事後調査報告書が出てきたよ!!!

2016年03月04日/ 環境監視等委員会/ 辺野古/ 辺野古アセス/ 辺野古・大浦湾/ 沖縄防衛局

「和解受け入れ」と事後調査の報告書
辺野古新基地建設を巡り沖縄県と日本政府が裁判で争っていますが、本日裁判所が提示した「和解案(暫定案)」に国と県が応じるとのニュースがありました(毎日新聞のリンクはこちら沖縄タイムスのリンクはこちら琉球新報のリンクはこちら)

今後国は工事を中断し、国と県が協議のテーブルにつくことになります。国はあくまで辺野古新基地建設を固持していますが、翁長知事も建設反対の立場を貫いていくとしています。和解受け入れに関しては様々な見解があると思います。しかし現場で抗議行動をしてきた人々が少しでも休めることは本当に良かったと思います。私たち環境NGOも、この機会を利用して、この無謀な新基地建設がもたらす環境問題を国内外にしっかり訴えていきます。

事後調査報告書が出てきたよ!!!

「シュワブ(H25) 水域生物等調査 報告書」のファイルで画面がうまっているMacBook

さて前回のブログで、2014年に行われた事後調査の水域生物調査の報告書が未だに出てきていないこと書きました。その後すぐに、赤嶺政賢国会議員の事務所に協力をお願いして、防衛省へ報告書の提出を求めてもらいました。その結果「シュワブ(H25)水域生物等調査 報告書」という2014年の事後調査の報告書が膨大なファイルpdfで入手できました。ただしジュゴンの食み跡の詳細な写真が掲載されている「資料編」は、まだマスキングや調整などが終わっていないので出せないとのこと。とにかく、赤嶺議員と事務所のスタッフに感謝、感謝です。

報告書の膨大なファイルは、来週中にも防衛局のHPで掲載されることを期待し、ここではまず今回の報告書の開示の過程から見えたことについて3点書きます。

1) 報告書公開の遅滞、でも米軍にはすでに公開
2014年の事後調査の報告書を公開しない理由について沖縄防衛局は、貴重種の生息場所についてのマスキングや、その他の重要な情報の公開について調整するため、と説明していました。しかし「報告書」はコンサルの「いであ」社により2015年3月までには防衛局には提出されていたようです。すると、マスキングや調整を1年以上もかけたことになります。そんなに沢山の情報を隠さなければないとは、、、それだけ貴重な種が生息する環境をなぜ壊すのか、、、。私たちにさらなる不信感を与えています。

ところで防衛省は、2015年6月に米軍へ報告書を「手交」し、その際に概要を説明した、と赤嶺議員の事務所に報告しています。沖縄県には報告書を提出せず、私たち市民には公開を拒み、自らが設置した環境監視等委員会にも見せていない(?)(資料として提出された形跡が議事録等になし)。しかし米軍には公開している。防衛省がどこに向いて、何を考えているのか、全く疑問しか出てきません。ちなみにそのようなやり方では結果的に米軍側へも迷惑になることを防衛省はそろそろ気付くべきでしょう。

2) 沖縄防衛局は本庁(防衛省)からきちんとした情報を与えられていない?
2016年1月のSDCCの要請交渉において、沖縄防衛局は、米軍側への報告書の提出や、それに基づいた米軍との協議が行われているのか、という質問に答えることはできませんでした。しかし防衛省は2015年6月には米軍に報告書を手交していた。何とも言えない情報の乖離です。

私たちは、本庁から沖縄防衛局に対して、きちんと情報が伝えられているのかどうかを大きく懸念しています。沖縄防衛局は、沖縄県の嘉手納町にあり、米軍基地が集中する沖縄においての沖縄の市民や県への対応の窓口です。沖縄防衛局が、本庁よりきちんと情報を与えられていないまま対応を任されているのであれば、私たち市民は勿論、沖縄防衛局の職員さえも軽視していると言わざるを得ません。

3) 事後調査の中間報告やアップデートを
今回の事後調査については、履行期間が2013年11月から2015年3月となっています。約17ヶ月かけて、調査を行い報告書を作成していることになります。報告書は平成27年(2015年)3月付けで出されています。

大掛かりで詳細な調査を行っているので、全体的な報告書の作成には時間が必要なことは分かります。しかしだからといって調査で明らかになった重要な情報を一年以上も外に出さないのは大きな問題です。

事後調査は、環境アセスにおいて「予測の不確実性の程度が大きく」また「効果に係る知見が不十分な環境保全措置を講じる」ので行われているのです(環境アセス「評価書」の事後調査の部分はこちらから)。事後調査の結果が適時に、環境監視等委員会や沖縄県や市民に公表され、それが計画や工事に反映させられなければ、事後調査の本来の意味を成しません。税金の無駄使いといってもいいでしょう。

事後調査で出てきた結果を、「中間報告」や「update」という形で適時そして継続的に出させるように、沖縄県も、環境監視等委員会も、議員も、市民も沖縄防衛局に求めていきましょう。



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Posted by 沖縄BD at 21:36│Comments(0)
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