枯れ葉剤 外務省:日米間のやりとりは公開できない
2013年01月07日/ 枯れ葉剤
昨年12月14日に行った外務省沖縄事務所への枯れ葉剤に関する要請について、要請文をもとに何回かに分けて解説していきたいと思います。解説部分にある外務省の回答は、その場で回答していただいたもののみで、後は次回の宿題となっています。
要請文(→こちら)は、基本的に外務省から沖縄県と名護市への回答文(→こちら)に基づいて作成しています。
この外務省の回答は、概ね米国政府からの回答の受け売り回答で、日本政府が踏み込んだ調査を行った様子はないようです。

しかし、その受け売りもどのようなやりとりをしているのか、これまで非公開であり、私たちはこの点に関して不信感を持っています。私たちの要請文ではこのように問い合わせています。
この件に関しては、報道もされているように、日米間のやりとりを公表するのは難しいという答えでした。1)については、私たちが文書に書いた機関以外にも問い合わせをしているということを答えていました。しかし具体的な機関の言及はありませんでした。
なぜ私たちがこのようなことを聞くのかといえば、日米のやりとりが正確に伝えられているとは思えないからです。オスプレイの配備について、米国政府は配備を決定し、住民に伝える必要を日本政府に伝えていたのに日本政府は隠蔽してきたという経緯もあります。
また、日本政府が伝える米国政府の回答が回答となっていないものが多く、米国政府がこのような回答をしているとは考えにくいからです。加えて、日本政府の姿勢が、県民に対して不誠実であることも私たちの不信感を募らせています。沖縄県と名護市は違う問い合わせをしているはずなのに回答が全く同じものであり、特に名護市は問い合わせに対しての答えになっていません。以前もテレビ朝日と沖縄県に同じ回答を使いまわしており、その時の回答の一部分は今回もまだ用いられています。このような不誠実な姿勢が続いていることに、私たちだけでなく、沖縄県も名護市も抗議し、重ねて問い合わせをしていくことが必要でしょう。
これだけでも、外務省の回答の最後にある、「極めて真剣に捉えており」「外務省としては、本件について引き続き注意深くフォローしており、米側も当方の照会に対し真剣かつ協力的に対応してきているところ」などという文言と、これまでの外務省の回答の内容や県民に対する姿勢は乖離していることがわかると思います。
また、枯れ葉剤の問題が単発的な問い合わせのみで行われているのか、日米合同委員会のような恒常的な場で話し合われる議題となっているのか、など日米政府の取り組みがどのレベルで行われているかというような具体的な情報によって、日本政府のこの問題の取り組みへの真剣度を判断したいので、公開することを要求しています。あまりにも不平等な日米地位協定は、環境条項もないことが指摘されながらその本格的な改正の動きはみえません。よって、米軍基地における使用履歴などの環境に関する情報公開は全くされていません。その問題も射程に据え、ここを追究していかなければいけないと考えています。
3)についてはこのホームページInformation from Department of Defense (DoD) on Herbicide Tests and Storage outside of Vietnamのことを指しています。このホームページにないから、というのは、沖縄での使用や貯蔵を否定する理由として成立しないでしょう。「そのページには載っていないのは不自然である。載っていないのに、これだけ沖縄の使用に関する退役軍人の証言がある、証明する文書がでてきている」と私たちは言い続けているのに、「ホームページに載ってないからない」という回答(これが唯一の日本政府の見解部分のようですが)はおかしいので、本当にそう考えるのか、と日本政府への見解を求めているのです。
参考:日米地位協定と環境問題については以下を参照。
世一良幸『米軍基地と環境問題』(幻冬舎ルネッサンス文庫、2010年)。
(続く)
要請文(→こちら)は、基本的に外務省から沖縄県と名護市への回答文(→こちら)に基づいて作成しています。
この外務省の回答は、概ね米国政府からの回答の受け売り回答で、日本政府が踏み込んだ調査を行った様子はないようです。

しかし、その受け売りもどのようなやりとりをしているのか、これまで非公開であり、私たちはこの点に関して不信感を持っています。私たちの要請文ではこのように問い合わせています。
日米のやりとりについて
1)外務省は米国とのやりとりについて言及する時に「米側」という文言を用いていますが、これは具体的にどの機関を指しているのでしょうか。枯れ葉剤の問題について真摯に取り組むならば、国防総省、国務総省、退役軍人省、農務省、環境保護庁などのあらゆる関係機関に照会をしているはずです。具体的にどの件はどの機関に照会しているかを示してください。
2)この”米側“との「種々のやりとり」が誰によって、どのように、行われているのか(文書による個々のやりとりなのか、日米合同委員会でもとりあげられているのかなど)具体的に示してください。
3) 「米国政府は、退役軍人省のホームページにおいて枯葉剤が使用等された可能性のある場所を公開しており、そこに日本(沖縄)は含まれておりません。」と指摘していますが、退役軍人省のホームページに含まれていないことが、沖縄での枯れ葉剤の使用等が認められない理由にはならないと考えられます。この件についての見解を示してください。
この件に関しては、報道もされているように、日米間のやりとりを公表するのは難しいという答えでした。1)については、私たちが文書に書いた機関以外にも問い合わせをしているということを答えていました。しかし具体的な機関の言及はありませんでした。
なぜ私たちがこのようなことを聞くのかといえば、日米のやりとりが正確に伝えられているとは思えないからです。オスプレイの配備について、米国政府は配備を決定し、住民に伝える必要を日本政府に伝えていたのに日本政府は隠蔽してきたという経緯もあります。
また、日本政府が伝える米国政府の回答が回答となっていないものが多く、米国政府がこのような回答をしているとは考えにくいからです。加えて、日本政府の姿勢が、県民に対して不誠実であることも私たちの不信感を募らせています。沖縄県と名護市は違う問い合わせをしているはずなのに回答が全く同じものであり、特に名護市は問い合わせに対しての答えになっていません。以前もテレビ朝日と沖縄県に同じ回答を使いまわしており、その時の回答の一部分は今回もまだ用いられています。このような不誠実な姿勢が続いていることに、私たちだけでなく、沖縄県も名護市も抗議し、重ねて問い合わせをしていくことが必要でしょう。
これだけでも、外務省の回答の最後にある、「極めて真剣に捉えており」「外務省としては、本件について引き続き注意深くフォローしており、米側も当方の照会に対し真剣かつ協力的に対応してきているところ」などという文言と、これまでの外務省の回答の内容や県民に対する姿勢は乖離していることがわかると思います。
また、枯れ葉剤の問題が単発的な問い合わせのみで行われているのか、日米合同委員会のような恒常的な場で話し合われる議題となっているのか、など日米政府の取り組みがどのレベルで行われているかというような具体的な情報によって、日本政府のこの問題の取り組みへの真剣度を判断したいので、公開することを要求しています。あまりにも不平等な日米地位協定は、環境条項もないことが指摘されながらその本格的な改正の動きはみえません。よって、米軍基地における使用履歴などの環境に関する情報公開は全くされていません。その問題も射程に据え、ここを追究していかなければいけないと考えています。
3)についてはこのホームページInformation from Department of Defense (DoD) on Herbicide Tests and Storage outside of Vietnamのことを指しています。このホームページにないから、というのは、沖縄での使用や貯蔵を否定する理由として成立しないでしょう。「そのページには載っていないのは不自然である。載っていないのに、これだけ沖縄の使用に関する退役軍人の証言がある、証明する文書がでてきている」と私たちは言い続けているのに、「ホームページに載ってないからない」という回答(これが唯一の日本政府の見解部分のようですが)はおかしいので、本当にそう考えるのか、と日本政府への見解を求めているのです。
参考:日米地位協定と環境問題については以下を参照。
世一良幸『米軍基地と環境問題』(幻冬舎ルネッサンス文庫、2010年)。
(続く)
Posted by 沖縄BD at 22:41│Comments(0)
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