高江ヘリ/オスプレイパッド建設に関する沖縄防衛局への抗議・要請 Part II-1

2013年03月01日/ 高江/ やんばる/ オスプレイ配備環境レビュー/ 世界自然遺産

報告 Part II-1
高江ヘリ/オスプレイパッド建設に関しての沖縄防衛局との交渉の報告、Part IIです。ここでは、交渉に参加した頂いたメンバーのブログもリファレンスにしながら、今回の交渉で見えてきた要点を6つ整理して報告します。新聞で報道されたN4においての土砂崩落について、そして世界自然遺産に関してのやりとりの報告になります。あ、文体も変わります。

高江ヘリ/オスプレイパッド建設に関する沖縄防衛局への抗議・要請 Part II-1











1)基地の中: 知られたくない事実 vs.知らせたい事実
今回、N4での土砂の崩落が公になったのは、工事を行っている沖縄防衛局からの報告ではなく、匿名の市民からの情報提供によるものだ。その情報をもとに高江の住民と支援者が沖縄県と話し合いを持ち、沖縄県が防衛局へ問い合せ、そこで初めて県と防衛局の話し合いが持たれた。その後、県と東村の「立ち入り調査」へと続いている。市民の情報提供がなければ、この問題が公の目から永久に隠されていった可能性は大だ。

交渉で明らかになった経緯を時系列で整理してみる。

1月8日 のり面の崩落
1月12日 工事業者より沖縄防衛局に崩壊の連絡あり

1月31日 高江住民の会と沖縄県と話し合い
2月1日 沖縄県が沖縄防衛局と話し合い
2月2日 沖縄県が立ち入り調査
2月12日 東村が立ち入り調査

交渉では、なぜ工事業者より崩落の報告を受けて後、3週間近くも沖縄県へ連絡をしなかったのかが追求された。防衛局は「程度の問題があった」として、崩落が「報告するのに値するかどうか」を判断していたと発言。

その判断に3週間もかかるのか。全く不誠実な回答としかいえない。

また沖縄防衛局はヘリ/オスプレイパッド建設に関して提出した「環境影響評価図書」(2-7-4)で、「沖縄県赤土等流出条例」を遵守して工事を行う、としている。

高江ヘリ/オスプレイパッド建設に関する沖縄防衛局への抗議・要請 Part II-1同条例には、事故などが生じた場合の適切な報告や対応の義務が示されている。

今回のN4での工事に関しても、同条例に従って平成24年5月に防衛局と沖縄県知事によって「事業行為通知書」と「確認済通知書」のやりとりが行われ、工事においては「管理基準の遵守を徹底すること」などの条件がつけられている。(詳しくは「チョイさんの沖縄日記を参照)

しかし防衛局はその管理基準に定められた報告書をまだ提出していない。

「条例違反ではないですか」という私たちの問いに、黙りこんだ防衛局。
この事態に条例を主管する沖縄県はどのように対応していくのか。
市民の厳しい目は、沖縄防衛局と沖縄県へ注がれる。


2)基地の中:知らせたくない事実 vs 知りたい事実
交渉で防衛局は、崩落直後の現場やその後の措置状況の写真があることを認めた(当たり前のことだが)。工事業者が撮影しているとのことだ。防衛局は2月1日の沖縄県との話し合いの席でも写真を示して説明したという。

これらの写真は、今回の崩落の原因や影響の検証において重要な役割を持つはずだ。しかし私たちが交渉で写真の公開を求めた際、沖縄防衛局は「提供区域の情報」なので「米軍の許可が必要」と公開を拒んだ。結局写真の公開については、次回の交渉に持ち越された。沖縄県に対しても、提供区域内(基地内)の写真ということで「写真の持ち帰りは遠慮してもらった」という。

崩落した赤土やそれを覆いかぶせたシートの写真が米軍の機密情報となるとは非常に考えにくい。
防衛局は「米軍の許可」を盾に自らの失態を隠している、ととられても仕方が無いのではないか。
説明責任、アカウンタビリティーを全く欠いた対応としかいいようがない。

3)崩落の原因:「降雨」vs「工事」
沖縄防衛局は、土砂の崩落の原因を「年末年始の降雨」とし、ヘリ/オスプレイパッド工事との関係を否定し続けていた(沖縄タイムス3月2日)。しかし交渉でこちらから年末年始の降雨量に関するデータが示されると、口ごもってしまった。なぜなら、降雨が原因とする見解の矛盾を浮き彫りにしたからだ。

交渉でのKさんの指摘を紹介する。
「1月8日は48ミリ。年末の1週間足してもわずか20数ミリ。1月7日までの年
始の1週間は20数ミリ。1月8日にやっと48ミリ降ったけど、やんばるではた
いした雨ではないですよね。

去年の8月大型台風で雨はどれだけ降りましたか。26と27日で、合わせて40
0数十ミリまた9月31日には台風で、170~80ミリ降っています。

わずか48ミリで斜面が崩落するなら、これから梅雨、また台風が来たときにどう
なるのですか。これでも防衛局は雨が原因というのですか。」

公式には沖縄防衛局は「降雨」が今回の崩落の原因という見解を撤回していない。
もし降雨が原因というならば、少量の雨でも地盤の崩落がおこる危険な場所で、そして危険な工法でヘリ/オスプレイパッドが建設されていることになる。近くに住む住民にとっては勿論、米軍にとってもでーじなとん!、とはまさにこのことだ。(細かい分析は「チョイさんの沖縄日記」にあるので参照を!)

この崩落については防衛局は米軍に報告しているという。どういう報告をしているのかは分からないが、このヘリ/オスプレイパッドは危険なのでもういらないと、米軍は判断してもらいたいものだ。






同じカテゴリー(高江)の記事

Posted by 沖縄BD at 10:08│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。