COP11日印サイドイベント参加者から日米首脳と国民へ公開書簡

2012年12月27日/ CBD

 COP11で行った日本とインドの市民が共催で行ったサイドイベントの、特にインド側の参加者からの呼びかけにより、日米首脳と国民への公開書簡が提出されました。National Campaign on Dalit Human Rights のN. Paul Divakar氏と反差別国際運動(IMADR)・ 国連生物多様性の10年市民ネットワークの武者小路公秀氏からの公開書簡となります。
 COP11における沖縄の発信と、その後の動きにご尽力くださっております武者小路先生に、深く感謝いたします。 

 武者小路先生からの紹介文です。
2012年10月インド・ハイデラバードで開かれた第11回生物多様性条約締約国会議(COP11)において、前回のCOP10を開いた日本市民と協力して日印両国サイドイヴェント「生物多様性と持続可能な生態系に関する社会マイノリティの伝統知の共有:生態系に優しい公正な開発を目指して」(Knowledge of Social Minorities on Biodiversity and Ecological Sustainability: in search of an equity-based eco-development)が10月11日に開催されました。その折に、琉球先住民族が現在直面している米軍基地による文化遺産と生態系破壊の危機について、沖縄・生物多様性市民ネットワークの瀬長修さんが報告しました。これに応えて、インド側参加者から、琉球先住民族の兄弟姉妹の極度の危険な状態について、日本と米国の政府と市民とにあてたアピールをだすことが提案され、満場の支持を得ました。
 これを基にして、今回の公開状が主催者によってまとめられ、本状に添付された参加者の名において、オバマ米国大統領と安倍日本国首相にあてて発送されました。本公開書簡は、全世界の先住民族や被差別少数者の団体・個人にも、また環境・人権・平和の市民運動や個人にも配布されるほか、フェースブック等でも公開され、かつてのヴェトナム反戦運動同様、世界的な運動に広がる可能性を秘めた公開書簡です。

以下、書簡と日本語による要約です。
Statement by Civil Society Organisations in India and Japan to US



Statement by Civil Society Organisations in India and Japan (to Japan)

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        ハイデラバードCOP11日印サイドイヴェント参加者から日米首脳と国民への公開書簡(要約)

日本国も批准している生物多様性条約が、世界諸国、諸地方にある「伝統的な文化慣行」文化価値に従ってその生物資源を用いるべきことを含めて、生命の多様性の本来の価値を尊重すべきことを認めていることを確認し、

琉球先住民族が市民社会諸団体ならびに、その他の大衆運動、メディア、行政面での諸活動が、米国軍事基地によって危機にさらされている沖縄の平和と安全の回復のために継続的な努力を傾けていることを確認し、

琉球の民衆が神聖と信じている土地に軍事基地をつくることをはじめとして、米国軍事基地の設置と存在が、琉球先住民族のコミュニティの歴史的、生態的遺産とこれに伴う伝統的な知恵の破壊という構造的な差別行為の深刻さを確認し、

琉球―沖縄の先住民族の平和に生存すること、ならびにより広く沖縄における生命とその多様性が、2010年の名古屋COP10の際に世界の先住民族が、琉球弧の兄弟姉妹の平和に生存すること(基地反対運動)を支持する決議をしたときよりも、さらに深刻な状況におかれていることを確認し、

すでに琉球先住民族が国際連合人種差別撤廃委員会に対して軍事基地のない平和な生活を求める請願をしていることを考慮し、

インドと日本において、長年にわたって、社会の差別のもとにあるマイノリティと先住民族人権の保護と伸長のために国内・国際社会で活動してきた自覚的な市民であるわれわれは、2012年10月にインドで開かれた生物多様性条約COP11において、琉球先住民族の伝統的知恵を共有するために集まったが、この機会に、インドと日本の先住民族とローカル・マイノリティの名において、沖縄における琉球先住民族の兄弟姉妹の苦痛を無視できない声なき民の声に耳をかたむけることを要請するものである。

われわれは、以下のことを要求する。

1. 地域市民の意見を含む環境影響評価を行うことで、生態系・人権・平和の諸側面で許容しがたい状態を終結させること。
2.  沖縄の伝統的な生態系と文化遺産の破壊をやめて、沖縄の平和と安全を回復すること。
3.  オスプレイが高江の森林地帯の危険を軍事訓練によって増大させることをやめること。

                                                                以上。

なお、本公開書簡にはさらに、辺野古、高江など、沖縄における危険な状態と環境破壊の現状を解説する説明がついているが、省略する。

(文責:武者小路公秀)




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Posted by 沖縄BD at 01:15│Comments(0)
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