[お断り]記事の更新は2016年1月になっておりますが、記事の検索上の都合もあり、2015年9月の投稿にしています。
9月3日、沖縄・生物多様性市民ネットワークは、沖縄県に基地環境行政全般に関する要請を行いました。
沖縄市サッカー場の件、西普天間の件、新設された「基地環境特別対策室」の件、環境補足協定など、県の役割や動向が明確でないのでそこを確認したいこと、そして沖縄市議、宜野湾市議といった、現場を抱える自治体の議員が県に意見を述べる場がないので、私たちが設定することが必要だと思ったことからこの要請を行いました(ただ、市議たちは自分たちでそういう場を設定してもいいと思いますが)。
photo:Osamu Makishi
要請者と対応者は以下のとおりです。窓口となった環境部環境政策課基地環境特別対策室長松田了さんには複雑な^^;要請に対応していただき、また要請後も文書の提供など対応いただき、感謝しています。
要請文と県の用意した回答については、以下のとおりです。ただ回答部分はそんなに面白くありません。相変わらずの予測できる県行政っぽい回答ぶりだと思います。
その後の、県とBD、市議のやりとりの部分が、県の姿勢が明らかにわかり、意味のある部分だと思います。折りたたんだ部分にBDの共有報告記録用に文字起こししたものをはりつけてありますので(PDFでも読めます)、長いですが、興味のある方はどうぞ読んでください。
特に、池原沖縄市議と県とのやりとりは注目していただきたいと思います。
沖縄県の役割が曖昧であり、結果的に沖縄県が「防衛局に要請した」「防衛局に指導した」後に、無責任状態になっていることがよくわかります。
台風9号の濁水対策の件では、県は沖縄防衛局に指導をしたが、防衛局の施工のやり方が少し甘かったということは思っている、ということを認めています。それに対して、池原市議は「指導したといっても検証はしっかりしているのか。ないからこういうことになっているのではないか。『指導した、きちっとやっているだろう』、と『だろう』の概念でやられているのではないか。」と厳しく追求しています。
県がどのような指導をし、防衛局はどのように対応していったのか、また、防衛局の調査の方法、調査結果、対策に対して県や市が承認し、同意しているのかが現在、議事録がないため検証できません。また、防衛局の報告書や対策に、ゴーサインを出す県や市の責任はどのように問われるのか、という問題も曖昧です。
このような体制を放置してはいけないので、私たちは3者の議事の公開、議事録の公開を要求していたのですが、この時点で、県は「議事録つくっていないのが実情」といっていました。
この後、沖縄BDが3者協議の件で国会議員を通じて調査した結果がでてきました。また後日記事をあげてリンクつけます。
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【要請文と県対応】
2015年9月3日
沖縄県知事 翁長 雄志殿
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
共同代表/ディレクター 河村 雅美
共同代表 吉川秀樹
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7 セミナーハウス304
NPO法人「奥間川流域保護基金」事務所内
TEL/FAX:098-897-0090
沖縄県における基地環境行政について(要請)
日頃の沖縄県の環境行政への取り組みに対し、感謝申し上げます。
沖縄市サッカー場の汚染調査、キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区返還など、ここ近年の基地環境行政における沖縄県の役割はより重要になっていると私たちは認識しています。
2014年に新設された「基地環境特別対策室」で、基地環境に関する知見が蓄積され、沖縄県の基地環境政策が推進されていくことを期待しています。
一方、基地環境政策は、日本政府、沖縄県、各市町村、米国政府、在沖米軍、そして市民との関係の中で遂行されるものであり、沖縄県だけで完結するものではありません。現在、その関係性の中での沖縄県、及び市町村の責任や、主体的な役割が見えてこないというのが現状です。
また、「基地環境特別対策室」と現在の案件における沖縄県環境行政との関係や、実効性、今後の展望についても不透明な部分があります。
県民との実質的なコミュニケーションの充実もまだ図られていない状況です。
環境行政は、「情報公開」と「市民参加」「環境正義(environmental justice)」であるという原則をふまえ、以下の点について、要請いたします。
県:
沖縄市サッカー場の調査は沖縄防衛局により実施されている。沖縄防衛局、沖縄県、沖縄市の3者で調査の手法等について協議を行う中で県は指導的役割を担っている。
①土壌汚染対策法、水質汚濁防止法、廃棄物処理法等に則り、適正な調査、汚染除去、廃棄物処理を行う事について、沖縄防衛局を指導する立場にあると考えており、これまで、調査の手法、汚染除去の手法などについて、沖縄防衛局に対し必要な指導、助言を行っている。
②また、地下水の水質測定等を実施し周辺環境の状況把握に努めているところ。
県:
3者の「素直な意見」を損なわないように非公開にして協議は実施してきている。協議を踏まえて行われる調査過程、調査結果等についてはできるだけ速やかにわかりやすい形で県民や市民に公表するよう沖縄防衛局に働きかけている。
県:
汚染拡散防止対策については、沖縄防衛局の責任でなされると理解している。沖縄県はそれについての助言を行っていく。地下水についてはこれまでのところ6回、サッカー場に隣接する河川の河口の底質については4回、暗渠排水についてはこれまで4回実施している。
5月の最終時点までの調査結果については、いずれも基準値の超過はない。
直近のものでは8月31日に採取して地下水、底質の調査があるが現在分析中。ご指摘の公表の仕方に対しては、今後検討していきたい。
県:
全面調査でドラム缶に高濃度のジクロロメタンが残存しており、掘削部の汚染が懸念されていたこと、県道側の法面の崩落の危険があったこと、赤土流出防止対策の観点から掘削部を全面ブルーシートで覆い、雨水については排出するという方針を3者で確認していた。
しかしながら台風9号でブルーシートがめくれ、一部濁水を排水することになった。今後は赤土防止条例に排水基準を守るように現状でたまっている水についても条例を所管する立場から条例を遵守するように3者協議で発言をしているところである。
県:
米軍施設環境対策事業において、在沖米軍基地の土地の使用・改変履歴、環境事故歴等を調査することとしている。同調査により基地内の環境汚染の可能性等について把握して参りたい。
県:
作業員の安全確保については、労働安全衛生法等に基づき発注者及び被雇用者等において為されていると考えている。
県:
情報公開のあり方については、各行政主体により判断されており、要請事項については沖縄防衛局、沖縄市に伝えたい。
県:調査の手法、汚染除去の手法などについて、沖縄防衛局に対し必要な意見を述べることにより適正な調査及び支障除去対策の実施を確保する役割を有していると考えている。
県:
県及び宜野湾市の意見については、支障除去作業部会等での調整を踏まえて沖縄防衛局に対応させた又は対応に向けて協議を進めているところである。
県:
沖縄防衛局が行う調査の手法等については、支障除去作業部会等において関係機関で協議を行うことにより、その妥当性を判断している状況にある。なお、支障除去作業部会の協議結果については、協議会に報告することを行っている。評価基準については各種環境基準等を参照して判断している。また、宜野湾市の発言内容については県は現時点で承知していないが、県環境部においては、環境法令を熟知した職員が調査の内容等について審査している状況である。
県:
アスベスト及びPCB調査の結果については、平成27年5月13日に沖縄防衛局から結果概要について説明を受けたところ。沖縄防衛局が行った調査の結果については、関係法令に則り判断していくこととする状況。
県:
支障除去に要する期間については、文化財調査や環境調査等の結果を踏まえて異なってくるものと考えている。跡地利用推進法に基づき徹底した支障除去が講じられるよう沖縄防衛局へ求めていくが、まだ文化財調査や環境調査が終了していないので、現時点で直ちに期間の延長を求めることは考えていない状況にある。
県:現時点では、平成29年度以降も組織を継続し、基地に関連する環境問題の解決に向けた取り組みを強化したいと考えている。なお、組織の問題については今後、庁内担当部と調整を行って決定するプロセスになっている。
県:
県では平成28年度末に「基地環境調査ガイドライン(仮称)」と「基地環境カルテ(仮称)」を作成することを目標に作業を進めているところ。また、同作業は国(防衛省、外務省、環境省)へ適宜説明を行いならが進めている状況である。
現在でも国に県の考えを伝えている。同ガイドライン及びカルテ策定後は、その活用について国に提言して参りたい。
県:
基地環境特別対策室の設置目的、あるいは現在進行中の案件については市町村担当者
進行中の個別の事案については、適宜、県関係課や市町村担当部署との間で協議や意見交換の場を設けることにより情報交換等を行っている。
県:
地位協定に関しては沖縄だけではなくて全国民的な課題であると考えている。沖縄県では渉外知事会と連携し、地位協定の早急な見直しができない場合には環境法令の適用や環境調査等の規定を盛り込んだ「環境補足協定」を締結するよう求めてきたところである。平成26年10月に日米両政府間で実質合意された環境補足協定に関しては、基地を抱える地方公共団体の意見を十分反映し、実効性のある協定となるよう引き続き求めて行きたいと考えている。
その他軍転協など県内の機関を通じて、要請を行ってきたところであり、所用で上京した際には、外務省、防衛省にも要請を行ってきた。
県:
2015年2月に軍転協、7月に渉外知事会で要請してきた。
環境部では、10月20日の翌日、外務省と防衛省に実質合意の内容を確認するとともに県の考えを伝えた。4月8日、5月15日、8月7日、基地環境特別対策室の事業を説明する際にも環境補足協定が実効性をもつものになるよう要請をしてきた。
以上
要請文のPDFファイルはこちら。
(PDF: 260.17KB)
記録のPDFファイルはこちら
(PDF: 469.19KB)
【県とBD・市議のやりとり】
BD: (3者協について)なぜ、自由な意見交換を妨げるということで、公開をしないのか。
調査結果ではなく、3者協の話。どう協議しているかの検証ができない。どういう助言をしているのかも、それに妥当性があるのかどうかもわからない。
県:市の担当と話すと市民に対してなかなか説明が十分にしにくいという話がある。調査結果でいろいろな数値がでている。市民はメディアで情報を入手するわけだが、沖縄市は自治会、地域の人々の声を直接聞く立場にあるので、この数値がどのように市民生活にどんな影響を持つのか、わかりやすく説明できないかと市も3者協の中で防衛局へずっといっている。防衛局がずっと調査をしているが、議事録については県だけでは判断できない。市にも聞かなければならない。調査結果については市民県民が理解しやすい形で公開してもらいたいというところはある。
BD:協議の公開についての話なのだが。
県:沖縄市とも相談しなければならない。
BD:沖縄市議から話をいただきたい。
池原市議(沖縄市):[1点目 県の責任の件]
ドラム缶問題の発覚問題で、調査を要請してきた。防衛局は対応してきた。しかし、沖縄防衛局の調査では信用できないので沖縄市にも防衛局と同時にサンプルを採って調査するように要請し、実施したら結果にも差がでた。このことで、防衛局の調査は信用できないということが示された。それ以降、市民レベルでも監視をし、市議会でも説明会を求めたり、基地特なども含む市議会でもやってきた。
そのような中で、市と県と防衛局の3者協で十分に説明がなされ、防衛局は県の了解をとってなされてきた、と私たちには報告される。防衛局は防衛局で私たちの一存ではなされていない、と、そして県は、今、回答のとおり、県の一存では報告できないという。市は市の方でわかり易く説明してほしいと要望しているのにも関わらず、県は市の了解をとらなければという。これでは、県の果たす役割が何なのか市民県民からはみえてこなくなる。防衛局は防衛局で県に預ける、県は、沖縄市に預けるというのでは、どこに説明を求めていいかわからない。権威はどこから発せられるのかわからない。環境汚染に関しては基地であろうと一般の土地であろうと土対法、水質汚濁防止法などについて、県は指導する立場にある。今の状況からすると、いわゆる防衛局任せ。こういう形でやること自体が妥当なのかどうかということ。県は指導すれども、(その後の)検証しないという形になってしまっている。それでは市民の不安は払拭できないのではないか。
サッカー場そのものは沖縄市が補助金でつくって、整備していった事業。沖縄市の関わる範囲は、サッカー場範囲内のみ。しかし、地歴調査をすると、米軍のゴミ捨て場だったことがわかっている。そうすると、(汚染は)サッカー場の範囲内ではとどまらないと思う。サッカー場以外周辺については県がかかわるべき。そこで県は役割を果たしていない。サッカー場の中だけのことで、3者協で県は指導してます、という言い方で終わっている。市民・県民からすると県の役割は果たしていないのではないか、という疑問をもたざるをえない。
国体道路までゴミ捨て場の範囲が及んでいたこともあるだろう。道路が改変されているのでそこまで調査が及ぶことができるかはわからない。地歴調査からすると、国体道路、高速道路下まで及んでいるかもしれない。サッカー場だけでなく、沖縄県は周辺調査をしっかりして、結果をだすべき。
[2点目 調査体制の話] 調査について、われわれは監視をしてきた。沖縄市は市政が変わったので、クロスチェックしなくなったが、ダイオキシンの基準値超え、枯れ葉剤に起因しているのではないかというものもあり、市民は(不安で)いてもたってもいられない状態。県はこれについて何もやっていない。県も市と一緒にクロスでやるべき。
[3点目 雨水対策の件] 掘削した窪地に水がたまっており、土壌から汚染物が溶出し、この水も汚染水となるのではないかという指摘を受けて、実際にはブルーシートで対策していた。その対策については沖縄県も指導したということで、ブルーシートの対策でやっていた。当初、(窪地の側面の)ブルーシートの現場での重ねあわせ方が水の流れの方向からすると反対であった。実態としてそのような状態であり、市議から指摘したら直ったが、その後、台風9号がきて、また元の方法に戻っていてめくれて剥がれていた。「やり直しました」というけれど、また同じ形になっていた。これでは滞水がきちんと処理されているようには見えなかった。雨水だけというなら、透明な水が貯まらなければならない。実際は濁っていて、完全な汚濁水。これを分析して排水したのかと聞いたら、そうではないという。窪地に溜まった水を流すのを指摘されて止めた、ポンプが一部壊れて止めたというが、実際は市民に指摘されたのでポンプからの排水を止めた。窪地に次々と雨が降ったら溜まる。本来は、下の方で窪地をつくって、ポンプアップして排水する施策をとるべきだけれど、それどころか窪地そのものに7,8割滞水しており、そこから排水していた。これは3者協で指導を受けて、排水したと(沖縄防衛局は)議会で説明した。その分析結果はどうなったかを聞いたら、基準値以下だったという。しかし、水質汚濁防止法でやられていない。水濁法でやれば、超過基準。これはおかしいということで申し入れをしたら、タンクをもってきて、水を保留するという施策をとった。大型クレーンをもってきて貯水タンクをいれた。しかし台風13号でタンクまでが水没した。何のためにタンクを設置したのかわからない。汚染水を除染するために設置したはずである。
また、そこで作業していた従業員は防護服もつけないで、素手で対策をとっている。作業員の健康管理、どう県が指導しているのか。この中では市議会の基地特でも防衛局に再三申し入れをしてきた。作業員の人たちにも安全対策を取らせているのか。しかし写真をみると、作業員は無防備の形で作業している。ダイオキシンの危険性についても全然知らされていないのではないか。
これについても、防衛局にいうと、「3者協議の了解の上です」、という。どういう発言をして、どのような指導をしているのか検証したいので、議事録公開について今日、申し入れをしている。市民県民からしたら何を信用していいかわからない。
土壌汚染や水質汚染も大事だが、作業員の安全、同時に出入りする車の除染対策も大事。出入り口にポールをつくって水洗いするなどして一般道路を汚染しないようにしなければならないはず。これについて3者協で指導しているか。そういう意味でも2次汚染が起きる必要がある。
河川への排水も北谷漁港に流れていく。県の河川の調査重要。その後の報告なし。それはどうなっているのか。
(沖縄県環境保全課長仲宗根)これまでサッカー場のそばの大同川、駐車場の側の川、それが嘉手納基地の中をとおって国道をはさんで海岸に抜ける。その河口の底質(底に溜まった泥)を4回測定している。H25年6月、H26年2月、H27年2月、H27年8月(これはまだ結果がでてない)測定。基準値以下である。食物連鎖に関してであるが、河口域に関しては基準値が150pgということから考えて、生態域に関しては影響が少ないだろうと考えている。
BD: 北谷の砂辺の方にも流れているのか。ダイバーが泳いでいるのだが
(沖縄県環境保全課長仲宗根):そこには流れていない。
BD:溢れてでた水は川の方に流れていくのか。
県:経路としては地下浸透と、下水道、釜を掘っているが、そこの脇にある排水路に流れていく。
BD:地下水も下水道も大同川の方に向かって流れていくのか。
県:そうではなくて、地下水の経路は一本道で流れていくわけではない。それに関しては嘉手納基地の中の井戸がある。2箇所の井戸でサンプリングして、ダイオキシンの分析をして環境基準を満たしているという状況。
BD:ダイオキシンだけか。
県:蓋然性の高いものを分析項目としている。
BD:北谷町には連絡しているのか。
県:直接連絡はしていないがHP上で公表している。
BD:議事録の公開、調査結果の問題について沖縄市に責任を負わせるような発言があった。「市民が心配するから」という言い方はオンブズマン制度からみてもとてもナンセンス。翁長知事で県民が主体となる県行政が期待されているわけだが民主主義を支えていくのは情報だ。特に行政がどのような仕事をしているのかということに、市民県民が直接関わっていけることに民主主義はある。そういうことをないがしろにしている行為ではないか。
市民県民を信じて、沖縄防衛局とこういう話をしている、こういう懸念があるけれど、それを払拭していく努力をしていきます、というそういう情報を市民県民は求めている。特にサッカー場は子どもがいた場所でもあるし、生活の問題である。沖縄県は指導していくというた立場。どのように県民に情報公開していくかを県に強くとり組んでもらいたい。
桃原(宜野湾)市議:西普天間の返還の話。沖縄防衛局の調査は信用できない。宜野湾市はなかなかこれについて動こうとしない。
風評被害の懸念もあるだろう。しかし、調査後、開発するときに汚染が発覚するときのことも考えて、県はきちんと取り組んで欲しい。情報公開の件はきちんとやってほしい。
BD:雨水対策については、3者協議以外にどのような対策を行ったのか。
県:(仲宗根):赤土流出防止の意味もあって、ブルーシートの対策をした。池原市議のおっしゃるとおり、雨水を溜める場所という考え方のもとで、我々は指導した。7月9-10日に台風が接近した。その前の7月8日に行程会議を行っている。県は今のままのブルーシートの被覆のやり方では生ぬるいと、もっときっちりと対策をやってほしいと、具体的にいえば吊るし柿、土嚢の密度が薄いのではないか、横にも土嚢をむすびつけてやるべきではないか、という指摘をした。
ここに集まるのは雨水のみという設定でやった。だからブルーシートでやった。しかしブルーシートが剥がれて濁水が生じてしまった。当然ブルーシートが剥がれて雨水に当たれば濁水となって出るわけで、底に溜まって一部はでていったということは間違いない。
われわれとしては今後そういうことがないようにということで、防衛局に申し入れて特に、廃棄物混じりの被覆土については、きちっとやってくれといっている。今現在台風15号の件についてはこちらの指導についてやってくれともいっている。これまでについては防衛局さんの施工のやり方が少し甘かったということは思っている。
池原市議:釜の作り方が小さすぎた。本来は雨水が流れたら釜に溜まってそれをポンプアップで排出しますよ、となる。それは徐々に排出されるのだから、簡単に重ねあわせても対応できただろう。釜が小さいわけなので、実際は滞水してしまう。滞水したらブルーシートが吹き飛ばないように土嚢で固定せよといっても、実際は滞水して重ねあわせたところから漏れるとはっきりしている。滞水した段階で、実際には周辺からの汚染土壌、汚染水というのは入ってくる。だからこそああいう濁水ができたのであって、先ほどいったように溜まった水タンクについても水没している?そこまで水量があった。多くの汚染物質が溶出してきたと思われる。そのための対策どうするのか、といった時に防衛局は次はモルタルで防水をして、遮水するといったけど、それをやらずに道路が決壊するからといって埋め戻している。これは議会に対して、約束違反である。これについて3者協で指導を受けてやったといっている。その指導したか?
県(仲宗根):ここは廃棄物が相当埋まっていて、全量を掘り出している。その時法面の県道側が崩壊の可能性が高くなっていることで、放置すると県道の歩道側まで崩れる可能性がある。ということで速やかに対応する必要があるということ。廃棄物は全部掘りあげてあるし、汚染の恐れが高いというわけでもないので掘り出したあとの底面の土壌についても汚染物質がないということでもない。作業が進んでいる。
池原市議:本来、ヤスバリ工法でやるべきでなかったか。まだきちっと調査されていないだろう。
県(仲宗根):土木的な工法については判断できない。
BD(吉川):3者協議でそういうことを話し合ったのではないのか。そういうのも判断するのも3者協議ではないのか。自分たちからみても台風対策は甘かったと思う。ポンプでどんどんどんどんだして汚染されているかいないか。これだけ台風が毎年くるような県で環境をもっと理解して対策することが必要。
県(仲宗根):我々も台風もくるし、梅雨の前からこの話はずっとしていた。沖縄、台風もくるんですよと。
BD:じゃあそれができてなかった。
県:それが指導にもかかわらずずっとできていなかった。
BD:それが問題。県は指導する、これが生かされていない。こういうのがずっと続いてくる。
BD:専門家はどこにいるのか。県はいるのか。防衛局の対策が妥当かどうか判断できる専門家はいるのか。
県:一人で対処できるわけではない。廃棄物だったら環境整備課、水質汚濁だったら環境保全課というように役割分担している。工法に関しては直接の担当ではないので、土木建築担当にみてもらうことになると思う。
桃原市議:それができてないから問題化している。海軍病院作るときのハウジング解体のアスベスト飛散についても養生していない。洗濯物が汚れるからと市民から苦情が来た。防衛局にいっても対策とらない。県はしっかりやってほしい。
池原市議:指導したといっても検証はしっかりしているのか。ないからこういうことになっているのではないか。「指導した、きちっとやっているだろう」、と「だろう」の概念でやられているのではないか。
BD:排水口の調査も1月から防衛局に移っているが7月に班長の玉城さんに電話したら、6月に出た調査にも関わらずみていなかった。保全課のHPで水の調査を一覧で見られるようになってそれはとても評価している。防衛局に範を示しているということでよいと思う。しかし、これまでやってきた水の調査を防衛局に預けたことで目を離すのもどうかと思う。pHが高いことの分析も異なっているし、その見解についても示してほしい。
対策室もがんばっているし、報告書もあげてくださっていることで私たちも勉強になる。海外の事例でも私たちが学ぶべきものと思っている、肝となるのは「住民参加」と「情報公開」である。対策室の委員の先生たちもそう指摘しているし、そこは現場に活かしてほしい。
作業員の安全であるが、雇用者と被雇用者の関係ということで放置していてよいのか。
県:労働安全衛生法に基づいて事業者がやるべきであると考えている。
BD:守られていない場合は。
県:我々は労働安全基準局ではないので。
県 :おっしゃる意味はよくわかるが、我々は指導、助言をする、命令をすることを法律に基いてやらなければならない。場合によっては告発をするということ。懸念があることについては沖縄防衛局に伝えるし、労働基準監督署に伝えることもできる。
BD:市民から懸念がでていることを伝えてほしい。
県:3者協でもいっている。
BD:それを確認できるように議事録をだしてほしい。発表する形でもよい。
県:議事録つくっていないというのが実情。
BD:また (笑)
県:それは3者協でもいっていく。
BD:みなさんのためにもいい。県がどんなに一生懸命やっているか、僕らはそれを信じているし、しっかりやってもらいたい。
池原市議:議事録がないと検証しようがない。最終的にお願いしたいのは、サッカー場からでていく車両の汚染拡散対策。市民の危惧がある。
BD:潮流で流れていくことや、海の方のことも考えて、北谷町にも調査の参加について、クロスで調査することも含めて考えてもらいたい。
県:公共水域については県の方でやっている。なぜ底質をやるかについては、ダイオキシンについては、水には溶けにくく、土壌に定着するものなので、最終的には河口の底質にたまりやすいということでやっている。今のところ基準を超えてはいないということでお話をしている。
BD:ダイオキシンだけでなく他にも有害物質がある。基地からの有害物質については。
県:基地排水に関しては我々も調査している。分析した結果は県の環境白書に載せている。
他の有害物質に関してだが、基準を越えたたまり水を駐車場側の17本のドラム缶とたまり水トータル272tはとってポリタンクにいれてコンテナに保管してある。
池原市議:それはたまり水というだけであって、雨の降らない時のたまり水。
県:おっしゃっている意味はよくわかる。今のところ掘りあげた廃棄物混じりの土壌については、グラウンドの中央部分に大きく盛り上げて遮水シートで覆われて保管されている状況なので、直接雨水が当たらない限りはそこからなんだかの有害物質が流れる危険性は少なくなっている。
池原市議:まだこういう状況。サッカー場でもまだ廃棄物があるのだから、外の調査もしてほしい。
県:それはサッカー場が復旧した時に検討する話だと思う。
桃原市議:大山の湧き水の水質のデータはあるか。
県:チュンナガーについては自治会で管理していて我々は鍵を預かって中に入ってサンプリングしたりしている。
桃原市議:後でデータほしい。
県:環境白書にでている。宜野湾市も水質調査している。
BD:環境補足協定のことであるが、辺野古の問題で取引材料として出された時には、全国的な話であるからということで、沖縄県はそこで話し合わないということで、毅然とした態度で拒否してほしい。
県:これは辺野古とリンクして要求していることではないので。
BD:そうであるが、普天間の5年以内運用停止と同じ話になる。口約束で言質をとっていない状態で見解がわかれている。
県:立ち入れるようにしたいという県の見解は、7月27日に副知事、29日には知事に報告していて、それは必要なことなので引き続き事務方でも国と折衝するようにとの指示を受けている。バーターということで作業しているわけではなく、知事もそういうつもりである。
BD:それをぜひ通してほしい。相手はいろいろ出してくる。そのために議事録をしっかりとって。
BD:今日の回答書はいただけるのか。
県:これまでは口頭でということであった。口頭と(用意した)文書は若干違うところがあるので。
BD:文書でいただきたい。
県:上に伝える。
BD: これから私たちも外務省にいく。私たちも県の背中を押したいと考えている。今日はありがとうございました。