショップ桜海(おうみ)にご連絡を!
(執筆 アオサンゴ作業部会)
[Okinawa/Henoko] Dugong trenches found on seafloor 19. 6 meter deep in Oura Bay, where US and Japanese Government plans to construct new US military base.
=================琉球新報の記事より==========
大浦湾にジュゴン食跡 国内最深19・6メートル
琉球新報 2013年4月3日
米軍普天間飛行場代替施設建設に向け、国が県に埋め立てを申請した名護市辺野古の埋め立て予定地に隣接する大浦湾で、水深19・6メートルの海底で絶滅危惧種ジュゴンの食(は)み跡が3月28日に発見された。ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局次長によると、今回確認された場所は国内で確認された中で最も深い場所という。
ダイビングショップ桜海(おうみ)(那覇市)の岩本俊紀さん(41)が、同市安部沖約400メートルにあるアオサンゴ群集(チリビシ)の近くで食み跡5本を確認した。
沖縄防衛局による環境影響評価(アセスメント)補正評価書では、海藻草類の分布を調べるため、遠隔操作無人探査機調査が行われたが、今回食み跡が発見された場所を含むリーフ外の深場では、海藻草類の分布は確認されていなかった。
細川事務局次長は「辺野古アセスは見落としの多い不完全な調査でしかなく、基地建設によるジュゴンへの影響が過小評価された。大浦湾が重要な生息地であることも再確認された」と指摘した。
============
以下、長く辺野古や嘉陽のジュゴンの食み跡を見続けている細川太郎さん(沖縄BD会員)のコメントです。
大浦湾では、2011年6月にも市民団体の調査により瀬嵩沖にジュゴンの食み跡が確認されていますが、今回の確認はそれ以来となります。
前回食み跡の確認があった水深は6~8mだったのに対し、今回の確認は19.6m。
これは、これまでに国内で記録されたジュゴンの食み跡の中では、最も深い場所での確認となります。
そもそもジュゴンは一日の多くの時間を採餌に使うことが知られていますが、沖縄のジュゴンは夜間水深の浅いイノーに入り採餌していると考えられており、その他の時間帯(日中)はリーフの外でジュゴンが確認されていることから、日中はまだ知られていない深場の海草藻場で採餌している可能性が指摘されていました。そして、今回その深場での採餌が確認されたわけです。
これは、沖縄ジュゴンの生態を知る上で大変貴重な発見です。
辺野古のアセスでは深場の海草藻場の確認を目的に、遠隔操作無人探査機を使った調査が行われましたが、食み跡はおろか海草自体も確認されませんでした。写真の通り深場における海草の生育状況は被度が低く、遠隔操作無人探査機を使った水中ビデオカメラの調査では、海草の確認は困難だったものと思われます。
今回はスキューバを使った潜水により食み跡が確認されましたが、広い範囲を潜水調査することはとても困難です。国は調査効率を優先し、遠隔操作無人探査機を使った調査を選択したと考えられますが、同海域で海草を発見できなかった結果を見ると、適切な調査が行なわれなかったと言えるでしょう。その結果、辺野古周辺におけるジュゴンの深場の海草藻場の利用状況が把握されず、基地建設によるジュゴンへの影響が過少評価されたと指摘できます。
今回の食み跡がどの個体が作ったものかは判りませんが、大浦湾はジュゴンの重要な生息地(採餌場)であることが再確認され、基地建設によるジュゴンへの影響は避けられないと改めて指摘したいと思います。
=============
☆この記事をご覧になって大浦湾の海に潜りたくなった方は、ジュゴンの食み跡発見者のダイビングショップ桜海(おうみ)にご連絡を!
(執筆 アオサンゴ作業部会)
Posted by 沖縄BD at 18:06│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。