豊見城支部の活動状況です。
2011年12月18日/ 豊見城支部
豊見城支部の瀬長です。
既に沖縄BDのメーリングリストでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、これまでの活動状況を載せておきたいと思います。
今年3月、地元である豊見城市字豊見城において、南部の3市3町で建設する火葬場「南斎場」の建設計画があることを知りました。
既存施設の敷地面積約1,000㎡に対して、新しい火葬場は約13倍の13,000㎡と大規模であり、火葬場建設と同時に周辺に3本の道路を建設する計画も判明しました。
そのうちの1本は、饒波川に沿って計画され、ラムサール条約に登録されている漫湖の湿地帯と、豊見城城址の森林とを分断する道路になっています。
この一帯は漫湖の周辺で唯一、自然の河岸が残された場所で、都会の中でも珍しく自然が残された場所だといえます。
ここに道路を建設すると、山と川が分断され、環境への負荷が避けられません。
そこでいろいろと調査を始めたところ、様々な問題点が浮かんできました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
既に沖縄BDのメーリングリストでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、これまでの活動状況を載せておきたいと思います。
今年3月、地元である豊見城市字豊見城において、南部の3市3町で建設する火葬場「南斎場」の建設計画があることを知りました。
既存施設の敷地面積約1,000㎡に対して、新しい火葬場は約13倍の13,000㎡と大規模であり、火葬場建設と同時に周辺に3本の道路を建設する計画も判明しました。
そのうちの1本は、饒波川に沿って計画され、ラムサール条約に登録されている漫湖の湿地帯と、豊見城城址の森林とを分断する道路になっています。
この一帯は漫湖の周辺で唯一、自然の河岸が残された場所で、都会の中でも珍しく自然が残された場所だといえます。
ここに道路を建設すると、山と川が分断され、環境への負荷が避けられません。
そこでいろいろと調査を始めたところ、様々な問題点が浮かんできました。
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まずは、ラムサール条約に登録された漫湖の河岸に道路を通すとなると、環境破壊が懸念されます。
また、国内のラムサール登録湿地は37箇所あり、その中で「都会にある湿地」というのは珍しく、より貴重なものとなっています。
また、先日(2011年12月11日)行われた住民説明会では、道路の専門家から「この道路は火葬場建設とは関係の無い道路である。渋滞緩和が目的であれば、火葬場の供用開始と道路の供用開始は同じでなければならない」という指摘がありました。しかし、市側はそれでも「地域からの要望」を盾にして道路の必要性を訴えていました。
そして、火葬場の建設費も問題といえます。
建設予定地は城址の一角で、急な斜面になっています。
大幅に斜面を削り取って、擁壁を造らなければならず、約26億円の事業費です。
南斎場は北斎場(那覇市と浦添市が運営する斎場。いなんせ斎場)と同規模の火葬場ですが、いなんせの建設費18億円に対し、南斎場は約26億円と建設費が高くつきます。
なぜ、建設費が高くつくようなこの場所に決めたのか、住民説明会では「人口の重心」であるとか、「アンケート調査」によるという説明でしたが、納得できません。
そもそもここは「グスク」という場所で、歴史的にも文化的にも価値の高い場所であるはずです。
最近では、大里城跡も国の史跡になるという新聞報道がありました。
首里城などは世界遺産にも登録されています。
今後はこのような「グスク」について注目が集まり、その価値も高まると思います。
そのような場所であることを考えると、そこに火葬場を造る理由はないはずです。
グスクは移転など出来ませんが、火葬場なら他に候補地を探せるはずです。
市側がこの場所に固執するのは、古い火葬場(昭和36年に造られ琉球政府の許可を受けている)をなんとかしたいのかも知れません。
法改正が行われても、民間の企業が暫定的に運営しているの状況なので、早めに公的機関の運営に変えたいのだと思います。
新しい火葬場を別の場所に建設すると、古い火葬場がそのまま残って運用を続けてしまう、この状況がまずいのだと思います。
更に、火葬場建設予定地の大半は、豊見城城址公園を管理している岩崎産業の土地です。
岩崎産業は、火葬場建設や、そのための「埋蔵文化財調査」などに反対してきた経緯があります。
何度か市側と交渉が行われたようです。
そして、岩崎産業は「条件付き」で文化財調査などを許可します。
その条件は、前述の「3本の道路建設」だったようです。
火葬場を作らせる代わりに、自分達が利するような道路建設の要望を出し、市はそれに応じる構えです。
城址公園に「県立郷土劇場」を誘致する、という話も元を辿れば岩崎産業が市長に要望を出し、市長が「市に対して要望書を提出してください」と岩崎産業に促し、それを元に市長が誘致に名乗り出たという格好です。
市のほうとしても、道路を造ったり、経済活動が活発になれば、税収が見込めるという狙いがあるのかも知れません。
しかし、一企業にここまで優遇して良いのかどうか。
また、地元の字豊見城自治会は、私たちの活動に対抗するかのように、「南斎場建設に伴うアクセス道路の早期整備について」という要望を市長と市議会宛に提出しました。
区長さんからも話を聞きましたが、そのアクセス道路(饒波側沿いの道路)は、長年の悲願の道路であったとのこと。
当初、私の質問に対して区長さんは「那覇市は漫湖を埋め立てたりして発展してきているが、豊見城のほうは開発が遅れている」といったことを話していました。
しかし、どうもそれは建前のようです。
本音としては、川沿いの道路のずっと先のほうに、字豊見城自治会と地元区民が所有者となっている土地「チーヤ森」があり、道路はこのチーヤ森にかぶさるように造られれば、その用地買収にて自治会にお金が入るということを期待しているらしいのです。
その土地は約770坪。
平方メートルに換算して約2,500㎡。
これに買収の単価1㎡当たり8万円を掛けると、土地が全て売却できれば約2億円が入ってくる計算です。
更には、火葬場から少し北側には、琉映株式会社の土地があります。
この琉映の代表者は市議会議員の先輩のようです。
その議員さんは、道路建設の推進派で、積極的に推し進めています。
また、市長は12月4日に字豊見城公民館で行われた「字誌出版祝賀会」にて、「来週の住民説明会には多数の環境保護団体が押し寄せてくるかもしれないので、皆さんもたくさん足を運んで、彼らに負けないように南斎場建設に向けて頑張っていきましょう」という、賛成派を動員する発言がありました。
駄文となって申し訳ありませんが、昨日までに分かっている問題点は、ざっとこのような感じです。
タグ :作業部会
Posted by 沖縄BD at 02:02│Comments(0)