Skypeで講義@一橋大「環境問題からみる沖縄:国境を越える取り組み」

沖縄BD

2013年05月24日 19:31

5月23日(木)一橋大学の多田治さんのクラスで、Skype(インターネットを使った電話。画像もOK)をつかって、私、河村雅美が沖縄から遠隔で講義をしました。私もこれは初めての試みだったのですが、とりあえず技術的にはうまくいったので、今後もこのようなツールも使って沖縄の声を伝える機会をみんなも増やすことができればいいな、と思います。



内容ですが、 グローバライゼーションを学んでいる学生さんを対象としているとのことなので、「環境問題からみる沖縄:国境を越える取り組み The ”Okinawa Problem”: A Global and Environmental Perspective」というタイトルでパワーポイントを使いお話し、多田先生や学生さんとはビデオ通話で対話しました。





辺野古/大浦湾への米軍新基地建設阻止の取り組み
 辺野古/大浦湾への米軍新基地建設に対して、環境問題の回路を用い、国内的には、環境影響評価制度(環境アセス)の中で、また米国との関係や、国内的に民主制度が機能しないことから、取り組みが国境を越えるものに成らざるを得ない事情などの説明をしました。その後、国際的な取り組みの具体例であるIUCNやUNEP(国連環境計画)、生物多様性条約、国連の人権の枠組み、米国におけるジュゴン訴訟についてお話しました。

直面する問題:環境問題アリーナでの沖縄の「特殊化」/「専門家」「研究者」 
そしてこの中で直面する問題を具体的にお話ししました。国内環境団体の中でも沖縄の問題が「特殊化」される問題について、また、私自身が研究者でありながらこのような問題に携わっていることと、大学という機関の中にいる学生さんたちへの話ということで、環境問題のアリーナの中で、「政治的」といわれる米軍基地の問題の中での「研究者」「専門家」の役割やコミットメントについて、問題提起をしてみました。


過去の問題を問う取り組みも
 また、沖縄は新基地建設を「阻止する」と同時に、米軍による土地汚染など、「過去の問題を問う」取り組みも同時進行で行わなければならないという事情、その象徴である沖縄の「枯れ葉剤」問題についてもお話しました。


問題の連続性「軍事化」とは何か:環境からの視点
 学生さんたちは食の安全についての映画『フードインク』もみていらっしゃり、モンサントの遺伝子組み換えの問題も理解しているので、モンサントが枯れ葉剤の製造元であり、その企業が生きながらえていることもふれ、問題の連続性などをヴァンダナ・シバのインタビュー記事GM Seeds and the Militarization of Food - and Everything Else も紹介し、「軍事化」とは何であるのかを考える材料を提供してみました。



この問題についてはまだ自分でも未整理・未消化の部分があって、学生さんにうまく伝えることはあまりうまくできなかったかもしれません。
 これは宿題として自分に課し、沖縄のみんなと、また遺伝子組み換えの問題にとりくんでいる人たちと追求していきたいと思っています。

 準備や話している途中、質問の中でいろいろ気づきがあり、学ばされました。このような機会を与えてくださった多田先生、そして聞いてくださった学生さん、どうもありがとうございました。


                                    河村 雅美

 

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