辺野古米軍基地建設工事着手への抗議声明

2014年07月07日/ 抗議声明/ 辺野古

辺野古米軍基地建設工事着手への抗議声明

  (QAB朝日のニュースクリップより)


7月1日に沖縄防衛局が、辺野古・大浦湾における新たな基地建設の工事に着手しました。74%の県民が基地建設に反対し、当事自治体である名護市が反対するなか、そしてジュゴンの食み跡が基地建設予定地の真下に見つかるなかでの着手でした。

以下、私たち沖縄・生物多様性市民ネットワークの、工事着手に対しての抗議と、工事の中止、建設計画の撤回を要求する声明文です。



   辺野古・大浦湾における米軍基地建設工事の着手に抗議し、建設計画の撤回を求める声明文

 2014年7月1日、日本政府は米軍のキャンプ・シュワブ陸上部において、普天間代替施設建設のための工事に「着手」した。この行為は、新たなる基地建設に反対する沖縄県民の民意を踏みにじり、我々の暮らしと自然環境を破壊し、沖縄をさらなる「基地の島」とする暴挙以外のなにものでもない。

 日本政府は、専門家から「史上最悪」と言われた環境アセスをもって、この基地建設計画を押し進め、工事の着手に至った。その過程は、環境アセスの柱である民主性と科学性を無視し、アセスの法制度を形骸化させるものであった。

 また日本政府は、公有水面埋立の承認手続きにおいて、法が要求する「環境保全」への配慮を怠り、市民・県民と沖縄県環境生活部が突き付けた「保全措置」の懐疑に答えることもなく、「アメと鞭」をもって沖縄県に埋立ての承認を強要し、工事の着手に至った。その過程は、法遵守の責任を自ら放棄し、そして沖縄県にも放棄させるものであった。

 沖縄県は、公有水面埋立て承認手続きにおいて、県民の承認反対への声には向き合わず、日本政府の圧力に屈し、承認の可否に絶対不可欠な専門性と科学性を無視し、埋立てを承認し、工事の着手を認めた。その過程は、県民の尊厳を傷つけ、沖縄の歴史と未来を裏切る愚行以外のなにものでもない。

米国政府は、日本政府の「史上最悪」の環境アセスの結果を鵜呑みにし、自国の裁判で命じられた日本の天然記念物であり世界的絶滅危惧種ジュゴンへの基地による影響の科学的評価を十分に行わず、工事の着手を認めた。その過程は、米国が提唱してきた民主主義や法遵守への背任である。

 そして日米両政府は、基地建設の着手と工事を強行するため、「刑事特別法」を振りかざし、米軍への提供制限区域を拡張している。その過程は、第2次世界大戦後、「銃剣とブルトーザー」をもって沖縄の人々の土地を奪い、その後の悲惨な戦争の最前線となる「基地の島」へと沖縄を作り変えた占領の歴史の繰り返し以外なにものでもない。

 我々沖縄・生物多様性市民ネットワークは、沖縄の「環境」「平和」「人権」を守る沖縄の環境団体として、日本政府の工事着手に対し、最大の怒りと憤りをもって抗議し、工事の即時中止と基地建設計画の撤回を求める。


2014年7月2日
   沖縄・生物多様性市民ネットワーク

内閣総理大臣 安倍晋三殿
米国大統領  バラック・オバマ殿
沖縄県知事  仲井真弘多殿


%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%A3%B0%E6%98%8E.pdf (PDF: 83.65KB)(抗議声明文)





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Posted by 沖縄BD at 06:30│Comments(0)
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