辺野古アセス:県評価書受理完了まで (1)

2012年01月10日/ 辺野古アセス

 既に報道されているとおり、1月6日に沖縄県は辺野古アセス評価書を正式に受理しました。

 その間の経緯には、環境影響評価法の問題点があぶりだされていますので、それを絡めて報告したいと思います。

□年末年始の座り込み
沖縄防衛局の未提出分の評価書搬入を阻止するため、年末年始の市民有志による24時間座り込みが行われました。メーリングリスト、ツイッター、ソーシャルメディアの呼びかけにより、ゆるやかなリレーによる座り込みが、暖かい差し入れなどに支えられ、行われました。
 「琉球新報記事:評価書追加搬入 広がる監視行動 ネット通じ若者も参加(2012年1月3日)」(沖縄BDのメーリングリストについても触れられています)

○県開封作業/環境省への問い合わせ(1月4日)
□県の開封作業を県議と県民代表2名で点検
 1月4日、県議と県民代表2名で沖縄県の評価書の入った段ボールの開封の監視をしました。沖縄防衛局の評価書の部数などの自己申告が正しいかどうかなどをチェックするためです。

□環境省へのアセス手続き法への問い合わせ 
 沖縄BDのブログにも載せました「環境影響評価法に関する手続」(記事「防衛局の提出は通常とは異なる:「環境影響評価法に関する手続」はこちら)について、県が環境省に問い合わせることになりました。
 
□県から、県民への説明~国アセス(埋立部分)は受理
 -その後の17:30、県の當銘健一郎基地防災統括監県が、環境省からの回答と、県の方針を県庁ロビーで発表しました。
-環境省の回答は、ホームページは社会通念上の手順を示しただけで、法的強制力はないとのこと。
- 県条例については部数など細かい規定があるが、国のアセス法は提出時のそのような規定はない。
- 国アセスの埋め立て分の提出は済んでいるので、受理せざるを得ない。
- 一部であっても受理できるので、敷地内に入っていれば受理とみなし12/28に(遡って)受理とする。

県から県民への説明の動画です。


この日の様子は、目取真俊さんのブログ「海鳴りの島で」の記事「1月4日の沖縄県庁での抗議行動」(こちら)がたくさんの写真つきで伝えています。

□それを受けての県議、県民会議からの意見、要請~手続き論の要求は終わり、アセスでの情報公開、県民意見反映要求へ
県の説明を受け、県民からは以下のような意見の表明がありました。
-国アセス(埋立)の件については、今後手続き論ではやらない。
-県知事の「県外移設」の公約を県が支えるようにしてほしい。
-評価書は県民の意見表明の機会がないのだから、評価書内容の情報公開、審査会の公開方法など、今後のアセス過程の手続きの中で県民の意見を反映できるようにしてほしい。

これに対して、県は情報開示の努力はするとの姿勢を示しました。

この姿勢を受け、県民からは具体的な方法の要求をしました。この要求は、どれだけ沖縄県民が(辺野古だけでなく)アセス制度に幾度も取り組み、アセス制度で非透明性や、情報公開に関して労力を費やしているかを示しています。
-評価書の情報公開開示の方法で県の本気度をはかりたい。
-情報開示の努力する、といって閲覧だけ、コピーはとれないのようなことでは困る
-情報開示請求をしなくても、7000ページの評価書の公開が速やかに行われるように、県自身が公開することを考えてほしい。
-埋立部分(国アセス)の審査会も公開し、多くの人が傍聴できるようにしてほしい。
-土木部が作成する埋立部分の知事意見に関しても、飛行場部分の審査会で扱えるようにしてほしい。

これに対して、県は具体的な回答の明言はしませんでした。

ここで、県民側はこれからの運動について、以下の確認がありました。
-県は、県外移設の知事公約を支える、県民は、その県を支えるということ。
-今回の運動のしめ方は不満もあるかもしれない。
-沖縄防衛局の基本的にはこのような姿勢には同意しない。
-しかし、これからの県との協議の道をつないだことで今回はまとめたい。
-今後、沖縄防衛局の抗議も行う。

この時点では、飛行場の分はまだ未受理の状態でした。

このやりとりの部分の動画です。



この時点で、手続き論での取り組みは、しめることとなり、県民は環境影響評価の評価書手続きの中で、辺野古アセスの取り組みをしていくことになりました。
県知事の「県外公約」を実現できるように、評価書手続きの中で、県は知事を支え、県民は知事の公約実現を支える県を支えるという構図で、今後動いていく方針がとられたということです。

(2)に続きます。




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Posted by 沖縄BD at 23:24│Comments(0)
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