11月県議会陳情4: 辺野古ージュゴン・外来種・世界遺産登録

2013年12月16日/ 公有水面埋立対策/ 辺野古/ 辺野古アセス/ 世界自然遺産

 辺野古の埋め立て承認申請手続きに関する陳情はこちらです。

12月17日10:00- 米軍基地関係特別委員会で審議予定です。
ぜひみなさま、傍聴をお願いします。
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2013年12月05日


沖縄県議会議長
喜納 昌春殿

沖縄・生物多様性市民ネットワーク
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川保護基金」事務所内
連絡先 吉川秀樹

                
普天間飛行場代替施設建設に係る公有水面埋立承認申請手続きに関する陳情:
ジュゴン、外来種、世界遺産登録との関係について


 普天間飛行場代替施設建設に係る公有水面埋立承認申請手続きにおいては、これまでに名護市長意見が提出され、また県の環境生活部長意見も提出されている。両意見は、表現の違いはあるとはいえ、埋立や飛行場建設・運用は、環境への影響が大きいこと、生活環境及び自然環境の保全について重大な問題があることを指摘している。
 名護市長意見は、市長が公約としてきた「基地建設反対」という政治的スタンスと同時に、科学的知見をもとに、公有水面埋立法や関連法令の遵守という視点から「本事業には強く反対」「知事は承認をしないように求める」となっている。
 一方、環境生活部長の意見は、「環境保全措置の効果の不確実性が大きい」「(影響について)適切に解析されているかが不明である」「予測・評価の妥当性が確認できない」「環境保全措置を適切に予測・評価すべきである」「生活環境及び自然環境の保全についての懸念が払拭できない」という文言が示す通り、問題の指摘という形になっており、知事に不承認を求めるまでは踏みこんではいない。
 いずれにしても大切なことは、1)埋立申請の書面と関連図書が提出され、すでに沖縄県と事業者の間で2度に渡り同書面と関連図書に関する質問と回答のやりとりが行われた後も、これだけの問題が名護市長意見と県環境生活部長意見で指摘されていること、2)指摘されたこれらの問題は、今後の事業者との(申請手続きの枠組み外で)調整で対応できるというものではなく、公有水面埋立法及び関連法令を遵守するための根幹に関わる問題であり、知事意見が出される現時点において本来ならば解決されていなければならないものである、ということである。
 県民の民意という視点からは勿論、公有水面埋立法や関連法令の遵守という視点からも、この申請内容で、沖縄県知事が埋立申請を承認するということはできないと考える。この点を明確にするために、沖縄県に対して以下の要請・陳情を行う。 



1. 沖縄県環境生活部長意見では、「当該事業の申請承認書に示された環境保全措置等では不明な点があり」「生活環境及び自然環境の保全については懸念が払拭できない」としているが、これは沖縄県/環境生活部としては、この申請書では「保全が図れない」という認識を持っている、と理解していいか。確認をお願いしたい。

2. 沖縄県環境生活部長意見では、ジュゴンについて、HEP(生息域評価)などの適用がなされていないこと等を指摘し、「予測・評価も不確実性の程度が大きい」としている。また、保全措置としての海草類の移植や生育基盤の改善についても、「具体的な場お書や手法、面積が示されておらず、消失する海草藻場の代償措置になり得るか不明である」としている。これは沖縄県/環境生活部としては、この申請書ではジュゴンに関して「保全が図れない」という認識を持っている、と理解していいか。確認をお願いしたい。

3. 沖縄県環境生活部長意見では、県外からの大量の土砂搬入に伴う外来種侵入の生態系への影響と、その防止策が具体的に示されていないことが問題として指摘されている。これは「コウジカビやセラチア菌がサンゴの病気になるという調査研究がある」と具体例を示しての指摘となっている。そして「陸由来の土砂が海域生物へ及ぼす影響への」「適切な予測・評価を行うべきである」としている。これは、沖縄県/環境生活部としては、この申請書では「外来種侵入に関して環境の「保全が図れない」という認識を持っている、と理解していいか。確認をお願いしたい。

4. 沖縄県環境生活部長意見で示された「コウジカビやセラチア菌」の他にも多くの外来種の侵入の可能性が予想される。沖縄防衛局の土砂購入予定地である瀬戸内地域等では、環境省により特定外来種に指定されている「アルゼンチンアリ」が発見され、農業害虫としての被害や、在来アリ駆逐の被害が報告されている。沖縄県環境生活部長意見の作成過程で、「コウジカビやセラチア菌」以外の外来種や、拡散した場合の駆除作業の主体や費用や経済損失等の議論はあったか、示して頂きたい。

5. 沖縄県は『沖縄21ビジョン基本計画』や『生物多様性おきなわ戦略』において、外来種対策を重要課題とし、また琉球列島の「世界自然遺産登録」へ向けた施策を謳っている。埋立土砂の搬入に伴う外来種の侵入は、これらの沖縄県の計画や施策と相反するものであり、整合性がとれていない(公有水面埋立法第4条3項)。特に、世界然遺産登録において技術的審査を行う世界自然保護連合(IUCN)が、島嶼における外来種侵入を非常に問題視していることを考えると、沖縄県の同事業に関わる外来種の問題への明確な姿勢が求められる。自然遺産登録とこの外来種問題の関係をどう考えるか、沖縄県の見解を示して頂きたい。 

6. 現在、沖縄防衛局の埋立申請書に関する第3回目の質問が海岸防災課により準備されているというが、1) いつまで申請内容の訂正を求めるやりとりを県は防衛局と行うつもりなのか、2)このようなやりとりが続くことは法令上に認められるものなのか、 3)すでに名護市長意見はこれまで提出された埋立て申請手続きの書面と関連図書をもとに意見を出しており、これから沖縄防衛局がさらなる提出を行うとしたならば、埋立て法第3条第1項「前条第二項各号に掲げる事項を記載した書面及び関係図書をその告示の日より起算して三週間公衆の縦覧に供しかつ期限を定めて地元市町村の意見を懲すること」に反することになるのではないか。県の見解を示して頂きたい。

以上。


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Posted by 沖縄BD at 18:20│Comments(0)
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