枯れ葉剤 「記録は確認できない」から「記述は不正確」へ

2013年01月08日/ 枯れ葉剤

 昨年8月、沖縄にドラム缶2万5000本、5200トンもの枯れ葉剤が保管されていたことがアメリカ陸軍化学物質庁による「ジョンストン環礁の生態アセスメント」報告書から明らかにされたというニュースが報道されました(BD記事はこちら)。
 県議会の質問でも報道はされているのですが、外務省のこの件に関しての沖縄県と名護市への回答を、以下に抜粋しておきます。
「今般米側からは、上記につき改めて説明があるとともに、2003年の報告書『ジョンストン島における生態評価書』は米陸軍より委託された第三者がジョンストン島の生態及び軍事活動が島の生態に及ぼす影響を評価したものであり、枯葉剤に関する経緯を記録することを目的としたものではないこと、沖縄に枯葉剤が保管されていたという記述の部分は不正確であり、米陸軍及び米国政府が承知している事実と異なっている旨の説明がありました。」

枯れ葉剤 「記録は確認できない」から「記述は不正確」へ


 この件に関する、私たちの要請は以下のとおり。
「ジョンストン島における生態アセスメント」の回答部分について
4)「ジョンストン島における生態アセスメント」の件に関して、米国のどの部署からどのような説明を日本側のどの部署が受けたのか、示してください。

5)「沖縄に枯葉剤が保管されていたという記述の部分は不正確であり、米陸軍及び米国政府が承知している事実と異なっている旨の説明があった」とありますが、どの部分が不正確であり、米陸軍及び米国政府が承知している事実とは何なのかについて、米国からの具体的な説明があったのであれば示してください。ないならば、その後、問い合わせをしているかお答えください。問い合わせをしていないならば、照会をしてください。

 これまでは沖縄での枯れ葉剤の使用が記されている退役軍人の文書があるにも関わらず、「記録は確認できない」といい、文書がみつかると「記述は不正確」と米政府が説明してきました。この日本政府の回答に「はい、そうですか」と私たちは納得することはできないし、それに納得して米国政府にさらなる追究をしない日本政府にも納得はできません。
これは米国政府の公文書であり、政府が税金を使って責任を持って公けに発行(publish)しているものです。本当に公けの文書をそう簡単に「不正確」というでしょうか。やりとりで、どのような語句を用いているのかも知る必要があります。「不正確」ならば、どの部分が不正確なのか、それを問い合わせて書面で回答を得て、提示してほしいと思います。公けの文書が「不正確」ならば、米国政府からの書面での訂正が必要となるでしょう。
また、日本政府が自ら調査し、記述した科学者に問い合わせをする、あるいはその点まで米国に問い合わせ、私たちに説明することが、外務省のいう「注意深くフォロー」することではないでしょうか。
このような日米間のやりとりが非常に不透明なので、要請事項にやりとりを明らかにしてほしい、という要請(前記事)をしているのです。米国側への問い合わせも今後、必要となってくるはずです。

(続く)



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Posted by 沖縄BD at 00:09│Comments(0)
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