「世界自然遺産シンポジウム in 那覇」の部分的だけど大事な報告
2012年12月03日/ 世界自然遺産
IUCNのモロイさんにやんばるで起きていることを訴えるアキノ隊員。
11月4日に行われた「世界自然遺産シンポジウムin那覇」の報告が遅れてしまっています。
IUCN(国際自然保護連合)のレスリー・モロイさんの講演内容はぜひ共有したいと思うので、またこちらで別に報告します。が、その前にシンポの後の件のみ報告しておきます。
既にこの2月にも報道されているとおり、日本政府は来年1月にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会に、登録希望の意思を示す「暫定リスト」を提出する方針だということです。ここが登録へのスタートになります。世界自然遺産にふさわしいものであるかどうかの審査や、各機関などとの調整はこの先となります。これはシンポで環境省那覇自然環境事務所長植田明浩さんが用いたパワーポイントですが、登録までのプロセスは以下のようなものが予定されています。
このシンポでは、想定内ではありましたが、やんばるの森が国立公園化の対象地域であるにも関わらず、北部訓練場、高江のオスプレイ/ヘリパッド建設問題、オスプレイ運用問題、林道問題、森林伐採、IUCN勧告について触れられることがありませんでした。唯一、国頭村長が森林組合との関係で世界自然遺産登録や国立公園化にともなう規制についての言及をなさったことでしょうか。休憩時間内に書いて提出する質問票には、何人かの知り合いが触れられなかった問題についての疑問点などを書いていましたが、後半のパネルディスカッションでそれが取り上げられることはありませんでした。
ただ、それについて黙っているわけにはいきません。シンポ後、まず高江から参加していたお二人がIUCNのモロイさんに高江の問題を訴えにいきました。
モロイさんはヘリパッド建設のことはご存知でしたが、沖縄に存在する米軍基地の全容も北部訓練場の位置や大きさもきちんと国や県から情報提供されていないようでした。
沖縄タイムスの記事でもモロイさんは「軍事基地は平和の象徴である世界遺産になじまない。基地周辺を登録するにしても緩衝地帯などの工夫が必要になるだろう」とおっしゃっています。このことを環境省や沖縄県がどのように考えているのか、今後見解を聞いて行く必要があります。
環境省、沖縄県には暫定リストのために、そして条件を満たすためにがんばってもらいたいと思いますが、IUCNへの私たちからの正しいインプットも重要です。モロイさんは、私が(あまり働いていませんが)IUCNの生態系委員会のメンバー委員であることや、高江の人々といっしょにいろいろ活動していることを伝えると、そのような人たちがこれから関わってほしいということをおっしゃっていました。ぜひ、沖縄BDでもIUCNへの働きかけをしていければと思います。
○沖縄タイムスの記事
Posted by 沖縄BD at 16:02│Comments(0)
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