沖縄防衛局への米軍ヘリパッド建設に関する質問と要請 

2011年07月07日

沖縄BDの沖縄防衛局との七夕交渉で、以下の質問状・要請文を提出しました。

沖縄防衛局への米軍ヘリパッド建設に関する質問と要請 
「平和の短冊」で防衛局を囲みました!
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2011年7月7日 
 

沖縄防衛局局長 
真部 朗殿

                        沖縄・生物多様性市民ネットワーク
                        共同代表:伊波義安 城間勝 高里鈴代

ヤンバル高江における米軍ヘリパッド建設に関する質問と要請

沖縄本島北部のヤンバルの森は、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネ、オキナワセッコク、オリヅルスミレ等、数多くの天然記念物、固有種、希少種が棲息する日本国内でも最も生物多様性の豊かな場所です。またヤンバルの森は、水源涵養の役割を持ち、沖縄県民の命を支える「水がめ」でもあります。そしてヤンバルの森は、森に抱かれるように点在する小さなコミュニティーと、そこに暮らす住民の大切な「生活の場」でもあります。ヤンバルの森は「地球に生きる多様な命」が共存する、沖縄が世界に誇れる場所なのです。

事実、2003年に日本政府が琉球諸島を世界自然遺産の国内候補地に選択した際にも、ヤンバルの森は最も重要な地域の一つに位置づけられました。また沖縄県や環境省は、ヤンバルの森における国立公園設立に向けて地道な取り組みを行っています。

しかしヤンバルの森には、現在7,833haの広大な米軍の訓練場があります。また1996年の日米のSACO合意により、訓練場の3,987haが返還される計画が示されましたが、その計画は、返還部分に存在するヘリパッドを残余部に移設すること、そのためヤンバルの森でも生物多様性の高い高江区に新たなヘリパッドを建設することが条件となっています。このような状況では、自然環境の「十分な保護担保措置」がとられず、世界自然遺産の登録や国立公園の設置はおろか、環境自然の保全・保護、そして住民の安全で静かな暮らしさえ保障されません。

私たち沖縄・生物多様性市民ネットワーク(沖縄BD)は、ヤンバルの森の保全・保護と、住民の暮らしを守る立場から、ヤンバル高江におけるヘリパッド建設に対し、懸念を示し、反対をしてきました。そして沖縄防衛局にヘリパッド建設に関する「公開質問状」(2010年6月24日)を提出し、回答を求めてきました。

また私たち沖縄BDは、2010年10月の生物多様性条約第10回締約国会議における「CBD-COP10開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」を通して、国内外の多くのNGOと共に、ヤンバル高江ヘリパッド建設中止と、ヤンバルの生物多様性の保全を求めてきました。そして2011年5月には、「国連先住民問題常設フォーラム」において、国内外のNGOと共に共同声明/勧告を表明し、ヘリパッド建設中止を求めています。私たち沖縄BDのこの立場は、2000年、2004年の国際自然保護連合の勧告とも合致するものです。

しかし沖縄防衛局は、高江を含む地域の住民に対して十分な説明責任を果たさず、私たち沖縄BDの「公開質問状」への回答を拒否し、国内外の市民社会の声を無視したまま、ヘリパッド工事に着手し、今また工事を再開しようとしています。

そして日本政府は、2011年6月6日に米海兵隊機MV-22オスプレイの普天間飛行場への配備計画を表明し、新たなる危機感を市民・住民にもたらしています。このオスプレイ配備計画は、1992年の米海軍省の「普天間マスタープラン」で示され、さらに1996年のSACO最終報告・草案でも示されてきました。これまで多くの市民・住民が、配備計画に対して懸念を抱き、日本政府や沖縄防衛局に対して説明を求めてきました。しかし日本政府や沖縄防衛局は、20年近くにわたり、配備計画を否定し続け、市民・住民への説明を拒み、配備計画を隠蔽するかたちで市民・住民に対応してきました。私たち沖縄BDが「公開質問状」で問うた、高江におけるヘリパッド建設とオスプレイ配備計画の関係についても、沖縄防衛局はその関係を否定してきました。

私たち沖縄BDは、生物多様性の豊かなヤンバル高江において建設が押し進められているヘリパッドが、オスプレイの訓練のために使用されることに大きな危機感を抱いています。そして、オスプレイ配備計画を沖縄県民に突きつけ、押し進めようとする日本政府と沖縄防衛局に対して強い憤りを感じています。私たち沖縄BDは、ヤンバル高江におけるヘリパッド建設に対して改めて反対するとともに、日本政府と沖縄防衛局の姿勢と対応に強く抗議します。

沖縄防衛局は、ヤンバルの森の生物多様性豊かな自然環境を保全・保護し、そこに住む住民の暮らしを守るべきだとする国内外の市民社会の声をしっかりと受け止めるべきです。

以上を踏まえ、沖縄防衛局に対し、以下の質問と要請を行います。
真摯な対応をよろしくお願いします。


質問

1)MV-22オスプレイは、北部訓練場でも使用されるのですか。現在高江で建設が押し進められ
ているヘリパッドにおいて、オスプレイは 使用されるのですか。

2)報道によると、普天間飛行場へのオスプレイ配備計画に関して米軍は「環境審査」を2012年
  3月まで行うとしていますが、その「環境審査」とはどういうものですか。高江で建設が押し
  進められているヘリパッド建設についても「環境審査」は行われるのですか。

3)米国ではオスプレイ配備の際に「環境アセス」を行っていますが、報道によると、沖縄にお
  いては「環境審査」のみを行うとなっています。私たちは、これはダブルスタンダードだと
  考えますが、沖縄防衛局の見解はどうですか。米国にオスプレイ配備の環境アセスを要求する(普天間飛行場、北部訓練場)予定はありますか。

要請
1)7月に再開しようとしているヘリパッド建設工事の中止と、ヘリパッド建設計画の撤回を求めます。(米軍の「環境審査」が行われるのと平行して、ヘリパッド工事は再開できないはずです)

2)沖縄BDや他の団体が2010年6月24日に提出した「公開質問状」へ回答して下さい。


以上
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沖縄防衛局への米軍ヘリパッド建設に関する質問と要請      

要請文をまず読み上げます。










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Posted by 沖縄BD at 23:19│Comments(0)
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