沖縄市サッカー場基地跡地問題:沖縄防衛局の調査結果報道 2

2013年08月01日/ 枯れ葉剤/ 基地返還跡地

 引き続き、沖縄防衛局の調査結果に関する報道をまとめます。

沖縄防衛局の調査報告の公開が、関係機関への説明、メディアへのブリーフィング資料配布と、嘉手納の沖縄防衛局での現物の閲覧のみということには、異議をとなえけなければならないと思います。沖縄防衛局では、今後、ウェブでの公開などは予定していないとのことです。

 今回はドラム缶が発見されたという対応での調査ですが、沖縄防衛局は返還対策課を今年5月16日に設置し、返還された跡地に係る業務を本格的に実施していくわけですから、今後の調査の情報公開体制も見据えて、この対応について問うていかなければならないと思います。

 県や自治体もその点から、今回の件を我が身のこととして考えていかなければならないということを琉球新報でコメントしていますのでごらんください。コメントの中の「新たな枠組み」については、沖縄県の議会の中で県が示した発言です。これについては、県の対応について別記事を立てるので、そこで説明したいと思います。

 他にもダイオキシンについてなど専門家の貴重なコメントがでています。

○琉球新報 2013年7月25日
ダイオキシン検出 識者「枯れ葉剤」 
”【沖縄】沖縄市の米軍基地返還跡地のサッカー場から米国の枯れ葉剤製造大手企業の社名が記されたドラム缶が発見された問題で、沖縄防衛局(武田博史局長)は24日、ドラム缶内部の一部付着物や周辺にたまった液体から、国が定めた環境基準値を超えるダイオキシン類が検出されたと発表した。土壌の環境基準と比較した場合、付着物は基準値の1・1倍、液体は水質基準値の28倍を含んでいた。専門家は「枯れ葉剤由来のダイオキシン類だ」と断言している。
 防衛局は24日午前、沖縄市役所内で開かれた県や沖縄市との連絡調整会議で調査結果を報告。東門美津子沖縄市長は会合後、サッカー場敷地の全面調査を実施する考えを示した。3者は、今月末に出る沖縄市の調査結果を踏まえ、今後の対応を検討する。
 ダイオキシン類は、ドラム缶の全22検体から検出された。環境基準値を超過したのは2検体で、最も高い数値は毒性等量(TEQ)1グラム当たり1100ピコグラム(ピコは1兆分の1)。残りは62~1000ピコグラムと数値にばらつきがある。液体は同1リットル当たり28ピコグラムを含んでいた。
 米軍がベトナム戦時に使用した枯れ葉剤「エージェント・オレンジ」の主要成分「2,4,5―トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5―T)」は、22検体中13検体から検出された。一方、同じ主要成分の「2,4―ジクロロフェノキシ酢酸(2,4―D)」は、全ての検体から検出されなかった。
 結果から、防衛局は「オレンジ剤の断定は一切できない」と指摘。ベトナム戦時に多くの除草剤で「2,4,5―T」が使用されていたと説明した上で、「除草剤の可能性がある」とした。
 ダイオキシンの処理や分析技術を研究する本田克久愛媛大学教授は、枯れ葉剤特有のダイオキシン類の一種「2,3,7,8―テトラクロロジベンゾ(2,3,7,8―TCDD)」が多く含まれていることに着目。「この物質が7割を占めるのは枯れ葉剤由来のダイオキシンで間違いない」と断定し、汚染土壌の浄化を求めた。
ドラム缶と液体のいずれからもポリ塩化ビフェニール(PCB)は検出されなかった。ドラム缶発見地点の土壌からは、基準値を下回る同1グラム当たり140ピコグラムのダイオキシンが検出された。基準値を若干上回るヒ素やフッ素が検出された。"

こちらの記事でコメントしました。
沖縄市サッカー場基地跡地問題:沖縄防衛局の調査結果報道 2

○沖縄タイムス
沖縄市サッカー場基地跡地問題:沖縄防衛局の調査結果報道 2

沖縄市サッカー場基地跡地問題:沖縄防衛局の調査結果報道 2

QAB: 沖縄市ダイオキシン類検出 専門家「枯れ葉剤の可能性」
沖縄市サッカー場基地跡地問題:沖縄防衛局の調査結果報道 2
専門家本田教授と中村梧郎さんのインタビューです。
"沖縄市のサッカー場で見つかったドラム缶からダイオキシン類が検出された問題で沖縄防衛局は24日、除草剤との見方を示しましたが、専門家からは「枯れ葉剤」の存在を裏付けるものだという指摘が上がっています。
ベトナムで枯れ葉剤の調査をしたダイオキシンの専門家、愛媛大学農学部の本田克久教授はQABのインタビューに「枯れ葉剤には色々な種類がございますので、それ由来という風に考えざるを得ないですね」と答えました。
本田教授は沖縄防衛局の調査の結果ドラム缶内から高濃度のダイオキシン類が検出されたこと、また同じサンプルから枯れ葉剤に含まれていた非常に毒性の強い物質が高い割合で見つかったことに注目し、枯れ葉剤の存在を考えざるを得ないとの見方を示し、さらに次のように話しました。
「ベトナムで使われた(枯れ葉剤は)数種類ある。エージェントピンクとかグリーンと呼ばれる枯れ葉剤のグループがある。枯れ葉剤プラスもろもろの農薬類とか、少し焼却したり、色々なことをしているかもしれません。」
また、枯れ葉剤問題に詳しいフォトジャーナリストの中村梧郎さんは、ドラム缶の中から245Tという除草剤が検出されたことをあげ、一般的な「除草剤」が戦争で使われる場合に「枯れ葉剤」になると指摘しました。
中村さんは「枯れ葉剤の成分そのものですから」「通常除草剤に使われていたものが、軍用の兵器として使われる時、枯れ葉剤という名称に変わる。徹底的にもっと深い所をも広い面積で嘉手納基地の跡地を掘り返して調査することが必要だと今回のデータは示していると思う」と話していました。"





 


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Posted by 沖縄BD at 20:21│Comments(0)
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