<枯れ葉剤>外務省沖縄事務所に要請(というか外務省に宿題)
2012年12月24日/ 枯れ葉剤
12月14日、沖縄BDは、外務省沖縄事務所に枯れ葉剤と、国連人種差別撤廃委員会の件(これは別記事であげる予定です)で要請・交渉にいってきました。
今回の要請は、沖縄県と名護市に対しての回答(→<枯れ葉剤>名護市の要請と外務省回答(2012.11.24記事))に対する疑問を投げかけ、外務省の見解を問うというものです。この要請は、即答できる部分が限られているので、次回までの「宿題」を外務省に置いてくるという形にしています。
外務省沖縄事務所からは、外務事務官川口鑑三さんが対応されました。

外務省の当日の回答や、やりとりの報告については、要請文の解説が必要ですので別記事にします。こちらでは県内報道と、要請文を載せておきましたので、ご覧ください。
○琉球新報(2012.12.20)

○沖縄タイムス(2012.12.16)

○QABニュース(2012.12.14) 沖縄の枯れ葉剤 外務省「米公文書の内容は不正確」

○要請文は以下のとおり
今回の要請は、沖縄県と名護市に対しての回答(→<枯れ葉剤>名護市の要請と外務省回答(2012.11.24記事))に対する疑問を投げかけ、外務省の見解を問うというものです。この要請は、即答できる部分が限られているので、次回までの「宿題」を外務省に置いてくるという形にしています。
外務省沖縄事務所からは、外務事務官川口鑑三さんが対応されました。
外務省の当日の回答や、やりとりの報告については、要請文の解説が必要ですので別記事にします。こちらでは県内報道と、要請文を載せておきましたので、ご覧ください。
○琉球新報(2012.12.20)

○沖縄タイムス(2012.12.16)

○QABニュース(2012.12.14) 沖縄の枯れ葉剤 外務省「米公文書の内容は不正確」

"ベトナム戦争当時沖縄に駐留していた元アメリカ軍人たちが県内で猛毒の枯れ葉剤を使ったと証言している問題で政府はこれらの証言や公文書の内容について全て否定する考えを示しました。
外務省沖縄事務所の川口鑑三外務事務官は14日、市民グループに対し「いつ、どこで、誰に問い合わせて、どういう風に回答したのかについては、回答は困難であると」とアメリカ政府とのやり取りについては明かせないと説明し1972年、沖縄に枯れ葉剤があったと書かれているアメリカ陸軍関係機関の公文書については内容が不正確との見方を示しました。
また沖縄での枯れ葉剤被害で補償を認定された人が2人いることは把握しているものの日本政府として詳しく調べる考えがないことを明らかにしました。
この問題を巡っては2012年11月、被害を証言した元軍人の女性が亡くなっていて、他の元軍人たちからは一日も早い事実解明を求める声や沖縄の人たちの被害を心配する声が高まっています。"
○要請文は以下のとおり
2012年12月14日
外務大臣
玄葉 光一郎殿
特命全権大使(沖縄担当)
竹内 春久殿
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川保護基金」事務所内
TEL/FAX:098-897-0090
連絡先: 河村雅美
沖縄の枯れ葉剤問題に関する日本政府への要請
沖縄の枯れ葉剤については、沖縄のベトナム戦争での位置づけや、これまでの多くの証言や文書などから、その使用について否定されることは甚だ不自然であると考えられます。
日米政府は、この問題に関して「沖縄の枯れ葉剤の使用の記録は確認できない」という答えを繰り返してきました。特に、日本政府は米国政府の回答をそのまま伝えるばかりで、日本政府の独自の取り組みは行ってきていないようにうかがわれます。
このような、これまでの沖縄の枯れ葉剤問題に関する日本政府の見解や姿勢について、私たちは疑問を持っています。
日本政府は、具体的にどのような取り組みを行い、日米政府がどのようなやりとりをしているかの説明責任、またこの問題について、米国政府の回答ではなく、日本政府独自の見解を示す責任があると考えます。
下記について、文書による明確な回答を早急にしてくださることを要求いたします。
記
先日、9月に日本政府から沖縄県と名護市に枯れ葉剤問題についての回答があり、日本政府の見解が示されていました(添付文書外務省特命全権大使(沖縄担当)竹内春久 「キャンプ・シュワブにおける『枯れ葉剤』の使用等について(回答)平成24年9月18日付け、名護市長稲嶺進宛)。
■日米のやりとりについて
1)外務省は米国とのやりとりについて言及する時に「米側」という文言を用いていますが、これは具体的にどの機関を指しているのでしょうか。枯れ葉剤の問題について真摯に取り組むならば、国防総省、国務総省、退役軍人省、農務省、環境保護庁などのあらゆる関係機関に照会をしているはずです。具体的にどの件はどの機関に照会しているかを示してください。
2)この”米側“との「種々のやりとり」が誰によって、どのように、行われているのか(文書による個々のやりとりなのか、日米合同委員会でもとりあげられているのかなど)具体的に示してください。
3) 「米国政府は、退役軍人省のホームページにおいて枯葉剤が使用等された可能性のある場所を公開しており、そこに日本(沖縄)は含まれておりません。」と指摘していますが、退役軍人省のホームページに含まれていないことが、沖縄での枯れ葉剤の使用等が認められない理由にはならないと考えられます。この件についての見解を示してください。
■「ジョンストン島における生態アセスメント」の回答部分について
4)「ジョンストン島における生態アセスメント」の件に関して、米国のどの部署からどのような説明を日本側のどの部署が受けたのか、示してください。
5)「沖縄に枯葉剤が保管されていたという記述の部分は不正確であり、米陸軍及び米国政府が承知している事実と異なっている旨の説明があった」とありますが、どの部分が不正確であり、米陸軍及び米国政府が承知している事実とは何なのかについて、米国からの具体的な説明があったのであれば示してください。ないならば、その後、問い合わせをしているかお答えください。問い合わせをしていないならば、照会をしてください。
6)「71年の『レッドハット作戦』の一環として枯葉剤が沖縄からジョンストン島に移送されたとする報道に関しては、米側が同作戦についての記録を再度確認した結果として、同作戦に枯葉剤は含まれていなかったことは明らかであるとしています」と、日本政府は回答しています。この”米側”が確認した「枯葉剤が含まれていなかったことは明らかである」ことを示す記録が何であるかを照会したかお答えください。照会した場合は、その記録についての具体的情報(文書名など)を示してください。していない場合は米国に照会、確認してください。
7)2009年の退役軍人省の審決文書(Citation Nr:0941781(Decision Date:11/02/09 Archive Date:11/09/09)http://www.va.gov/vetapp09/files5/0941781.txtには、退役軍人の補償請求の追加証拠書類として“a summary of the use of Agent Orange in Operation Red Hat(Okinawa)”があげられています。
この追加証拠書類について、日本政府は独自に調査、あるいは米国に照会しているかお答えください。していない場合は、調査、照会をしてください。
8)上記文書には、以下のような記述がありますが、この記述と米国の説明についての乖離について日本政府はどのような見解を持っているかお答えください。
“The records pertaining to Operation Red Hat show herbicide agents were stored and then later disposed in Okinawa from August 1969 to March 1972,...”
9) 「ペイサー・アイビー作戦」で枯れ葉剤が「途上で沖縄を含めどこにも寄港せずに直接ジョンストン島へ移送されて」いるならば、それを裏づける文書が必要であると考えますが、日本政府はそれを要求したかお答えください。また、「ペイサー・アイビー作戦」とは何かを日本政府はどの程度把握しているか示してください。
■退役軍人の沖縄での枯れ葉剤被害の補償事例について
11)枯葉剤被害の認定例は3例ありますが、外務省回答は1998年と2008年の2例のみの言及となっています。
2010年7月に認定されているLarry Carlson(The Japan Times 2012.4.15記事、1965.4-1967.4 那覇軍港 第44輸送部隊所属)について、言及されていないのはなぜか、教えてください。
12)「上記2事案はいずれもこの審査委員会の審決により、沖縄における枯葉剤の使用等に関する確証的証拠の提出がない中で」とありますが、沖縄で枯れ葉剤被害によって補償を認められている1998年の退役軍人省の審決文(退役軍人省のサン・ディエゴ地域事務所が、1961-1962年の沖縄での軍役の結果、前立腺ガンが、発症したという退役軍人の要求に対して補償を認める審決)(NR: 9800877 Decision Date: 01/13/98 Archive Date: 01/21/98 On appeal from the Department of Veterans Affairs Regional Office in San Diego, California THE ISSUE Entitlement to service connection for prostate cancer due to Agent Orange exposure http://www.va.gov/vetapp98/files1/9800877.txt)には、以下の記述があります。これらの記述や、退役軍人の文書中の証言をもって「沖縄における枯葉剤の使用等に関する確証的証拠の提出がない中で」とはいえないとは思います。この審決文には、沖縄における枯れ葉剤の使用を示す多くの具体的な記述がされています。その部分や関連する記述部分の日本政府の訳と、それに対する見解を示してください。
・”Findings of fact
1. Credible evidence sustains a reasonable probability that the veteran was exposed to dioxins while serving in Okinawa.
2. The veteran’s recent prostate cancer must be reasonably attributed to his in service dioxin exposure.”
・”Analysis
( …)
Thus, the only significant issue to be resolved is whether he was in fact exposed to dioxins in service. The evidence in this regard may not be independently verifiable or overwhelming, but the aggregate data is entirely consistent therewith. In that regard, the Board finds that the veteran’s explanations for the gaps in the otherwise contemporaneously documented information of record in that regard are quite credible. He has provided a comprehensive description of the activities through which he was exposed to concentrated dioxins, as well as the reasons why the mixing of the concentrated chemicals with diesel fuel or other agents was necessary.”
■今後の予定について
13) 33,000人の読者を持つ米国のメジャー雑誌Vietnamの最新号(2013. Feb) で沖縄の枯れ葉剤の記事が掲載されたこと、Vietnam Veterans of America(VVA) のガイド(The VVA Self-Help Guide to Service-Connected Disability Compensation For Exposure to Agent Orange: for Veterans and their Families, August 2012)で沖縄が米国外の枯れ葉剤が使用された地域として記述されたことなど、米国内で沖縄の枯れ葉剤使用について認識が拡がりつつあります。また、2世、3世の被害者のネットワークや、国際NGO(ピースボートなど)などを通じて沖縄の枯れ葉剤の問題の国際世論も高まっています。雑誌Vietnamや、VVAの問い合せの可能性も含めて、高まる世論に対する日本政府の見解を示してください。
14) 日本政府の今後のこの問題の取り組みについての計画を示してください。
以上
Posted by 沖縄BD at 16:19│Comments(0)
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